ゲーム実況用の映像キャプチャー機材として人気が高いIO DATA GV-HDRECを液晶付きで外へ持ち運び可能にできるように改造してみました。
巷には、持ち運びができる液晶一体型のHDMIキャプチャーが売られています。例えば以下のVideoAssistがそうです。
SDカードに映像を記録できる、液晶一体型の非圧縮(ProRes)Full HD(1080p)レコーダーです。
その他にこんなものがあります。
ですが値段は結構します。そこで今回は、映像キャプチャーをもっと安いコストで実現できないか挑戦してみました。まず先に改造方法の手順についてですが、改造とは言っても、市販のモバイルバッテリーや液晶部品をUSBやHDMIケーブルで配線するだけで実現できました。
目次
GV-HDRECをポータブル化した結果
IO DATA GV-HDRECを改造した結果はこちらです。
必要なもの ©
出来上がったレコーダー裏面 ©
出来上がったレコーダー側面 ©
見た目は相当に怪しいですね。撮影していると周りの目が痛いですw 上記の機材でGV-HDRECのSDカードに映像を記録しながら、液晶に映像を表示できるようになりました。
撮影した様子はこちら。
また液晶パーツだけでも、他の活用方法が可能です。例えば映像撮影中のモニタリングをしたい時には、カメラと離れた位置に液晶を設置できるので、自身を撮影しながら映像を確認する事が簡単にできます。Youtubeの動画を作りたい時に便利ですよね。
上記ではカメラに液晶パーツを載せていますが、この後で紹介する三脚ホルダーを使うと、離れた場所にある三脚へ液晶を据え付けることもできます。
今回これを作ったのは、安上がりにカメラのHDMI映像出力をキャプチャーしたかったからです。見た目や耐久性はアレですが、お手軽フルHDキャプチャーとして活用できそうです。それでは、詳しい作り方を振り返ってみたいと思います。
ご注意
当記事の内容は、製品の正式な使い方や動作を保証するものではありません。あくまで個人的であり特殊な用途となりますので参考程度にご覧ください。当内容に関するトラブルが起きたとしても自己責任でお願いします。
必要なもの
GV-HDRECを液晶・ポータブル可能な映像キャプチャーにするための必要な機材をまとめたいと思います。
まずは映像レコーダーのGV-HDRECです。
Full HD(1080p)をSDカードに記録できる映像キャプチャー。液晶が搭載されておらず電源コードも必要ですが、室内でゲーム機などの映像を記録できる製品としては最もコストパフォーマンスが良い製品です。現在は液晶ディスプレイを備えた製品も登場しています。
GV-HDRECは、SDカードにMP4形式などの映像を記録することができるフルHDキャプチャーです。
GV-HDRECはSDカードに映像をキャプチャーできる ©
入力はHDMIやAV-IN(RCA映像ケーブル)に対応しています。
GV-HDRECの入力系統 ©
通常は専用電源コードに繋ぎ、室内でHDMIのキャプチャーを行う用途を想定しています。
GV-HDRECに液晶は備わっていない ©
残念ながら、GV-HDRECは液晶ディスプレイが備わっていないため、以下のような安い液晶を新たに使いました。
ラズベリーパイ用のディスプレイです。HDMI入力が可能な液晶パーツとして販売されている製品としては最安です。HDMI出力対応の他の機材からも映像を表示させる事ができる汎用性の高さが特徴です。
オンヨーのLCDディスプレイは、電子工作で有名なRaspberry PI用の小型液晶です。液晶の裏面は、基盤がむき出しとなっています(笑)
液晶裏面。基盤がむき出しになっている ©
ですが、USB miniから電源供給可能で、HDMI映像入力に対応している珍しい商品です。
USB mini端子による電源供給が可能 ©
HDMI入力端子と3.5mmステレオミニプラグが備わっている ©
このように低価格でディプレイを使いたい場合には重宝する商品なのですが、見た目が気になる方は以下のような液晶モニターがおすすめです。
HDMI/VGA/AV入力ができる1024×600の高解像度モニタです。178°の広視野角をもつIPS液晶モニターで、HDMIケーブルやRCAケーブルが付属しているにも関わらず、価格が5千円代と非常に安価に作られています。詳しくは製品レビューをご覧ください。
