PILOTFLY Adventurer(パイロットフライ・アドベンチャー)という一眼レフカメラ用のジンバルを購入しました。今回はジンバルとは何か?についてや、ジンバルの使い方が参考になったYoutube動画をご紹介していきます。
一眼レフなどの大型カメラを電動モータで支えて振動を軽減。滑らかな映像を撮影する事ができる機材です。同様の機能を持つジンバルとして、現在はAirCross2(別の解説記事へ)も人気です。
私の場合は人物撮影で一眼レフ用のジンバルを使っています。現在はこちらのような動画撮影をしています。
PILOTFLYではAdventurer以外にも、軽量なカメラを搭載できるTRAVELER(トラベラー)という製品があります。
目次:PILOTFLYアドベンチャーの使い方や参考になった動画まとめ
ジンバルってなに?
ジンバルとは、カメラに取り付ける動画撮影機材の一つです。見た目は自撮り棒を太くしたような形状をしており、手持ち時の大きな振動を抑える役割をしてくれます。ジンバルを使うと、歩行時や走行時でも映画のような滑らかな映像を撮ることができます。
私が使ってるものは一眼レフ用なのですが、見た目はこんな感じです。
現在のジンバル製品とラインアップについて
現在では、各メーカーからジンバル製品が発売されています。例えばドローンで有名なDJIでは、安価で軽量なDJI Ronin-SCや、MOZA AirCross2が発売されています。私もPILOTFLY以外のジンバルがどういった操作感なのか気になり、色々と使い始めています。
詳しくはこちらの解説をご覧ください。
PILOTFLYと他社メーカー製品の違い
実際に使い比べた感想としては自動調整機能の搭載や、設定項目がシンプルで分かりやすく初心者に使いやすいジンバルだと思いました。
一方で、PILOTFLY Adventurerは設定が非常に複雑です。いざ自身で調整しようとするとハードルが高い製品となっているのが現状です。その反面でジンバルの詳細な動きまで作り込める点はPILOTFLYの良いところです。また、後半でもご紹介していきますが、PILOTFLYに関する解説動画が充実している点も良いところです。
シンプルに使いたい方にはDJIやMOZAを。設定の作り込みなど、痒い所まで作り込むのが好きな方にはPILOTFLY製品がおすすめです。
スマホ用ジンバルやジンバル一体型も登場
その他に、iPhoneやAndroidなどのスマートフォンで滑らかな映像が撮れるOsmo Mobile 2や、小型サイズのDJI Osmo Pocketなども人気が出ています。
現在はカメラ一体型のジンバルも流行している。写真はDJI OSMO Pocket ©
それではジンバルを使うと、どのような映像が撮れるのか見ていきましょう。
ジンバルを使うとどんな映像が撮れるの?
私が実際に撮影した映像をもとに、ジンバルでどのような映像が撮れるのかご紹介したいと思います。ジンバルのPILOTFLY Adventurerが届いて1週目に撮った映像ですが、こんな感じの動画が撮影できました。
上記では15mmの魚眼レンズを使ってみたのですが迫力満点でした。
ジンバルとの出会い
カメラを趣味にされていらっしゃる方は、結婚式に行くとカメラマンさんがどのような機材を使っているのか気になったりしませんか?
私もその中の1人です。最近は写真カメラマンよりも映像カメラマンの方に目が行くようになりました。というのも、映像カメラマンさんは一眼レフを使って映像撮影しているのに、機材の一部で見慣れない物を使っている事が多いんです。
その変わった機材というのが、ジンバルという製品です。正式名称は、3軸ブラシレスジンバルと呼ぶそうです。
ジンバルの使い方と効果とは?
