TAMRON(タムロン) 70-180mm F/2.8 Di III VXD(Model A056)を購入しましたので、ブログで使用感想を詳しくレビューしたいと思います。

Sony α7RIIIとTAMRON 70-180mm F2.8の装着例
Sony α7RIIIとTAMRON 70-180mm F2.8の装着例 ©

TAMRON 70-180mmは、Sonyのミラーレス一眼カメラに対応したレンズです。ズーム中に絞りの値がF2.8で変化しない大口径望遠ズームレンズなので、特に薄暗い撮影シーンに便利です。特徴は重量が810gと軽くてコンパクトな点。そして純正レンズのFE70-200mmGMと比較すると安い価格設定となっています。さらに、ハーフマクロレンズ並に近寄れる近接性能を有しています。旅行時の撮影や、花・小物・風景・ポートレートなど様々な撮影シーンに持ち出せるオススメのレンズです。

発売日は2020年5月14日です。コストパフォーマンスが優れたレンズなので、SONYユーザーの方には是非ともおすすめしたい1本です。

タムロン70-180mm F2.8をカメラに装着すると、以下のような雰囲気になります。レンズに関する外観は記事の後半で詳しく解説しています。

タムロン70-180mm(左)と28-75mm(右)との比較。70-180mmが非常にコンパクトな事が分かります
タムロン70-180mm(左)と28-75mm(右)との比較。70-180mmが非常にコンパクトな事が分かります ©

まずは、簡単な撮影例を数枚ご紹介します。当記事の中盤では、タムロン70-180mm F2.8の写真作例を詳しく掲載していきます。

Sony α7RIIIとTAMRON 70-180mm F2.8の撮影例
Sony α7RIIIとTAMRON 70-180mm F2.8の撮影例 ©

TAMRON 70-180mmのオートフォーカス性能や、逆光(フレア・ゴースト)、マクロ撮影(近接性能)、ボケの形状、ピントの合った箇所の解像度については、以下のYoutube動画の中でも解説しています。およそ10分程度で特徴を把握できる内容となっていますので、是非参考になさってください。

当記事ではタムロン70-180mmF2.8の撮影例(写真や動画)と、レンズの外観・スペックについて詳しくレビューしていきます。また、その他のSonyのEマウントレンズについては、こちらが参考になります。

それではTAMRON 70-180mm F2.8について詳しく見ていきたいと思います。

目次:TAMRON 70-180mmレビュー

TAMRON 70-180mm F/2.8 Di III VXDの仕様と特徴

TAMRON 70-180mm F/2.8 Di III VXD(Model A056)は、Sonyのミラーレス一眼レフにそのまま装着できる、SONYフルサイズ Eマウント対応の大口径望遠レンズです。

TAMRON 70-180mm F2.8の外観
TAMRON 70-180mm F2.8の外観 ©

70mmの中望遠域から180mmの望遠域まで、絞りの値をF2.8に維持しながらズーム可能である通称「F2.8通しレンズ」です。風景写真だけでなくポートレート撮影などにも柔軟に対応できる非常に便利なレンズですが、残念ながら現在は、ニコンのミラーレスZマウント用やキャノン用の取扱がありません。現行では、ソニーのミラーレス一眼カメラのみに対応したレンズとなっています。

仕様 説明
寸法 81 x 149mm (70mm時)
重量 810g
フィルター口径 67mm(対応するレンズフィルターは後半で解説)
最短撮影距離 0.85m。※70mm画角ワイド端のMFで0.27m。180mm画角テレ端で0.85m。AF使用時はズーム全域で0.85mとなる。
最大撮影倍率 1:4.6 (0.21)倍。※70mm画角ワイド端のMFで1:2(0.5倍)。180mm画角テレ端では1:4.6(0.21倍)。AF使用時はズーム全域で1:4.6となる。
絞り羽根 9枚

特に嬉しいのが、レンズフィルターの口径が67mmという点。TAMRON 28-75mmでも67mmに対応していたのですが、NDフィルターやその他のフィルターを流用できるのは有り難いなと感じました!

