Sony α7RII(α7R2)を使って2年以上経ちましたので、使用感を詳しくレビューしたいと思います。

かなり長い記事となりますが、α7R2の魅力について参考にしていただければ幸いです。当記事では、α7RIIにしかない機能も紹介しながら、使ってみて良かったポイントをご紹介したいと思います。

目次

Sony α7R2で写真の楽しみ方は広がった

Spring Light 04745 | Sony a7R2 + SONY FE 12-24mm F4 G
 Spring Light 04745 | Sony a7R2 + SONY FE 12-24mm F4 G ©
Emerald Blue | Sony α7RII + TAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD
 Emerald Blue | Sony α7RII + TAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD ©
story of rapeseed field | α7R2 + Laowa 105mm F2 Bokeh Dreamer
 story of rapeseed field | α7R2 + Laowa 105mm F2 Bokeh Dreamer ©
Rainy day
 Rainy day ©

Sony α7RIIを購入するまで、初代のSony α7とNikonの一眼レフを2年ほど使っていました。α7をかなり気に入っていましたので、α7RIIが発売された時に思い切って買い換えました。発売当初は信じられないくらい値段が高くて吐血しそうでしたが、色々な撮影に持ち込む事ができて結果的に満足しています(^^)

詳しい内容は撮影した写真を交えながら、レビューと共にご紹介していきたいと思います。

α7RIIにMC-11とTAMRON 15-30mm F2.8を装着した例
α7RIIにMC-11とTAMRON 15-30mm F2.8を装着した例 ©

また、2017年11月にα7R2の後継機種であるSony α7RIII(α7R3)が発売されました。α7R3の発売により、Sony α7R2の価格が半額以下に値下がりしていますので、機能と価格のバランスを考えると、今後もオススメのカメラです。

Sony α7RIIは妥協がない画質・解像力を誇る

まずはじめに、Sony α7R2は次のような方にオススメのカメラだと思っています。

  • スピード感を求めず、じっくりと高画質の写真撮影を楽しみたい方
  • スナップ写真など気楽な写真撮影をしたい方
  • 古いレンズを活用したい方

まず目につくのは「42MP」というワードですよね。Sony α7R2は撮影できる画素数が4200万画素数(42メガピクセル)と、カメラとしては上位にランクインされる性能を誇っています。

撮影した写真を見ると、やはりその精細な写りに驚きました。

遠くからポートレート(人物)を撮っても、こちらが申し訳なくなるくらい細かいところまで写ってしまいます。写り過ぎてしまった部分は、レタッチで後から調整できますし、まずはしっかり細部までデータを撮り抑える事ができるのは嬉しいポイントだと思いました。高感度のノイズも少なくて暗い場面でも助かります。

Colorful lake
 Colorful lake ©

また、風景撮影では木々の枝一本までしっかりと解像してくれます。

等倍表示 α7RII + SONY FE 90mm F2.8 Macro G OSS SEL90M28G Lightroomでシャープを無効にして書き出したもの
等倍表示 α7RII + SONY FE 90mm F2.8 Macro G OSS SEL90M28G Lightroomでシャープを無効にして書き出したもの ©

画像を直接開きたい方はこちらをご覧ください。

風景撮影されている方にとっては、十二分に満足できる性能に仕上がってるのではないでしょうか。

Sony α7RIIのAF(オートフォーカス)はそこそこ使える

ミラーレス一眼レフカメラは、オートフォーカスが遅いというイメージが刷り込まれていたんですが、α7RIIはそこそこ速い動きも捉える事ができます。

動きものに特化した上位機種のSony α9やオートフォーカスの性能が改善されている後継機種のα7R3も発売されましたが、α7RIIもそれなりに頑張ってます。

Sony α7RIIの瞳AF-Cは実用的

特に、ポートレートで瞳にピントを合わせてくれる「瞳AF-C」は凄く便利な機能です。瞳AF-Cの様子は以下の動画をご覧ください。

(引用元:youtube | dpreview com)

瞳AF-Cは、カスタムボタンを押している間だけ、カメラ任せでも人物の瞳へ合焦し続けてくれる機能です。カスタムボタンは、α7RIIに幾つか配置されているC1〜C3ボタンや、ホイールの操作を好きな機能に割り当てる事ができる機能のことです。

瞳AF-Cはα7IIには対応していない機能なので、α7RIIの良いところの一つです。

瞳AFと各カメラの対応状況について

現在、瞳AF-Cは、Sony α9α7R3Sony α6300以降のカメラには搭載されています。またSony α7IIには瞳AF-Sが搭載されています。瞳AF-Sは、瞳へ合焦する機能です(但しAF-Cのように、瞳へ追従はしません)。

私は、子供がブランコで前後に動くシーンで瞳AF-Cを使った撮影をすることが多いのですが、難なく瞳にピントが追従します。Sony α7RIIでお気に入りのレンズはFE 90mm F2.8 マクロレンズです。オートフォーカスが速く、正確にピントが合いますので、撮影していて快適でした。