冒頭でも触れましたが、ジンバルは滑らかな動画撮影を行うために使用されおり、歩行時や手持ち時の振動を抑えてくれる役目をする機材です。
(引用元:よっちゃんさん video channel)
また、今回話題として触れているPILOTFLY Adventurerというジンバルでは、ジンバル本体の設定をパソコンやスマートフォンを使って変更することが可能となっています。
各方向への回転を素早く止めたり、ゆっくりと追従させる事が可能となっており、自身の使いやすい設定に追い込むことができます。
更に、PILOTFLY Adventurer本体にはジョイスティックと呼ばれる操作コントローラーが備わっており、カメラの振動を抑えながら、好きな方向へカメラのアングルを自由に変えることができます。この移動速度や滑らかさも設定変更が可能です。
ジンバルの原理について
ジンバルの詳しい原理については、Wikipediaが詳しいのでそちらをご覧ください(丸投げですみませんw)
Wikipedia
ジンバル - Wikipedia
ジンバルは1つの軸を中心として物体を回転させる回転台の一種である。軸が直交するようにジンバルを設置すると、内側のジンバルに載せられたロータの向きを常に一定に保つことができる。
宇宙ゴマや地球ゴマって昔ありましたよね。コマを回すと回転させても、同じ向きを維持しようとします。カメラ用のジンバルもそういった機能を電動モータで応用して、カメラの向きを維持できるんだと思います。
(引用元:youtube - Yショップ三留久山店)
(引用元:TIGER Gyroscope)
PILOTFLY Adventurerを買ってみた
自分もいつかはジンバルを入手したい!と思っていたんですが、どれが良いのかさっぱり分かりませんでした。
そんな中、Twitterで動画撮影をされている諸先輩にオススメして頂いたのがPILOTFLY Adventurer(パイロットフライ・アドベンチャー)です。youtubeの作例動画を見てみると、かなり良さそうだったので思い切って予約してみました!
(引用元:よっちゃんさん video channel)
予約と購入はPILOTFLYの販売代理店をされている よっちゃんさんのショップで可能です。よっちゃんさんは、YoutubeでPILOTFLYジンバルの作例や使い方を沢山ご紹介されています。
初めて購入したものの、ジンバルは完全な初心者です(^▽^;)今回、購入を決めた理由はこちらです。
Sony αシリーズのカメラと相性が良い
ジンバルからの電源供給や遠隔で動画記録開始などもできるそうです。
積載重量が3kgまで対応
ジンバルに載せられるカメラ機材が3kgまで対応しており、かなり余裕がありそうです。
設定プリセットに対応している
ジンバルにカメラを載せる際には、重量に応じたジンバルの設定が必要らしいのですが、大まかな重量に応じて設定プリセットという物が用意されているそうです。これによって、手間なくジンバルが使えるようです。
YoutubeやSNSで日本語の情報が入手しやすい
一言で言うと、周りが良いと言ってるから。って事なんです。すごく単純ですよね(笑)
PILOTFLYのジンバルについてYoutubeで詳細なレビューをされている よっちゃんさんや、Twitterでこれからジンバルを使って映像撮影しようと考えていらっしゃる方が身近にいらっしゃったり、他にも大勢いらっしゃるようでしたので、これが購入の決め手になりました。また、PILOTFLYの販売代理店でもある よっちゃんさんのアフターフォローも手厚そうです。
という事で、かなりふわっとした理由で動画沼へ飛び込んでみました。
PILOTFLY Adventurerの使い方で参考になったYoutube動画
続いて、PILOTFLY Adventurerジンバルを使う際に、参考になった動画をご紹介したいと思います。
PILOTFLY Adventurerのバランス調整方法について
まずはじめに、ジンバルを使う前やレンズ交換、レンズズーム時に必ず行う作業があります。
それはバランス調整(ダイナミックバランス調整)と呼ばれる工程です。バランス調整とは、カメラが回転しないように、ジンバルの3軸でそれぞれ釣り合いのバランスを取る作業です。バランス調整の仕方は、H2-45というPILOTFLY製ジンバルの調整方法が参考になります。
(引用元:よっちゃんさん video channel)
H2-45とAdventurerは近い形状になっているようなので、H2-45の動画で調べると色々と参考になる情報が入手できます。
話は戻りますが、PILOTFLY Adventurerのジンバルは3つの回転軸が備わっています。カメラの取り付け位置に近いものから見てくと、
- ピッチ軸(Pitch)