近接性能が凄い!しかし周辺の流れに注意が必要

TAMRON 70-180mmの特徴は、重量やサイズ。そして近接性能です。マニュアルフォーカス操作時に限り、27cm先の対象物に近寄ることができます。画角70mmを使用して撮影した際の接近能力はハーフマクロ(0.5倍)です。また望遠では85cm先まで近寄る事ができるので、F2.8通しのズームレンズとしては、中々の接写能力を持っています。

TAMRON 70-180mm F2.8の画角70mmを使って近接撮影した様子
TAMRON 70-180mm F2.8の画角70mmを使って近接撮影した様子 ©

ただし、近接領域の撮影については少しだけコツが必要となるようです。

まず、被写体に近寄るためにはカメラ本体側でマニュアルフォーカス(MF)へ設定して、70-180mmレンズのピントリングを手動で調整することになります。もし、α7やα9シリーズでフォーカスモードの設定をカスタム設定していない方は、予め設定しておくと便利かと思います。詳しくはSONYさんのHPで設定方法が解説されています。

SONY 会話形式で学ぶ! α(アルファ)豆知識 | 活用ガイド
よく使う機能をボタンに登録しよう(カスタムキー設定)

私の場合は、日頃からカスタムボタンのC2にAF・MF切り替えを割り当てています。

また、花などの被写体に近づいて撮影したい時には周辺がボケたり流れてしまいます。例えば以下の写真では

  • 絞り: F2.8
  • 画角: 76mm
  • オートフォーカスモード: MF(マニュアルフォーカス)
  • 撮影距離: 最短撮影距離(約27cm)
  • 合焦位置: 画面左下の箇所にピントを合わせて撮影

で撮影してみました。

TAMRON 70-180mm F2.8の絞りF2.8・画角76mmで近接撮影し、左下にピントを合わせた時の様子
TAMRON 70-180mm F2.8の絞りF2.8・画角76mmで近接撮影し、左下にピントを合わせた時の様子 ©

ピントの合っている箇所を拡大すると次のようになりました。

(拡大図)画面中央部にピントを合わせた時の様子
(拡大図)画面中央部にピントを合わせた時の様子 ©

ご覧の通り、画面中央から離れた箇所へピントを合わせると、滲んだ写りとなります。冒頭の動画でも撮影例を掲載していますが、F値を絞っていくと少しだけシャープ感が増してきます。

こちらは、表現したい雰囲気に併せて、F値を柔軟に変えていくと面白そうですよね!更に鮮明な写真を撮りたい場合には被写体を中央に配置した構図を狙うと良いという事がタムロンさんのHPにも解説されています。

株式会社タムロン
70-180mm F/2.8 Di III VXD (Model A056)の近接領域での撮影について
画面周辺部では画質が低下します。画面周辺部の文字にピントを合わせると、歪みや流れが生じます。

画面の中央にピントを合わせて、絞っていくとかなりシャープな写真になります。

TAMRON 70-180mm F2.8の絞りF6.3・画角76mmで近接撮影し、中央にピントを合わせた時の様子
TAMRON 70-180mm F2.8の絞りF6.3・画角76mmで近接撮影し、中央にピントを合わせた時の様子 ©
(拡大図)TAMRON 70-180mm F2.8の絞りF6.3・画角76mmで近接撮影し、中央にピントを合わせた時の様子
(拡大図)TAMRON 70-180mm F2.8の絞りF6.3・画角76mmで近接撮影し、中央にピントを合わせた時の様子 ©

TAMRON 70-180mmの絞り羽根形状

絞り形状については、2段(F値:F5.6)まで円形を維持してくれるようです。実際に70-180mmの絞り羽根がどう変化するのか撮影してみました!

TAMRON 70-180mm F2.8の絞り羽根形状(F2.8)
TAMRON 70-180mm F2.8の絞り羽根形状(F2.8) ©
TAMRON 70-180mm F2.8の絞り羽根形状(F4.0)
TAMRON 70-180mm F2.8の絞り羽根形状(F4.0) ©
TAMRON 70-180mm F2.8の絞り羽根形状(F5.6)
TAMRON 70-180mm F2.8の絞り羽根形状(F5.6) ©