その他のおすすめレンズはこちらが参考になります。

Sony α7RIIでは他社製レンズ資産を活用できる

Sony α7RIIではCanonやNikonといった他社メーカー製のレンズも使うことができます。各カメラメーカーごとのレンズ活用方法については、下記の記事が参考になります。

Sonyt α7の専用レンズ(Eマウント FEレンズ)は豊富に揃っているのですが、気になるのが価格です。Sony純正レンズは他社に見劣りせず高いのが実情です。

Sony α7RIIでCanon EFレンズを使う

Sony α7RIIでCanon EFレンズを扱うにはMC-11を使ってレンズを装着することができます。

α7R2にMC11とタムロン15-30mm F2.8(キャノン用)を装着した例
α7R2にMC11とタムロン15-30mm F2.8(キャノン用)を装着した例 ©

Sony α7RIIでライカレンズを使う

ライカレンズを活用したい場合にはこちらのアダプターがおすすめです。

Sony α7RIIでNikonレンズを使う

ニコンレンズを活用するにはこちらのアダプターがおすすめです。

以上のように、オールドレンズやコストパフォーマンスに優れたサードパーティのレンズ資産を隈なく活用できますので、魅力的ですよね。

ピント位置や露出を思った通りに設定できる

一眼レフからミラーレス一眼レフのα7系に移行した大きな理由がこれです。ピントの合っているポイントをファインダーの中で12.5倍まで拡大できるので、マニュアルフォーカスで狙いたい場所に正確かつ確実に合わせることができます。

上記の動画はGIZMON Utulensというレンズをα7RIIに装着した例なのですが12.5倍に拡大した様子も紹介しています。私の場合はマニュアルフォーカスのレンズやオールドレンズで、この機能を使う事が多いです。

Octopus tail   |  α7RII + SONY FE 90mm F2.8 Macro G OSS
 Octopus tail | α7RII + SONY FE 90mm F2.8 Macro G OSS ©

また、花の撮影をされている方のようにピント合わせがシビアなケースでも重宝する機能だと思います。

白飛びや黒つぶれに関しても、カメラのファインダーでヒストグラムやゼブラを見ながら把握できるので、露出設定ミスで撮り直す事は無くなりました。

会話形式で学ぶ! α(アルファ)豆知識 活用ガイド ソニー
白とびを防いで撮影したい(ゼブラ表示機能)

α7シリーズを使うようになってからは、サングラスを付けながら撮影する事もあります(笑)撮影時はファインダーに表示されているヒストグラムと、ピント位置が把握できれば十分なので、一眼レフのカメラとは違った感覚で撮影できるのも良いですね。

Gold Forest | α7RII + Loxia 2.8/21
 Gold Forest | α7RII + Loxia 2.8/21 ©

パンフォーカス(=近距離から遠距離までピントが合っている状態)も簡単です。ピントの合っている範囲をファインダーで12.5倍で拡大しながら、四隅まで正確に把握する事ができます。風景写真とポートレートの組み合わせでも、ファインダーがあるお陰で逆光撮影が比較的簡単に行えます。

暗所で便利なブライトモニタリング

Sony α7のファインダーは、光源が少ない夜景であっても、マニュアルフォーカスならばファインダーでピント位置を確認することができます。

basecamp | A7R2 + Loxia 2.8/21
 basecamp | A7R2 + Loxia 2.8/21 ©

ただし、星の撮影やホタルの撮影など、極端に光源が乏しく暗い環境では、さすがにファインダーも見づらくなります。そこで、重宝するのが「ブライトモニタリング」という機能です。

この機能は、カスタムボタンに割り当てて呼び出せるα7R2の機能で、隠し機能のようなものです。

電子ビューファインダーのフレームレートを一時的に落として、それと引き換えにファインダー像を明るく表示してくれる機能となっています。

上記動画の0:26では、ブライトモニタリングを使っている例です。明るさが変化しているのが分かるかと思います。暗所ではこの機能がかなり役に立ちます。

上記の動画では分かりにくいのですが、暗い場所で使ってみると、肉眼よりも明るく表示されるので暗視カメラみたいでした(笑)

ただしファインダー像を拡大する事ができないという謎の制約があるので注意です。ブライトモニタリングでは、1倍のファインダー像でピントを合わせるか、外部モニターを使って視認性を高める方法しかありません。

モバイルバッテリーで電源供給しながら撮影できる

α7シリーズの弱点は、寒い環境でバッテリーがすぐに無くなってしまうことです。α7RIIも初代α7と同じバッテリーを使用しているので、例外ではありません。

赤く染まる雪原 | Sony a7 + AF-S NIKKOR 16-35mm f/4G ED VR
 赤く染まる雪原 | Sony a7 + AF-S NIKKOR 16-35mm f/4G ED VR ©

