小型のLEDビデオライトである、PIXEL G1sについて詳しく使用感想を書きたいと思います。PIXEL G1s(ピクセル G1s)は、寸法が幅133m
x高さ83m
。出力は12W
のカラー対応LED照明です。照明の色合いは自由に調整が可能で、本体は内蔵バッテリーとなっており、付属されるUSBケーブルで繰り返し充電しながら発光させる事ができます。
PIXEL G1sの外観とカメラへの装着例 ©
色温度調整モードとカラーモードを備えた360°フルカラーRGB LEDライトです。USBケーブルによって充電可能で、輝度は0~100まで無段階調光、色温度は2500K~8500Kまで100Kずつ調整可能です。サイズは133x83x16mm、重量265g。詳しいレビューは解説記事をご覧ください。
実際にPIXEL G1sを背景色として利用してみました!以下の動画の前半で青色の照明があると思うのですが、そちらがG1sです。
発光色は、寒色から暖色までの色温度調整(2500Kから8500Kまでの範囲を100K単位で調整可能)だけでなく、カラーの調整も可能になっています。設定内容は、発光面とは反対側にあるディスプレイによって感覚的に把握できます。光の性能については後半で検証していきます。
PIXEL G1sのディスプレイでは色温度や光量を値で把握できる ©
同様の製品の中では、付属品を最小限に抑えるなどの工夫により、価格が安価に設定されており、初めてLEDライトを使いたい方にもオススメだと思いました。
PIXEL G1sの外観と使用例(カラーモード) ©
一眼レフやミラーレスカメラのホットシューマウントに装着してラインティングを楽しむことができます。
PIXEL G1sをミラーレスカメラに装着し、更にマイクも装着してみた ©
今回はPIXELさんから実機をご提供いただきました。当記事では、詳しい使い方や性能について解説していきたいと思います。LEDライトはその他にも用途に応じて様々な製品がありますが、詳しくは以下の記事をご覧ください。
目次:価格が安いカラーLEDビデオライトPIXEL G1sのレビュー
カラーLEDビデオライトPIXEL G1sの付属品
PIXEL G1sの中身はこちらのような内容が付属しています。
LEDビデオライトPIXEL G1sの元箱とLED本体 ©
箱から取り出したLEDビデオライト本体 ©
LEDビデオライトPIXEL G1sの付属品 ©
付属のUSBケーブルで充電できる(※ACアダプターは別売り) ©
付属のUSBケーブルで充電を行う際に、ACアダプターは付属していませんので、もしお持ちでない場合は以下のような製品を購入する必要があります。
場所を取らず、非常にコンパクトなUSB充電器です。
カラーLEDビデオライトPIXEL G1sのカメラ装着例
PIXEL G1sはカメラのホットシューや三脚に装着してライトを点灯させることができます。LEDライトの底面は、回転してライト本体を立て掛けることができたり、1/4インチのメスネジやホットシューに対応した機器が装着できるようになっています。
LEDビデオライトの底面は角度を自由に変えられる ©
1/4インチのメスネジやコールドシューマウントを備えている ©
ミニ三脚に装着した例 ©
例えば、私の場合は以下のような軽量なミニ三脚に取り付けて使ってみました。
2.5kg以下のカメラ等を装着できる、軽量でしっかりした作りのミニ三脚です。脚の長さが5段階、開脚角度を2段階に変更可能。カメラ用の1/4ネジ穴付きが付いています。また、脚とボール雲台が切り離せますので、様々な活用ができるのも嬉しいポイントです。
LEDライトの向きを自由に調整できる
続いて、SONYのカメラにLEDビデオライトを装着してみました。
SONYのミラーレスにLEDライトを装着した例。付属のホットシューネジと自由雲台を使用。 ©
また、付属される自由雲台によってライトの発光面を自由に角度調整できます。LEDライトを直接装着した時に比べると、レンズで影になってしまう問題を回避できます。
付属の自由雲台によってライトの角度を変えられる ©
LEDライトと同時にマイクも装着可能
また、ライトの底面に備えたホットシューマウントによって、新たに別の機器を装着することも可能です。以下では、カメラにLEDを装着しながらマイクも装着してみました。
マイクや他の機器も装着可能 ©
マイクの他に外部液晶モニター等も装着できます。以上のように、LEDライトのPIXEL G1sではカメラを持ち運びながら、他の機材を同時に組み合わせた撮影にも相性が良いことが分かりました。カメラの手持ち撮影でライトだけでなく他の機材を使用したい時にオススメです。
カラーLEDビデオライトPIXEL G1sの使い方と操作方法
PIXEL G1sでは、3つの発光機能があります。
色温度の調整モード
暖色から寒色へ色を調光できる機能です。CCTモードと呼ばれています。
カラー調整モード
色相・彩度・明るさを自由に調光できる機能です。HSIモードと呼ばれています。
自動発光モード
登録されている発光パターンの中から選び、自動でLEDライトを発光させる機能です。Sceneモードと呼ばれています。
これらの使い方について詳しく解説していきますが、まずは電源の操作方法と各ボタンについて説明していきます。