絞りF8.0以上では、やや円形が崩れていくようです。しかしF5.6程度まで綺麗な円形ですので、ボケを取り入れた撮影では殆どのケースで問題にならないかと思います。

TAMRON 70-180mm F2.8の絞り羽根形状(F8.0)
TAMRON 70-180mm F2.8の絞り羽根形状(F8.0) ©

その他にF11F16の絞り羽形状は各リンクからご覧ください。また、ボケの雰囲気については後半の撮影サンプルをご覧ください。

TAMRON 70-180mmと近いスペックのレンズ

また、スペックの近いSONY純正レンズと比較すると、タムロン70-180mmは次のような位置付けです。

  1. 大口径望遠ズームレンズのSONY FE 70-200mm F2.8 GM

    → SONYの純正レンズ。ハイグレードモデルで高性能。そして非常に高価です。TAMRON 70-180mmとFE70-200mmGMを比較すると、純正のテレコンが装着可能である点や、フォーカスホールドボタンの搭載、そして内蔵の手ぶれ補正機能搭載があり、その点でGMレンズの方が有利です。近接性能や重量、価格面ではTARMONレンズの方が有利です。

  2. TAMRON 70-180mm F/2.8 Di III VXD

    → 今回レビューしてるレンズ。純正に比べると安価で軽量。機能面では、近接性能に優れている。

  3. SONY FE 70-200mm F4 G OSS(解説記事へ)

    → SONYの純正レンズ。小型で軽量だが、ミラーレス用のレンズとして初期に登場したレンズという事もあり、新作に比べると近接性能やオートフォーカス性能等で劣る点も。

価格帯や重量、サイズ感で最も近いレンズは、上記の3番目でも挙げたFE 70-200mm F4Gです。

これらのレンズに対して、TAMRON 70-180mmは重量・サイズと価格のバランスが絶妙な1本となっています。SONYの最上位クラスに位置されるSONY FE 70-200mm F2.8 GMは、重量が1.48kgであり、価格は2倍以上となります。

それに対して、今回話題として取り上げているTAMRON 70-180mm F2.8は810gと軽い重量に収まっています。旅行でレンズの持ち運び本数を減らしたい、また荷物を軽くしたい方、結婚式・夜景などの暗いシーンで活用したい方には特に活躍できる1本ではないでしょうか。それでは、続いてタムロン70-180mmで撮影した作例を詳しく見ていきましょう。

TAMRON 70-180mm F2.8の写真撮影例

実際にタムロン70-180mm F/2.8 Di III VXDとSONY α7IIIで何枚か写真を撮ってみましたのでご覧ください。

TAMRON 70-180mm F2.8の撮影例1
TAMRON 70-180mm F2.8の撮影例1 ©
TAMRON 70-180mm F2.8の撮影例2
TAMRON 70-180mm F2.8の撮影例2 ©

ポートレートの作例

TAMRON 70-180mm F2.8を使ってポートレートを撮影してみました!背景ボケを生かした撮影から、近寄った写真まで幅広く活用することができました。

TAMRON 70-180mm F2.8のポートレート撮影例1
TAMRON 70-180mm F2.8のポートレート撮影例1 ©

ポートレートレンズというと、70-200mmが人気レンズの1つですが、タムロン70-180mmもほぼ同じような感覚でスピーディーに切り取ることができます。

TAMRON 70-180mm F2.8のポートレート撮影例2
TAMRON 70-180mm F2.8のポートレート撮影例2 ©

レンズが軽くて小さいので、旅行先などで家族の表情を記録するのにも最適なレンズだと感じました!

マクロで花に近づき、ぼかした写真

TAMRON 70-180mm F/2.8 Di III VXDを使って、花にどこまで近づけるのか試してみました。近接性能に関する解説は前半の特徴でも詳しく触れていますので、そちらも併せてご覧ください。

花に近づいてみた
花に近づいてみた ©

バラのように直径5cm程度の大きさを持つ花であれば、花弁や雄しべなどを中心として、花全体を大きく撮影できるようです。マクロレンズと並べるのは厳しいと思いますが、実用上は十分な接写能力を有してると感じます。

花に近づいてみた2
花に近づいてみた2 ©

ピントの合っている箇所を拡大すると、芯のある写りとともに、滲んだような優しい表現となります。背景はとってもフワッとボケました!

