DJI Ronin-SCを購入しました。実際に使ってみて良い点や不満に感じた内容をレビューしていきます。
DJI RONIN-SCに外部モニターを装着してみた ©
DJI Ronin-SCは動画撮影用の機材です。歩行時の振動を抑えて、滑らかな映像を気軽に撮ることができるのが特徴です。
ミラーレスカメラで滑らかな映像を撮ることができます。価格が安く、カメラの積載重量に応じて最適な設定を作ってくれる機能が優秀です。これにより、初めて使う方にハードルが低いのが良点です。詳しくはレビュー記事をご覧ください。Ronin-SCは通常版以外に、レンズのピント操作が可能なProコンボも用意されています。
また市販されているマイクや液晶も取付けることが可能になっており、より本格的な撮影も楽しめます。気づけば外見が凄いことに…!
購入して1週間目ですが、現時点で感じた感想をまとめていきたいと思います!実際に使ってみると、見た目がカッコよく、魅力的な製品なのですが、早くも不満点が気になってしまいました。その辺りも後ほど詳しく説明していきます。当記事が、購入を検討されている方の参考になりましたら幸いです。
また、おすすめのジンバルについては以下の記事でまとめていますので、そちらもご覧ください。
それではRonin-SCについて見ていきましょう。
目次:DJI Ronin-SCのレビュー
DJI Ronin-SCの良いところ・購入ポイントは?
DJI Ronin-SCを購入するまでは、1年ほど別の機材で一眼レフの動画撮影を楽しんでいました。日頃は、歩きながら撮影している事が多いのですが、ジンバルを使うと驚くほど滑らかに撮影できるので、ジンバルが有ると無いとでは動画撮影の楽しみ方が大きく違うと感じています。
Ronin-SCで撮影した映像サンプルはこれからアップ予定ですが、まず先にこれまで撮影した過去の作例をYoutubeで公開していますので、宜しければご覧ください。
DJI Ronin-SCでも同様の撮影ができそうです。さらに新しい機能も搭載されているため、表現の幅が広がるものと期待しています。
現在のジンバル製品は、DJIだけでなく他社からもリリースされていますので、一見しただけでは、どれが良いのか分かりにくい状況となっています。Ronin-SCの良いところを簡単にまとめると次の通りです。
- 価格が安い
- 機材が軽く(重量は1.1 kg)、手の負担が少ない
- ジンバル使用前に必要な設定を自動で調整できる
- スマートフォンとの連携機能が豊富
- 握り手のハンドルとアームを分離でき、持ち運びしやすい
特に他のメーカー製と比べて、良い点のは分離できる事です。
Ronin-SCではハンドルとアームをワンタッチで結合・切り離しができる。 ©
Ronin-SCではハンドルとアームをワンタッチで結合・切り離しができる。 ©
他のジンバルでは、カバンやカメラリュックにしまう事に苦労しますが、Ronin-SCは2つに分解できるので、収納しやすくなります。持ち運びが多い方にはオススメです。
また、スマートフォンとの連携機能では、発売当初には他社で搭載されていなかったAutoTune機能やアクティブトラッキング機能が搭載されています。私は重量・設定のしやすさ・機能性を重視していたので、1歩先を進んだ印象であるDJI Ronin-SCを購入してみました。
DJI Ronin-SC Proコンボと通常版の違いは何?
Ronin SCには価格の抑えられた通常版と、価格が高いProコンボがあります。Proコンボは通常版に加えてFocus(フォーカス)・モーターとFocus・ホイール等が付属しています。
軽量でコンパクトなRonin-SCは、どこへでも気軽に持ち運べ、どのような状況にも対応できるので、映像やコンテンツ制作において作成の選択肢が広がります。Proコンボは、価格が安い通常版に加えてFocusモーターが含まれており、カメラ・レンズのピント調整をコントローラーから操作可能になります。
Ronin-SC Proコンボに付属されるFocusモーター ©
Focusモーターがあると何が出来るのか?については、この後の項目で詳しく解説していきますが、ハンドル付近のコントローラーを回すと、連動してFocusモーターが回転します。
Ronin-SC Proコンボでは、左側面にコントロール用のホイールが付属される ©
Focusモーターはカメラのレンズに装着します。これによって、コントロール用のホイールを回すと、遠隔でレンズのズーム操作やピント操作が行えるようになります。
私はProコンボに加えて、充電器やチーズプレートなどの付属品を購入しました。特に充電器は付属してないので予め用意しておいた方が良いと思います。詳しい解説は以下をご覧ください。
Focusモーターとホールがあると何ができるの?
