Sonyのフルサイズのカメラで10〜18mmのズームが可能な超広角レンズ「LAOWA(ラオワ) 10-18mm F4.5-5.6 FE Zoom」について、ブログで使用感や外観をレビューします。
一般的なレンズでは珍しい10mmから撮影できるズームレンズです。レンズ後玉にレンズフィルターを装着でき、軽量な構成で撮影が楽しめます。詳しくは詳細レビューをご覧ください。2019年8月よりニコンZマウントにも対応しました。
レンズはAmaoznやサイトロンジャパンさんのオンラインショップで入手できます。
SIGHTRON JAPAN オンラインショップ
LAOWA 10-18mm F4.5-5.6 Sony FE Zoom Lens
LAOWA 10-18mmは、Sony α7やα9シリーズで10mmの撮影が可能なズームレンズです。10mmと聞くと、頻繁に使う画角なのか戸惑うアングルだと思いますが、このレンズは18mmまでズーム可能です。また、超広角レンズ特有の歪みが少ないので、レンズ交換を頻繁に行わずにそのまま撮影してみようか?と思えるのが魅力です。
詳しくは、Youtubeでもレビューをまとめていますのでご覧ください。
寸法は70×90.9mm、重量は496g。見た目はコンパクトなサイズにまとめられているマニュアルフォーカスのレンズです。
Sony α7IIIとLAOWA 10-18mm F4.5-5.6 FE Zoomの装着例 ©
レンズの特徴的な点はリアフィルター装着機能です。以下の写真のように、レンズのリア側(後玉側)へ37mmのレンズフィルターを装着できます。使用できる対応フィルターについては記事の後半で詳しく解説していきます。
レンズのリア(後玉側)にフィルターが装着できる ©
LAOWA 10-18mmは、Venus Optics LAOWA(老蛙)という中国のレンズメーカーから製造されている製品です。今回は、日本国内で取扱を行っている(株)サイトロンジャパンさんからレンズをお借りすることができました。まずは、LAOWA 10-18mmで撮影した作例を何枚かご覧ください。撮影した写真は絞り開放から光芒が綺麗に写るのが特徴的です。
鯉のぼり・菜の花・河津桜の三種盛り 03561 | Sony A7M3 + LAOWA 10-18mm F4.5-5.6 FE Zoom ©
LAOWA 10-18mm TEST 03772 | Sony a7III + LAOWA 10-18mm F4.5-5.6 FE Zoom ©
LAOWA 10-18mm TEST 03730 | Sony α7III + LAOWA 10-18mm F4.5-5.6 FE Zoom ©
LAOWA 10-18mm 08749 | Sony α7R2 + LAOWA 10-18mm F4.5-5.6 FE Zoom ©
また、写真の一部をLAOWAジャパンさんの製品情報やオールドレンズ・ライフ 2019-2020さんに掲載いただきました。詳しい作例は当記事の後半でご紹介します。また、LAOWA 10-18mmは綺麗な光芒だけでなく逆光状態で入り込むゴーストやフレアが独特です。フレアは女性のポートレートにおいてアクセントとして利用してみました。詳しい内容は記事後半の動画レビューやYoutubeで解説しています。
当記事では実際の撮影例をもとに、LAOWA 10-18mm F4.5-5.6 FE Zoomの魅力について詳しくご紹介していきます。その他のSonyのEマウントレンズについては以下をご覧ください。
それではLAOWA 10-18mm F4.5-5.6 FE Zoomについて詳しく見ていきましょう。
目次
LAOWA 10-18mm F4.5-5.6 FE Zoomの仕様と特徴
まず始めに、レンズの仕様と特徴についてまとめます。
LAOWA 10-18mm F4.5-5.6 FE Zoom レンズ本体 ©
レンズのスペック(仕様)
LAOWA 10-18mm F4.5-5.6 FE Zoomの詳しいスペックを見ていきたいと思います。LAOWA 10-18mmは超広角ズームレンズというカテゴリーの製品です。
仕様 | 説明 |
寸法 | 70x90.9mm |
重量 | 496g |
最短撮影距離 | 15cm |
最大撮影倍率 | 0.25倍 |
絞り | F4.5〜5.6 |
画角 | 102-130度(10-18mm) |
オートフォーカス(AF) | 非対応 |