- ロール軸(Roll)
- ヨー軸(Yow)
となっています。バランス調整では、こちらの軸を順番に触っていき、カメラが回転しないようにスライダーを調整していくことになります。スライダーは各軸に、それぞれ目盛り付きで備わっています。
私もジンバル調整を実際に行ってみたんですがまずは軽いレンズで練習してみると良さそうだと思いました。重たいレンズになるほど、バランス調整がシビアになるようです。
PILOTFLY Adventurerの各モードの使い方
PILOTFLY Adventurerで動画を撮影する際に、各動作モードが用意されています。各動作モードについて触れる前に、まずはフォローとロックについて説明したいと思います。
フォローとロック
ジンバルを動かしたときに、その動きに対してゆっくり追従する動作の事をフォローすると呼んでいます。
また、ジンバルではすべての方向の動作にフォローさせたり、上下の動きだけフォローさせたりできます。一部の回転軸のみを固定する事をロックすると呼んでいます。
それでは、PILOTFLY Adventurerにデフォルトで設定されているモードを見てみましょう。
フォローモード(F)
ピッチ軸(上下)とヨー軸(左右)のみ動きに追従します。
ピッチロックモード(PL)
別名はセミロックモード、上下ロックモードと呼ばれています。ヨー軸(左右)のみ動きに追従します。左右にスライドするシーンを撮影したい時に使えそうです。
オールロックモード(AL)
別名はロックモードと呼ばれています。すべての軸がロックされます。ジンバルを持って歩いたり、走ったりしてもブレを抑えた滑らかな動画シーンを撮ることができます。また、狙った被写体を固定しながらカメラ側が移動するシーンの撮影に利用できそうです。
フォローロールモード (FR)
別名は全方位フォローモードと呼ばれています。すべての軸が動きに追従します。こちらの使い方はいまいち分かりませんので、ぜひ教えてください(笑)
ピッチフォローモード(PF)
別名は上下フォローモードと呼ばれています。ピッチ軸(上下)のみ動きに追従します。上下にスライドするシーンを撮影したい時に使えそうです。
詳しくは以下の動画が参考になりました。
(引用元:よっちゃんさん video channel)
また、オールロックモードでジンバルを持って走ったり、歩いて撮影する際には、スタビ歩き(ジンバル歩き・ジンバル走り)というテクニックも参考になりました。
こちらの動画を参考にしながら練習してみたいです^^ よっちゃんさんが紹介されている動画を幾つか見てみると、お住いの地域やお子さんの歳が近そうだったので驚きました(笑)こちらも、いつかこの場所で練習してみたいと思います^^
(引用元:よっちゃんさん video channel)
ジンバルを使う前にやる事と、やってはいけない事
ジンバルを使う際に、やってはいけない事があります。それは
- ジンバル起動中にカメラを強く触ること
- ジンバル起動中にグリップ以外を持ち上げること
- 振動のある場所でジャイロキャリブレーション
簡単にまとめると、ジンバル起動中はグリップとコントローラー以外の箇所に触れないよう注意する必要があるようです。ジンバルの故障につながるそうです。
また、ジンバル操作前にジャイロキャリブレーションという作業を行うと、ジンバルが最適化されるそうです。ただし、不安定な場所でジャイロキャリブレーションを行うと、ジンバルが正しく最適化されないようなので注意が必要です。キャリブレーションの方法は、以下の動画が参考になりました。
(引用元:よっちゃんさん video channel)
フォローのスピードを遅く設定する
Pilotfly H2ジンバル】Modeの使い分けとレンズ交換についての動画で、よっちゃんさんもおっしゃっているのですが、PILOTFLY Adventurerのデフォルト設定では、フォローの速度やジョイスティック操作による移動の速度が速いと感じました。ジンバルをちょっと動かすだけで、想像以上に速く動いてしまいます。
こちらの対処方法は、SimpleBGCという無料ソフトでジンバルの設定を変更することで解消できます。
SimpleBGCは、PC用のソフトとスマホ用のアプリが用意されています。SimpleBGC GUIがWindows・MacOSX・Linuxに対応しているPC用のソフトです。iPhoneやAndroidなどのスマートフォン向けのアプリはSimpleBGC32という名称で提供されています。
BASECAM
Downloads - SimpleBGC GUI & Mbile Apps
スマホの場合はBluetooth接続によって、ワイヤレスにジンバルの設定変更が可能となっています。
スマホアプリのSimpleBGC32を使った方が良い!?