ピントの合っている箇所を拡大した様子
ピントの合っている箇所を拡大した様子 ©

タムロンのレンズと聞くと、優しいボケ味に定評のある銘玉を幾つか思い浮かべるのですが、70-180mmもそれらのレンズと同じようなエッセンスが盛り込まれているように感じました。今後屋外で花の撮影を楽しんでみたいです。

TAMRON 70-180mmのオートフォーカス性能(AF性能)

SONY α7IIIとTAMRON 70-180mm F/2.8 Di III VXDの組み合わせでは、オートフォーカスが非常に快適です。またAF動作音についても純正並みに静かです。今回は屋外で花を撮影したり、室内の暗い環境でオートフォーカスの動作感が分かる動画については以下をご覧ください。

上記のファインダー像を見ても分かる通り、昼間などの明るい環境では花の細部まで正確にピントが合います。また、風で揺れ動く被写体に対しても、かなり正確にオートフォーカスの追従を行っている事が分かりました。しかし、暗い環境の撮影では、流石にAFが迷ってしまうようです。詳しくは以下の前半の動画をご覧ください。

AF-SとAF-Cで合焦速度が異なる

TAMRON 70-180mmを使っていて、少し気になったのがカメラのオートフォーカス設定をAF-SとAF-Cモードにした時の動作の違いです。AF性能が落ちてしまう暗い環境では、AF-Sの方がピント合焦までに迷ってしまったり、ピントが合わない現象が発生しました。動きの早い被写体を狙う際には、積極的にAF-Cを利用するのが良さそうです。

TAMRON 70-180mmの解像度・周辺減光

TAMRON 70-180mm F/2.8 Di III VXDはコンパクトながら、細部まで繊細な写りをするレンズです。では、実際の解像度はどうでしょうか?今回は部屋の壁を撮影してみましたので、まずは全体像をご覧ください。

周辺減光は絞り開放F2.8で強めだがF4.0で改善される

まず先に撮影してみた感想となりますが、タムロン70-180mmでは、どの画角でも絞り開放で周辺光量落ちが強めとなります。しかしF4.0まで絞ると大きく改善します。

以下は、ワイド端70mmの絞り開放F2.8と、1段絞ったF4.0の比較です。右下の影はレンズと無関係ですのでご注意ください。

続いて以下の比較は、テレ端180mmの絞り開放F2.8と、1段絞ったF4.0の比較です。望遠側の方が周辺光量落ちは強めとなり、1段絞っても周りの暗さが目立つ印象です。

全体的に見ると、1段絞ることによって周辺減光が大きく改善されるのですが、撮影シーンに応じて使わけていくのも面白そうですね。中央に配置した花の撮影や、人物のポートレート撮影でも開放から撮影を楽しむことができると思いました!

解像度について

解像度については、開放端70mmで中央から隅までしっかりと解像しており、135mmから180mmの望遠側では隅の解像度が僅かに甘くなります。これは絞り込んでも劇的には変化しないようです。とは言っても、70mmと相対的に比較した感想ですので、全体的には高いレベルで纏まってるように感じました!

各焦点距離ごとに、等倍写真を用意していますので、そちらも宜しければご覧ください。撮影にはSONY α7R3(ILCE-A7RM3)を使用してみました。写真データはRAWデータの撮影後に、Lightroomでデフォルトのシャープ値を加えた画像になります。

70mm画角の解像度と周辺減光

70mmでは中央の横幅128pxの画像を並べてみました。

70mm(中央)
70mm(中央) ©

中央はどの絞り値でも非常に解像していますが、絞りF5.6からF11の間で良い結果となりました!続いて画角70mm時の左上隅の128pxの画像を並べて比較を行っています。

70mm(隅)
70mm(隅) ©

特に上で掲載した左上隅の画像では、周辺光量落ちがF2.8からF4.0で大きく改善していることが分かります。

100mm画角の解像度と周辺減光

135mm画角の解像度と周辺減光

180mm画角の解像度と周辺減光

180mmも70mmと同様に、中央の横幅128pxの画像を並べてみました。

180mm(中央)
180mm(中央) ©

中央では、絞り込んでも大きな変化は見られないようです。続いて、画角180mm時の左上隅128pxの画像を比較していきます。

180mm(隅)
180mm(隅) ©

周辺光量落ちは、絞りF2.8からF4.0で大きく改善しますが、F5.6からF8.0までは少し気になります。解像感は中央と同様に、劇的な変化は見られないようです。

TAMRON 70-180mmに関するインターネット上のクチコミでは、偏心(片ボケ)と呼ばれるピント位置のズレも報告されていますが、私の手元にあるレンズは、今のところ問題なさそうです。上記の写真では、可能な限り剛性の高い三脚で撮影していますが、個人の撮影したサンプルですので、誤差があることはご容赦ください。違った結果になったよ!というご報告があればTwitterやお問い合わせまでお願いします。