DJI Ronin-SCのProコンボでは、Focusホイールが付属されます。Focusホイールでは、カメラに装着されたレンズのピントリングをコントローラーから操作できます。また、非推奨の使い方だと思いますが、レンズによってはズームリングも操作できるようです。
Focusモーターとホイールがあると、レンズに触れることなくピントリングを操作できますので、振動を抑えながらピントの前後操作が行えるようになるのがメリットです。
特に、オートフォーカスが搭載されていないオールドレンズなども、このFocusモーターによってピント操作が可能になりますので、フォーカス操作をされたい方にはProコンボがおすすめです。逆にピント操作が不要な方には通常版が良いと思います。
DJI Ronin SCの不満点
冒頭でもご紹介した通り、DJI Ronin-SCは多機能で価格面も優れた製品なのですが、不満となる内容もあります。まだ購入して1週間未満ですが、先にDJI Ronin-SCの気になる部分をまとめてたいと思います。
重たいレンズが搭載できないアーム干渉問題
DJI Ronin-SCは、ミラーレスカメラの中でも小型のカメラ・レンズ使用を想定しているようです。例えば、ソニーのミラーレスカメラではα6500とレンズキット等の組み合わせです。
映像撮影で愛用者が多いBMPCC4Kや、小三元レンズ等のやや重いレンズの使用を考えている方はRonin-SCではなく、新しく登場したDJI RS2やRSC2を選ぶのがオススメです。
DJI RS2にSONY α7シリーズを搭載した様子 ©
話は戻りますが、DJI Ronin-SCは、前方に重たいレンズや横幅のあるカメラを搭載すると、バランス調整が困難になります。仮にバランスが取れたとしても、Ronin-SCのアームにカメラのファインダーや液晶が接触してしまう問題が起こる事があります。アームにカメラが干渉すると、ジンバルの故障原因にも繋がります。
私の手持ちのレンズでは
とSONY α7IIIと組み合わせた場合ではギリギリ使用する事ができました。
ただし、TAMRON 28-75mm F2.8にNDフィルターを装着してRonin-SCに搭載した場合には、アームに干渉してしまいました。その他のレンズでは、FE 24-105mm F4G使用時にアームが干渉してしまう問題がネット上で報告されています。
Ronin-SC用カウンターウェイトで対策する
DJI Ronin-SCでアームが干渉してしまう問題は、カウンターウェイトと呼ばれる重りで解決できます。どうしても、大きなカメラ&レンズで使用したい時には、こちらを用意すると良いでしょう。
DJI Ronin-SCジンバルの専用プレートです。ジンバルに搭載するカメラのレンズが前方に重たい場合、Ronin-SCでは支えきれなくなりますので、このプレートとウェイトを併用すると支えることができます。ウェイト(おもり)は100gを2つ用意するのがオススメです。
この専用プレートでは、カメラ側を重たくして、Ronin-SC上でカメラ・レンズのバランスを取る事ができます。
Ronin-SC専用プレートとウェイト ©
また、その他にも対策方法があります。
同じく、SmallRigなどから発売されている金属製のケージを活用する方法です。ケージは200g〜300gの重量があり、Ronin-SC専用プレートとカウンターウェイトの代用にもなります。専用ケージは、例えばSONY α7IIIでは以下のようなケージが販売されています。
Sony α7RIIIとSony α7III専用のケージです。1/4,3/8インチネジによって外付けマイクやモニターなどを装着できます。
冒頭でもご紹介しましたが、私もケージを購入しました。詳しい解説はRonin-SCにおすすめのアクセサリーでまとめています。
その他のカメラ機種にも専用ケージが用意されていますので、チェックしてみてください。
DJI Ronin-SC Proコンボの付属品の解説
購入時に含まれるものを簡単に説明していきたいと思います。まず、DJI Ronin-SC Proコンボを選ぶと、次のようなケースで送られてきます。
Ronin-SC Proコンボのケース ©
付属品はケーブルやネジまで、沢山のパーツが用意されています。
Ronin-SC Proコンボの付属品 ©
Ronin-SC Proコンボの付属品。いろいろ揃ってます ©
Ronin-SCの本体 ©
その他に、Ronin-SCへスマートフォンを装着できるアクセサリーや、レンズの装着ズレを防ぐためのパーツが用意されています。
スマートフォン・ホルダーとレンズサポート ©
Ronin-SCのコントローラー付近両側面では、液晶モニターやマイクを接続できるネジ穴や、専用のアクセサリーを追加で装着できる電子接点が用意されています。
Ronin-SCの本体側面 ©
Ronin-SC Proコンボでは、Focusモーターを操作するためのホールが、左側に装着されています。こちらは取り外して、別のパーツを装着することもできます。
Ronin-SCの本体の正面 ©
本体裏側には充電用のUSB端子や、カメラアングルを固定するためのトリガーボタンが備わっています。
Ronin-SCの本体の裏側 ©
詳しい操作方法については、この記事でも触れた通り、別のジンバルへ移行してしまいましたので、割愛しますが、基本的に出来ることはAircross2と殆ど同じという印象でした。基本操作を覚えたい方は、Aircross2の解説記事で1からレクチャーしていますので、そちらを是非ご覧になってください。