PILOTFLY Adventurerの設定変更は、スマホアプリのSimpleBGC32を使った方が良さそうです。
PCソフトのSimpleBGC GUIは、PILOTFLY AdventurerとPCをUSB接続して使うことになるのですが、PILOTFLY AdventurerのUSB端子は接着強度が弱いそうです。
ですので、頻繁にUSBケーブルを指すことは避けた方が良さそうです。設定をPCに保存したい時だけSimpleBGC GUIを使い、普段の設定ではSimpleBGC32を使ったワイヤレス設定変更を行うのがオススメのようです。
SimpleBGC GUIによるフォロースピードの調整方法は下記の記事が参考になりました。
GIV(ギブ) | 広島で動画制作・写真撮影を行う個人事務所
【PILOTFLY H2-45 】Simple BGCでジョイスティックの速さを変更する方法
上記の記事で紹介されているのはRC Settings
というAdventurerのジョイスティック操作時の速度を変更する手順なのですが、この手順と同じような流れでFollow Mode
のタブにある設定を変更していくと、フォローのスピードを遅くすることができます。
超広角レンズや魚眼レンズならデフォルトのフォロースピードでも大丈夫ですが、フォローの速度が速いと、例えば中望遠レンズを使うときは、速いスピードでスライドしてしまう事が多いので使いづらいです。
ジンバルを使いながら、徐々に自分好みの設定に変更していくのが良さそうです。設定の詳細についてはまた別の記事で書きたいと思います。
800g前後を超える重いレンズはジンバルに装着できない可能性も!?
最後に、実際にジンバルを使ってみて分かったことを書いてみたいと思います。
これは購入前に見落としていた点だったのですが、あまりに重たいレンズはジンバルに装着できないようです。PILOTFLY Adventurerは3kgまで対応しているのですが前方に重たいアンバランスなレンズは1kg未満でも装着が難しいようです。
私がジンバルに取り付けようと試みたレンズはこちらです。カメラボディはSONYのα7RIIです。
装着結果 | レンズ |
◯ | SIGMA 15mm F2.8 EX DG DIAGONAL FISHEYE + Nikon-Sonyアダプター |
X | TAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD + アダプターMC-11 |
◯ | FE 12-24mm F4 G |
◯ | ZEISS loxia 2.8/21 |
◯ | Nikon AF-S NIKKOR 85mm f/1.8G + TFフレアアダプター |
◯ | SONY Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA |
◯ | SONY FE 90mm F2.8 Macro G OSS |
◯ | LAOWA 105mm F2 Bokeh Dreamer (Eマウント用) |
X | SONY FE 70-200mm F4 G OSS |
X | Nikon AF-S NIKKOR 300mm f/4E PF ED VR + Nikon-Sonyアダプター |
色々と試した結果としては、レンズ重量が800gを超えるレンズは装着が厳しくなっていくようです。ただし、これは重量というよりもレンズの重心が装着可否を決めるポイントになってくるようです。カメラ側を重くする工夫が可能であれば、装着できるレンズも増えてくるかもしれませんね。
FE 12-24mm F4 Gを買ってしまった(汗)
個人的にはTAMRONの15-30mmとソニー純正レンズの70-200mmF4が使えないのは、少し残念でした。
一般的な画角から超広角と呼ばれる広い範囲を一度に撮影できる便利なズームレンズです。またF2.8通しのレンズで手ぶれ補正が内蔵されているため、暗いシーンでも気軽に撮影できる1本です。
持ち運びに便利な小型・軽量の望遠ズームレンズです。レンズフィルター口径は72mmに対応しています。
実はTAMRONの15-30mmを近い時期にソニー純正レンズへ乗り換えようと悩んでいるところでした。そんな折に、よっちゃんさんがFE12-24mmをお勧めされてる事もあり、思い切ってFE12-24mmも注文してしまいました(^▽^;)
来月以降の請求を思うと、嫌な汗が止まりません(笑)頑張って良い映像が撮れるようになりたいです…。
また、望遠レンズの場合は軽量なズームレンズを選ぶと、ジンバルに載せる事ができるそうです。こちらは、よっちゃんさんがレビューされているSONY FE 70-300mm F4.5-5.6 G OSSとH2-45の組み合わせです。
Adventurerでもこのレンズが載せられるのか気になるところですね。
ということで
今回はジンバルのPILOTFLY Adventurerを始めようと思った経緯と、使用時に参考になったYoutube動画やサイト記事をご紹介しました。
ジンバル購入からまだ1週間も経っていませんが、これからどんな映像が撮れるのかワクワクしています。今後は家族で出かけた先で映像を撮ったり、ポートレート撮影と同時に映像作品も撮れたら嬉しいなと思っています。
同じように映像に挑戦されようと考えてる方や、ジンバル初心者の方のお役に立ちましたら幸いです。