TAMRON 70-180mmの逆光耐性

タムロン70-180mmF2.8にレンズフードを装着して、太陽光が画面の端に配置される構図で撮影してみました。今回の例は、少し極端な撮影例になりますが、コントラストが低下して淡い写真に変化したり、ゴーストやフレアが発生しました。以下の撮影例のように、太陽を四隅に配置しない構図では、問題にならないようです。

逆光の様子(画角は70mm・絞りはF2.8)
逆光の様子(画角は70mm・絞りはF2.8) ©
逆光の様子(画角は70mm・絞りはF5.0)
逆光の様子(画角は70mm・絞りはF5.0) ©

画角によって光の入り方も変化しますが、どの画角でも太陽などの強い光を斜めに入れると、このような写りになります。

逆光の様子(画角は134mm・絞りはF2.8)
逆光の様子(画角は134mm・絞りはF2.8) ©

詳しくは冒頭で挙げた動画でも撮影サンプルを公開していますので、ご覧ください。

TAMRON 70-180mmのボケの形状

ボケの形状や柔らかさについて厳密に説明するのは難しいのですが、実際に使ってみた感想としては、TAMRON 70-180mm F/2.8 Di III VXDのボケは優しく、ふんわりボケる事が多いと感じました。特に、花や小物を撮影した際の後ボケは滑らかであり、柔らかく写ります。

この項目では、いくつかの玉ボケを掲載したいと思います。

ボケの様子(画角は70mm・絞りはF2.8)
ボケの様子(画角は70mm・絞りはF2.8) ©
ボケの様子(画角は70mm・絞りはF2.8)
ボケの様子(画角は70mm・絞りはF2.8) ©
ボケの様子(画角は70mm・絞りはF5.6)
ボケの様子(画角は70mm・絞りはF5.6) ©

冒頭の動画でもボケの形状や、ボケ内部に現れる縞(俗に年輪ボケと呼ばれているレンズの切削加工痕)を拡大して確認していますが、全体的には気にならないレベルで綺麗だと思いました。

ボケの様子(画角は180mm・絞りはF2.8)
ボケの様子(画角は180mm・絞りはF2.8) ©
ボケの様子(画角は180mm・絞りはF5.6)
ボケの様子(画角は180mm・絞りはF5.6) ©

絞りをF5.6まで絞っても、ある程度ボケの柔らかさを維持してるように感じますが、いかがでしょうか。

動画撮影やジンバルで70-180mmは使えるの?

タムロン70-180mm F2.8を動画撮影で使えるのか試してみました。以下の動画では、一般的に売っている一眼カメラ用のジンバルへ、タムロン70-180mmを搭載して撮影した結果です。

どうしても撮影したい場合には大型のカメラを搭載できるジンバルを活用するのが良さそうです。また、手持ち撮影でしっかり構えればブレなく固定アングルの動画を撮ることができるので、アップや拡大したいシーンを切り取りたい時に活用できそうです。

TAMRON 70-180mm F/2.8 Di III VXDのレンズ外観レビュー

続いて、タムロン70-180mmのレンズの外観を見ていきたいと思います。まずは元箱です。見た目は白基調のデザインとなっており、不思議とワクワク感をそそりますね!

TAMRON 70-180mm F2.8の元箱
TAMRON 70-180mm F2.8の元箱 ©

開封すると、簡素な不織物に包まれた状態でレンズが入っていました。残念ながら望遠レンズによく付属するような、レンズ持ち運び用のポーチなどは含まれていません。レンズ以外のコストはかなり抑えられているようです。

TAMRON 70-180mm F2.8の元箱
TAMRON 70-180mm F2.8の元箱 ©

レンズ本体を取り出すと、このような感じになります。70-300mmのような外観とサイズ感で、大口径レンズと思えないコンパクトさに見えます。

TAMRON 70-180mm F2.8の外観
TAMRON 70-180mm F2.8の外観 ©

レンズフードは花形。外すとコンパクトなレンズに

レンズフードは花形となっており、斜めから入り込む光を有効に遮ってくれそうなフォルム。逆光性能については前述の撮影サンプルをご覧ください。

TAMRON 70-180mm F2.8の花形フード
TAMRON 70-180mm F2.8の花形フード ©
TAMRON 70-180mm F2.8の花形フード2
TAMRON 70-180mm F2.8の花形フード2 ©
TAMRON 70-180mm F2.8本体と花形フード3
TAMRON 70-180mm F2.8本体と花形フード3 ©