α7R2ではバッテリーの電源をUSBケーブルから供給しながら撮影することができるようになりました。私は撮影時にこちらのバッテリーを携帯しています。

α7RIIはモバイルバッテリーで充電しながら撮影できる
α7RIIはモバイルバッテリーで充電しながら撮影できる ©

従来モデルのSony α7α7IIでは電源供給が可能なものの充電中はカメラを起動させる事ができない制約がありました。星空を撮影される方や寒い地域で撮影を楽しむ方、長時間露光やタイムラプスを楽しみたい方にとっては、充電しながら撮影できる機能は大きなメリットではないでしょうか。

また、先ほど挙げたモバイルバッテリーは、USB端子を2つ備えています。カメラに電源を供給しながら、レンズヒーターの電源としても利用することができて便利です。

音を立てず撮影できるサイレントシャッター

こちらの機能はSony α7Sにも搭載され、Sony α9では目玉の機能となっているのですが、Sony a7R2ではシャッター音を出さずに撮影することができます。子供の生活発表会や演奏など、音が気になるシーンで自分もよく使っています。

また、ご家族の想い出を、自然な表情で撮影したい時などに重宝する機能ではないでしょうか?

Sony α7RIIではあらゆるレンズで手ぶれ補正が有効に

これもSony α7R2を使っていて感じるお気に入りの1つです。

この後の項目でもご紹介しますが、α7RIIでは純正レンズ、他社レンズを問わず手ブレ補正が使えます。これはα7IIやα7sIIでも同様に備えている機能です。

例えば上記の動画はGIZMON Utulensという32mmレンズをα7RIIに装着した例です。純正レンズ以外を使う時も、手動で手ぶれ補正を設定する事ができます。

α7R2の手ブレ補正は4段分。実際に使ってみた実感としては2.5段分の補正効果と感じます。これは、大まかに言って、レンズ焦点距離の5分の1に相当するシャッタースピードまで落して撮影しても、手持ち撮影でブレること無く撮影できるという事です。

ゆらめく鼓動 | α7RII +  Carl Zeiss Loxia 2.8/21
 ゆらめく鼓動 | α7RII + Carl Zeiss Loxia 2.8/21 ©

上記の写真はLoxia 2.8/21(21mmのレンズ)を使っていますが、2枚とも、ISO1000、シャッタースピードは1/8(秒)に設定して手持ち撮影しました。動きの少ない被写体を撮影するケースでは、夜景の撮影のように光量が乏しいシーンでも、手持ちで撮影できる場面が増えると思います。

軽いレンズを付けて、スナップ写真や家族旅行の一コマを撮影するのにも、オススメのカメラではないでしょうか。

Sony α7RIIでオールドレンズのフレアを操る

オールドレンズやフレアを起こしやすいレンズを扱うカメラとしては、α7RIIがベストなカメラだと思っています。

Summer inJapan 01003 | Sony A7R2 + LAOWA 105mm F2 Bokeh Dreamer STF
 Summer inJapan 01003 | Sony A7R2 + LAOWA 105mm F2 Bokeh Dreamer STF ©

ファインダーの中で、フレアなどの光の状態を正確に把握できますので、フレアを作品に取り入れる事が簡単です。また、α7IIやα7RIIの利点ですが、フルサイズカメラなので、フィルムで活躍していたオールドレンズや他社のレンズを使うことができます。

GIZMON Utulens 02338 | Sony α7R2 + GIZMON Utulens 32mm f16 (写ルンです)
 GIZMON Utulens 02338 | Sony α7R2 + GIZMON Utulens 32mm f16 (写ルンです) ©

下記の記事でも紹介しているのですが、独特な写りをするレンズも積極的に楽しむことができるので、フィルムのようなレトロな写真が撮りたい方にはオススメです。

例えば、次のようなレンズがあります。

α7RIIの凄いところは、どのレンズに対しても手ぶれ補正が使える事です。ここまで出来ると、もう反則ですよね(笑)もちろん、接点の備わっていないレンズ(非CPUレンズ)やマウントアダプターでも、手ぶれ補正が機能します。

Sony α7RIIでおすすめのストロボ機材

Sony α7・α9シリーズ全般に言えるメリットですが、ストロボ機材やマウントアダプターなどの外部機材も充実している点は、嬉しいポイントだと思います。照明を使った撮影においても、他社に引けを取らない本格的な写真撮影を楽しむ事ができます。

Rainy day
 Rainy day ©

Sonyには純正ストロボも用意されているのですが、私はこちらのNissinのストロボを使っています。

詳しいレビューを別の記事でまとめていますので、こちらをご覧ください。

Sony α7RIIは4K映像を綺麗に収録できる

Sony α7RIIは、4Kと呼ばれる規格の精細な映像を記録できます。例えば、こちらはα7RIIで撮影した動画です。

最近は結婚式場の動画撮影でも、α7のようなミラーレス一眼レフを使って撮影されている光景を見かけるようになりました。どうやら動画のプロもミラーレスを使う時代になったようです。また本体に音声入力端子が備わっているので、外部マイクを使ってライブ音声や演奏会の映像を集音する事ができます。