手ぶれ補正機能 | 非搭載 (但し手ぶれ補正に対応したカメラ・ボディに装着すると、手動設定により使用が可能) |
絞り羽根 | 5枚 |
フィルター口径 | 37mm(リアフィルター(レンズ後ろ側)に装着可能。フィルター枠:5.5mm以下、フィルターガラス厚:1.1mmという条件を満たした製品が使用できる。詳しくは後半で解説します) |
Sonyの純正の超広角レンズでは、
などがラインアップされています。一例を挙げるとこちらのレンズです。
12mmで始まる超広角レンズです。軽量は565gと、コンパクトでありながら迫力のある写真を収めることができます。詳しくはレビュー記事をご覧ください。
LAOWA 10-18mmは、Sony純正レンズと比べて小柄で軽量に出来ています。また価格はSONYの純正レンズよりも安価です。重量はFE16-35mmF4ZAと同程度、FE12-24mm F4Gよりも70gほど軽量。旅行などでも気軽に持ち運びできるのは嬉しいですね。
外見を比較すると、驚くことにFE 12-24mm F4Gよりも小さいサイズ感でした。
LAOWA 10-18mm F4.5-5.6 FE Zoom(左)とFE 12-24mm F4G(右)の外観比較 ©
さらに、撮影したい物に近づいたり、ボケ味を強調した写真撮影もできるようになっています。近接性能を意味する最短撮影倍率は0.25
倍となっています。接写が得意なマクロレンズと比べて1/4
程度の接写能力となりますが、一般的なレンズよりもそこそこ近寄れる印象です。
鯉のぼり・菜の花・河津桜の三種盛り 03610 | Sony a7III + LAOWA 10-18mm F4.5-5.6 FE Zoom ©
実際に近くの花へ近寄ってみると、想像以上にボケて奥行きのある写真が撮れました。超広角ならではのワイド感あふれるアングルと組み合わさり、面白い写真撮影が楽しめます。
LAOWA 10-18mm F4.5-5.6 FE Zoomの写真撮影例
それではLAOWA 10-18mm F4.5-5.6 FE Zoomで撮影した写真をいくつかご紹介していきたいと思います。また、写真の一部をLAOWAジャパンさんの方で掲載いただきました。
LAOWA.jp
実写のサンプル|LAOWA 10-18mm F4.5-5.6 FE ZOOM
LAOWA 10-18mm TEST 03799 | Sony α7M3 + LAOWA 10-18mm F4.5-5.6 FE Zoom ©
木の根本で女性モデルさんに座っていただき、10mmで撮影してみました。非常に大きな木なのですが、木の根元から枝まで簡単に撮影することができました。太陽光や夜景の街灯を撮影すると、光芒(光条)と呼ばれる光の筋がキレイに広がります。
LAOWA 10-18mm TEST 03782 | Sony A7M3 + LAOWA 10-18mm F4.5-5.6 FE Zoom ©
建物内の撮影や、背後に下ることができない撮影地などでは、10mmという広いアングルが役に立ちます。
鯉のぼり・菜の花・河津桜の三種盛り 03525 | Sony a7III + LAOWA 10-18mm F4.5-5.6 FE Zoom ©
手前の桜も撮りたいし、奥の鯉のぼりも撮りたい!と言った要望も、このレンズで撮影することができました(笑)
鯉のぼり・菜の花・河津桜の三種盛り 03589 | Sony a7III + LAOWA 10-18mm F4.5-5.6 FE Zoom ©
また超広角レンズと言えば、画面全体でピントの合っている はっきりした写真が撮られる事が多いと思います。しかし、LAOWA 10-18mmでは「近寄って撮影してみようか!」と思える楽しいレンズでした。
鯉のぼり・菜の花・河津桜の三種盛り 03581 | Sony A7M3 + LAOWA 10-18mm F4.5-5.6 FE Zoom ©
桜の形を模した「吊るし雛」と呼ばれる飾りですが、奥にある桜と一緒に撮影する事ができました。また、海岸沿いではスローシャッターを切ってみました。手前から奥に向かって広がりと迫力を強調できるのも、超広角レンズならではの魅力ですね。
消えゆく足跡 08762 | Sony a7R2 + LAOWA 10-18mm F4.5-5.6 FE Zoom ©
消えゆく足跡 08743 | Sony a7RII + LAOWA 10-18mm F4.5-5.6 FE Zoom ©
LAOWA 10-18mm F4.5-5.6 FE Zoomの動画撮影例