カメラに装着すると、それなりに迫力があります。

α7RIIIにTAMRON 70-180mm F2.8を装着した様子
α7RIIIにTAMRON 70-180mm F2.8を装着した様子 ©

何度も言いますがフードを外してみると、ほんとうに小さい外見です…!

α7RIIIにTAMRON 70-180mm F2.8を装着した様子(フード脱着)
α7RIIIにTAMRON 70-180mm F2.8を装着した様子(フード脱着) ©

カメラのファインダーを含めて、長さは20cmくらいでしょうか。

カメラとTAMRON 70-180mm F2.8を含めて20cm程度の長さ
カメラとTAMRON 70-180mm F2.8を含めて20cm程度の長さ ©

レンズは伸縮するが、とてもコンパクト

TAMRON 70-180mm F/2.8 Di III VXDは、望遠側の180mmにズームしていくとレンズの全長が変化するレンズです。ただし、インナーフォーカスとなっておりAF時には全長は変化しません。

実際に180mmまでズームしてみると、カメラを含めて23cm程度に伸びました。購入前はもっと伸びるのかな…と想像してたのですが、こちらも思いのほか控えめです!

180mmまでズームすると、カメラを含めて23cm程度の長さになる(α7RIII装着時)
180mmまでズームすると、カメラを含めて23cm程度の長さになる(α7RIII装着時) ©

レンズフードを装着すると更に大きくなりますが、70-200mmF2.8レンズと比較すると、非常に小柄です。

レンズフードを含めると勿論長くなりますが、それでもコンパクト
レンズフードを含めると勿論長くなりますが、それでもコンパクト ©

その他の画角を使用したときの長さは、次の通りとなりました。

135mm(α7RIII装着時)
135mm(α7RIII装着時) ©
100mm(α7RIII装着時)
100mm(α7RIII装着時) ©
70mm(α7RIII装着時)
70mm(α7RIII装着時) ©

TAMRONの標準大口径レンズであるタムロン28-75mmF2.8と比較しても、外見上は大きな違いを感じないのが凄いと思いました。

TAMRON 28-75mmとの比較
TAMRON 28-75mmとの比較 ©

どちらのレンズもF2.8通しレンズとは思えない小柄サイズです。

ズームロック機構により伸縮を防ぐ

TAMRON 70-180mm F/2.8 Di III VXDでは、本体側面にズームロックスイッチがあります。オレンジ色となっている時に、ロックが有効となります。

こちらは不意にレンズが伸びてしまうのを防ぐ機能です。とはいっても、他のレンズにある自重落下は起こりませんのでご安心ください。そこで気になったのがズームロックの意味です。今後レンズを使い続けると、ズームトルクが緩くなって来るんでしょうかね?少し気になりました。

自重落下とは?

レンズ自身の重みによって、意図しないタイミングでレンズが伸びてしまう現象のことです。レンズ前面を下に向けると、自重落下が起こりやすいです。

余談ですが、SONYの純正レンズで一例を挙げると、超望遠ズームレンズのFE100-400mmは自重落下を起こすレンズです。それを防ぐためにズーム時の摩擦を調整できるトルクスイッチが搭載されています。

FE 100-400mmの各種スイッチ・リング
FE 100-400mmの各種スイッチ・リング ©

タムロン70-180mmでは、ズーム操作時に重たいという印象はなく、とてもスムーズに伸縮させることができます。

70-180mmのズーム操作は至ってスムーズ
70-180mmのズーム操作は至ってスムーズ ©

TAMRON 70-180mm F/2.8 Di III VXDに必要なレンズプロテクターやNDフィルター

TAMRON 70-180mm F/2.8 Di III VXDを購入したら、レンズプロテクターを用意されるのがおすすめです。プロテクターはレンズの全面を保護し、傷やホコリから守ってくれます。レンズフィルターのサイズは下記製品のように、67mmのフィルターサイズに対応しています。