続いて、GV-HDRECと液晶の2つを以下のモバイルバッテリーで電源供給できるようにします。
上記製品はもともと、冬場の写真撮影に使っているモバイルバッテリーなのですが、GV-HDRECと液晶を動かすのに必要な電圧・電流規格を満たしてるようなので、そのまま流用する事にしました。
GV-HDRECに電源供給するモバイルバッテリーへの配線は以下のUSB→DC変換コードを使いました。
オンヨーのLCDディスプレイは以下のUSB miniケーブルでモバイルバッテリーに電源供給します。
あとは、以下のようなスマホ用のクランプが付いたホルダーと、ホットシュー三脚ネジを使って、GV-HDRECをカメラに固定します。
スマホを別売りの一般的な三脚に取り付けることができるホルダーです。スマホの向きを自由に回転でき、価格がお手頃なのも嬉しいポイントです。
一眼レフカメラのホットシュー(ストロボ差し口)に装着できるネジ付きの雲台です
最後にカメラのHDMI出力を、GV-HDRECのHDMI入力に接続すれば準備完了です。
GV-HDRECに液晶を貼る
とうことで、上記で紹介したものを組み合わせて、携帯できる映像レコーダーを作りました。使ったのは前述したと通りですが、以下の物を使っています。
必要なもの ©
まずは、オソヨーのLCDが基盤むき出しなので、プラスチックダンボールで遮光フードを作りました。
液晶裏面が気になるので、プラスチックダンボールで囲みたい ©
遮光フードはカメラ用のルーペとして安いものもが売っているので、そちらもオススメです。
野外や日中昼間の太陽で液晶が見えない時に便利なアイテムです。シリコン製の遮光フードの中にレンズ(虫眼鏡)が入っているので、液晶が大きく見えます。カメラのピント合わせやビデオの撮影チェックにも役立ちます。また夜景や蛍の撮影では、液晶の光を覆って遮る目的としても使えます。詳しくはレビュー記事をご覧ください。
液晶確認ルーペは、カメラの背面液晶を拡大したり、日光により照り返しの強いシーンで活用されるアイテムです。
液晶ルーペの一般的な使用方法 ©
私も実際に使っていますが、日差しが強いシーンで液晶が見づらい場面で重宝しています。
オソヨーLCDに液晶ルーペ装着した後の様子 ©
本格仕様にしたい!という方は外部ファインダーとかいかがでしょうか?(ただしコストは高くなりますw)
HDMIやSDIケーブルから映像入力できる電子ビューファインダーです。
ということで、今回はプラダンと黒のガムテープで液晶を覆ってみました。
オソヨーの液晶パネルをプラダンで覆った ©
各端子への差し口は予め開けておきます。
各入力端子は開けておく ©
あとは、スマホ用ホルダーと三脚座で固定したGV-HDRECに、両面テープを貼ります。
GV-HDRECに両面テープを貼っておく ©
液晶とGV-HDRECを貼り合わせて出来上がったのがこちらです。さて、見た目が怪しくなってきました(笑)
出来上がったレコーダー正面 ©
出来上がったレコーダー側面 ©
出来上がったレコーダー裏面 ©
一眼レフのカメラにHDMIケーブルを接続すると、以下の2種類の表示方法が選択できるようです。
今回の用途では、カメラの設定情報もキャプチャーしたかったので、後者のモードで使う事にしました。レコーダーのGV-HDRECは単体では映像を確認できないので、外部の液晶を貼り合わせておいて良かったです。
改造することになった経緯
今回このような経緯に至ったのは、冒頭でも軽く触れましたが、既製品の液晶モニター付きHDMIレコーダーがとても高額なので、もっと安く実現できないか工夫してみたくなったからです。
上記でも紹介した通り、しっかりしたHDMIキャプチャーを導入しようとすると、結構いい値段がします。今回は以下のような条件のもとで、GV-HDRECを改良する機材や部品を選びました。
- 携帯できる
- 映像は高品質データや非圧縮形式は必要ない
- SDカードに記録したい
- あまり長く記録しない
- 液晶モニターや記録内容の再生機能は欲しい
- できるだけ安くしたい(2万円以下)
今回はGV-HDRECの改造により、上記の要望は実現できました。今後色々な場所に持ち運んでみたいと思います。