続いてLAOWA 10-18mmで撮影した映像もご覧ください。
上記の動画は、スタビライザー(ジンバル)を使って撮影した映像です。撮影方法や機材に関する詳細は別の解説記事をご覧ください。
躍動感ある建築物や風景の映像撮影に最適
LAOWA 10-18mmの広角側10mmを沢山使って、建物の内部や公園で動画撮影を行ってみました。
動画撮影では広角レンズになるほど、スピード感や迫力が出る傾向です。10mmを使った映像は、少し歩き進むだけで迫力が出ました。
また、写真と同じように太陽光を撮影すると、光の粒のようなゴーストが映り込みます。アクセントとして取り入れるのも面白いと思いました。
女性ポートレートの映像撮影例
続いてポートレート動画の撮影の活用例をご覧ください。
下記の辺りで、LAOWA 10-18mm F4.5-5.6 FE Zoomを使っています。
上記の撮影例では、風景の移動シーンや女性を離れた位置から撮影しています。どちらかというと標準〜中望遠レンズで撮影した映像のカットを、引き立たせる脇役のようなイメージで撮影してみました。
LAOWA 10-18mmレンズは重量やサイズが非常にコンパクトなので、色んな撮影シーンで持ち出そうと思えるのが良いと感じました。
LAOWA 10-18mm F4.5-5.6 FE Zoomの外観写真
それでは次に、LAOWA 10-18mmのレンズ外観について見ていきたいと思います。
LAOWA 10-18mm F4.5-5.6 FE Zoom レンズ本体 ©
LAOWA 10-18mmの各操作リング
LAOWA 10-18mmはマニュアルでピント操作を行うレンズです。
LAOWA 10-18mmの各操作リング。上からピント、ズーム、絞りの操作が可能 ©
上記の画像から見て
- ピントの操作
- ズームの操作(10mm画角から18mm画角)
- 絞りの操作(F4.5〜F22)
のリングが備わっています。また、デクリック機能と呼ばれるスイッチがレンズの側面に備わっています。
LAOWA 10-18mmのデクリック機能切り替えスイッチ ©
こちらは絞り操作のクリック感を無くし、スムーズにしてくれるものです。滑らかに絞り値を変更できるので、主に動画撮影や絞り操作を細かく変更したい時に利用できそうです。
また、レンズに刻印されている焦点を示す距離目盛りは殆ど参考にならないので注意が必要です。実際の合焦距離とは異なり、また使用する画角によっても前後に変化するようでした。
LAOWA 10-18mmのレンズ前面は球面
また、レンズ前面は超広角レンズとしてはコンパクトに設計されています。
LAOWA 10-18mmのレンズ(正面) ©
残念ながらLAOWA 10-18mmはレンズフィルターを前面に装着できません。下記の写真のようにレンズが球面となっており、せり出ています。
LAOWA 10-18mmのレンズは球面となっている ©
NDフィルターを使用したい場合には、後半で解説するホルダータイプのNDフィルターか、条件を満たしたリアフィルターが必要になります。
しっかりとした造りの専用レンズフードが付属
撮影しない時は、購入時に付属されている専用レンズフードで保護する事ができます。
LAOWA 10-18mm用のレンズフード ©
レンズフードは引っ張ると脱着ができ、隙間が少なくしっかりとした造りになっていました。
レンズ後面にレンズフィルターが装着できる
また、冒頭でも特徴としてご紹介しましたが、LAOWA 10-18mm F4.5-5.6 FE Zoomは、レンズのリア部(後玉)に37mmのレンズフィルターを装着できるようになっています。
LAOWA 10-18mm用のリア部(後玉) ©
購入直後には透明のフィルターが装着されている状態となっています。
37mmのレンズフィルターが脱着・装着可能 ©
このリア部にNDフィルターやその他のレンズフィルターを装着して撮影する事ができます。使えるフィルターについてはいくつか条件があるのですが、詳しくは後半で解説します。
37mmのND1000フィルター(※初回購入者の限定品) ©
今回はLAOWA 10-18mmの初回購入者にプレゼントされたND1000フィルターをお借りして、写真を撮影してみました。
LAOWA 10-18mm 08749 | Sony α7R2 + LAOWA 10-18mm F4.5-5.6 FE Zoom ©
LAOWA 10-18mmでピントが合わない原因は?
レンズの後玉に装着されているレンズフィルターはレンズの光学の一部となっているので脱着して撮影しないよう注意しましょう。フィルターを脱着した状態で撮影すると、無限遠にピントが合わなくなります。
LAOWA 10-18mm F4.5-5.6 FE Zoomで気になる点
続いて、LAOWA 10-18mmで気になる部分やデメリット、それから撮影時に注意した方が良い内容をまとめたいと思います。
オートフォーカスとExifに非対応
LAOWA 10-18mmは電子接点を備えていないレンズ ©
LAOWA 10-18mm F4.5-5.6 FE Zoomは、残念ながらオートフォーカス(AF)に対応していないレンズです。ピント合わせはマニュアルフォーカス(MF)操作となります。更に電子接点を備えていないので、レンズの焦点距離や絞り値などのExifをカメラ本体に記録することができません。
手ぶれ補正の焦点距離は自分で設定する必要がある
また、LAOWA 10-18mm F4.5-5.6 FE Zoomで撮影する際に注意したいのが、カメラ側で設定できる手ぶれ補正機能です。電子接点が備わっているレンズでは、手ぶれ補正の値を自動で設定してくれるのですが、LAOWA 10-18mmでは自身で手ブレ補正値を設定する必要があります。
手ぶれ補正の値が適切でないと、撮影時にブレが目立ってしまうことがあります。設定例は一例を挙げると次のようになります。
(例)10mmの画角で撮影するとき
→ 手ブレ補正の焦点距離を10mmに設定
(例)15mmの画角で撮影するとき
→ 手ブレ補正の焦点距離を15mmに設定
(例)18mmの画角で撮影するとき
→ 手ブレ補正の焦点距離を18mmに設定
撮影したい画角と同じ値の手ぶれ補正焦点距離を設定すればOKです。
ただ、ズームする度に設定を変更するのは少し面倒です。実際に撮影していると設定変更を忘れることがありました(笑)そういったケースでは、13〜15mmなどの画角を手ぶれ補正値として設定しておくと、ある程度は問題にならないかと思います。
手ぶれ補正の設定方法については、Sonyのホームページが参考になります。
Sonyヘルプガイド
Sony α7III(ILCE-7M3) 手ぶれ補正設定
α7RIIIやα9なども同じ方法で変更することができます。
LAOWA 10-18mm F4.5-5.6 FE Zoomの周辺減光を補正するには
LAOWA 10-18mm F4.5-5.6 FE Zoomの10mm画角では、撮影した写真の四隅が暗くなります。
LAOWA 10-18mmの10mm画角では画面周囲に向かって暗くなる ©
これは周辺減光(ヴィネット)と呼ばれている現象ですが、絞りをF11〜16まで絞ってもあまり改善されず暗い傾向でした。周辺減光が気になる場合は、
10mm画角を使わず、15〜18mm辺りを使って撮影
LAOWA 10-18mmの望遠側を使うと周辺減光が目立たなくなります。
Lightroomなどの写真現像ソフト側で補正
撮影後のRAWデータをソフトによって周辺減光補正することができます。
するのがオススメです。私の場合はLightroomで周辺減光補正をしてみました。周辺減光補正を行った結果の前後比較が以下です。
補正する方法は次の手順です。
- Lightroomの現像モジュールを開く
- レンズ補正のパネルを確認する
プロファイル補正を使用
を選択 - メーカーで
Venus Optics
の選択 - モデルで
Venus Optics LAOWA 15mm F2 Zero-D
を選択
補正している様子については下記のTwitter動画をご覧ください。
周辺減光の補正前後を比べると、かなり変化するのが分かるかと思います。
残念ながら上記の方法は、本来の正しいレンズ補正方法ではありません。記事作成時点では、LAOWA 10-18mmの周辺減光を補正してくれるレンズプロファイルがAdobeから配布されていません。しかし、同メーカーのLAOWA 15mm F2 Zero-Dというレンズの補正値を設定する事で、偶然ながら良い方向へ改善する事が分かりました。周辺減光で困ったときの対処方法として参考程度にお試しください。
LAOWA 10-18mm F4.5-5.6 FE Zoomは逆光に弱い
LAOWA 10-18mm F4.5-5.6 FE Zoomは逆光に弱いレンズで、太陽光のような強い光を配置すると、フレアや赤いゴーストが発生します。下記の写真のように、僅かに構図を変えるだけで光の雰囲気が変化します。
太陽を中心近くに配置すると問題ないが… ©
太陽を四隅に向かって配置すると色付きのゴーストが入り込みやすい ©
ただし、室内の街灯やライトなどでは気にならないレベルでした。また、撮影する画角によっても光の入り方に違いがあります。
ゴーストやフレアを避けたい場合は、光を画面中央に配置したり、斜めから入り込む光に対しては手で遮る(ハレ切れする)とゴーストを避けられる時もあります。以上のように、ゴーストやフレアを避ける写真を撮るには構図の苦戦を強いられる場面が多くなります。
ただし、逆光の弱さについては、捉え方を変えてみると、光の柔らかさを演出するのに面白いレンズです。躍動感や光をアクセントにしたい場合には非常に面白い表現が出来そうです。私の場合は、動画撮影で積極的に使いたいと感じました。
LAOWA 10-18mm F4.5-5.6 FE Zoomで使えるNDフィルターについて
市販されているレンズフィルターはLAOWA 10-18mmで使用できるのでしょうか?実際のところ、LAOWA 10-18mmで使用できるフィルターは限りなく少ないようです。
LAOWA 10-18mm F4.5-5.6 FE Zoomで使えるレンズフィルターは、次のような条件を満たす必要があります。
LAOWA 10-18mmで使えるフィルターの条件
- フィルター枠の厚みは5.5mm以下
- フィルターのガラス厚みは1.1mm以下
上記を満たすフィルターを探していたところ、Twitterの方で次のフィルターを教えて頂きました。
フィルター枠37mm、6段光量:1/64を減光できるレンズフィルターです。
上記のフィルターを実際に装着して、画質の劣化や周辺の流れが無いのかを検証してみました。比較写真の左側が購入時のフィルター。左側がND64フィルターを装着した時の写真です。
写真でも解説したいと思います。まずは撮影した写真の全体図です。
画質比較 全体図:(左)購入時のフィルター (右)ND64フィルター装着時 ©
全体図を芝生とコンクリート壁の境界線に沿って、拡大していきます。まずは、撮影した写真の中央を拡大してみます。
画質比較 中央拡大:(左)購入時のフィルター (右)ND64フィルター装着時 ©
次に写真右半分の中間点を拡大してみました。
画質比較 右上中間:(左)購入時のフィルター (右)ND64フィルター装着時 ©
最後に右隅の画質です。
画質比較 右上隅:(左)購入時のフィルター (右)ND64フィルター装着時 ©
比較した結果、目立った画質劣化が見られませんでした。ND8〜ND64の減光をしたい時は、このフィルターで問題なく撮影ができるようです。また、ND64以上の減光をしたい場合には、該当する円形フィルターがありません。ND1000などの減光を行いたい時は、以下の角型フィルタータイプが必要になります。
LAOWA 10-18mm F4.5-5.6 専用のNiSi 100mmシステムに対応したフィルターホルダーです。角型フィルターを一度に2枚まで装着可能フィルターを付けたまま360度回転させることができます。
NDフィルターを使用することで、その強力な減光効果によって晴天の日中であっても長時間露出によるドラマティックな表現を実現します。
LAOWA 10-18mmはレンズ口径が小さいので、一般的な広角レンズに比べて安くシステムを揃えることができるのは大きなメリットです。
可変NDフィルターや厚みのある製品を装着するとどうなるの?
前述では、LAOWA 10-18mmでおすすめのフィルターについてご紹介しました。それ以外に、市販されているレンズフィルターが使用できるのか検証してみました。先に結論ですが、私が購入した物はレンズに装着できなかったり、撮影画像の隅が流れてしまったり、解像度の低下が見られました。
市販されているフィルターを試してみた ©
こちらのフィルターは左から順番に次の通りとなっています。
LAOWA 薄型フィルター37mm
→ LAOWA 10-18mm購入時に標準で付属されるもの
kenko MCプロテクター37mm
- K&F Concept 可変NDフィルター37mm
厚みを比較すると、かなり違うのが分かります。
横から見ると厚みがあり、装着するのが難しい気配…。 ©
まず、ケンコーのMCフィルターですが、装着ができるものの、マウント部分と同じくらいの高さとなってしまいました。
実際にカメラに装着してみると、カメラのマウント部分と擦れる音がしました。撮影した写真は四隅の解像度の低下が見られ、カメラがフリーズする現象も起こってしまいました。
続いて、ND可変フィルターです。
こちらは操作リングの部分が干渉して装着できませんでした。LAOWA 10-18mmのフィルターは、条件を満たす製品以外は使用しない方が良さそうです。また、前玉にレンズフィルターを装着できるLAOWA 15mmというレンズもありますので、そちらも是非検討してみてください。