発光モード切り替えと電源オン・オフ
LEDライトの3つのモードは、LEDライト本体の側面に搭載されているボタンとダイヤルで切り替えることになります。
LEDビデオライトの側面に備わるボタンとダイヤル ©
側面のボタンダイヤルはそれぞれ次の機能があります。
上部ダイヤル・ボタン(DIMダイヤル)
LEDライトの発光量を0%
から100%
まで調光できます。
中央ボタン(SETボタン)
LEDライトのモードの切り替えができます。ボタンを押すたびに3つのモードを切り替えることができます。
下部ダイヤル・ボタン(FNダイヤル)
色温度調整モードでは色温度、カラー調整モードでは色相や彩度、自動発光モードでは発光プリセットの選択・切り替えができます。
また、LEDライト本体上部には電源スイッチがあります。スイッチを横にスライドすると、照明のON・OFFを切り替えることができます。
LEDビデオライトの上面に備わる電源スイッチ ©
それでは各モードについて順番に見ていきましょう。
色温度の調整モード(CCTモード)
色温度を2500K
の暖色から8500K
の寒色まで100K
ごとに調整して好きな色に調整できる発光モードです。また、LEDライトの明るさを0%
から100%
の間で好きなように調整できます。
光量を調整する(上部ダイヤルを回す・押す)
まず、LEDライトの発光量を調整するには、LED本体の上部ダイヤル(DIMダイヤル)を回します。ダイヤルを回すと1%
刻みで光の強さを調整できます。
LEDビデオライトの上部ダイヤルで光量を調整 ©
また、ダイヤルの中心に備わったボタンを押すと20%
刻みで光の強さを調整できます。例えば光量100%
の時に、中央のボタンを押すと80%
の明るさに変化します。繰り返し押すたびに100%
→80%
→60%
→40%
→20%
→0%
→100%
の順で遷移します。
LEDビデオライトの上部ダイヤルを押すと20%ごとに光量調整 ©
色温度を調整する(下部のダイヤルを回す)
LEDライトの色温度を調整するには、LED本体の下部ダイヤル(FNダイヤル)を回します。ダイヤルを回すと100K
刻みで光の色温度を調光できます。
下部ダイヤルを回すと100K(ケルビン)ごとに色温度の調整ができる ©
色温度は2500K(ケルビン)
で暖色の黄色味がかったライトに変化し、8500K(ケルビン)
で寒色の青味がかった色合いに変化します。
CCTモードで小物に照明を当ててみた
カラーLEDビデオライトのPIXEL G1sで実際に小物へ光を当てて撮影してみました。LEDライトはメルカリやヤフーオークション、商品撮影などにも手軽で便利です。
小物にLEDビデオライトを当ててみた ©
LEDライトは光の当たっている面が感覚的で分かりやすいので、撮影を行いやすく便利でした。
LEDビデオライトを左上から当てて撮影した例 ©
LEDビデオライトを上部から当てて撮影した例 ©
LEDライトは軽量でコンパクトなので、手に持ちながら光の角度を調整して撮影できるのは、カメラ用ストロボには無い手軽さで良い所だと感じました。
カラーの調整モード(HSIモード)
LEDビデオライトの色合いを自由に変更できる機能、いわゆるHSIモードです。HSIはHue
(色相)・Saturation
(彩度)・Intensity
(明るさ)の頭文字を意味していますが、この3項目を調整して、好きなカラーを選ぶことができます。
HSIモードを使用するには、LEDライト本体側面の中央にあるSETボタンを押します。
中央のSETボタンを押すとモードが切り替わる ©
それではカラー調整してみましょう。
色相・彩度を調整する(下部ダイヤルを回す・押す)
カラーLEDビデオライトのPIXEL G1sでカラーを調整するには、LEDライト本体側面に備わった下部ダイヤルを操作します。下部ダイヤルを操作した時の動作内容は次の通りです。
下部ダイヤルボタンを押すとH(色相)またはS(彩度)の調整が切り替わる ©
HSIモードで小物に照明を当ててみた
カラーLEDビデオライトのPIXEL G1sで実際に小物へ光を当てて撮影してみました。様々なカラーで小物を演出するのに便利です。
HSIモードで小物に光を当ててみた(赤色) ©
HSIモードで小物に光を当ててみた(青緑色) ©
自動発光モード (Sceneモード)
カラーLEDビデオライトのPIXEL G1sでは予め登録されている発光プログラムを選択して、自動発光させるモードがあります。
自動発光モード ©
カラーLEDビデオライトPIXEL G1sの演色性と正確さについて
カラーLEDビデオライトPIXEL G1sは商品説明にもありますが、LEDを照らした際の色の表現力を示す演色性はCRI97+
を謳っています。また、LEDの明るさを示す照度は1500LUX(0.5M)
です。
カラーLEDビデオライトPIXEL G1sの仕様 ©
それでは、色温度を変更した際に、ディスプレイに表示された色温度値と比較して、どれくらい正確な値を示すのか測ってみたいと思います。
カラーLEDビデオライトPIXEL G1sの演色性や色温度をSEKONIC C-800で計測してみた ©
各色温度における正確さと色温度・演色性について
計測にはSEKONIC Spectromaster C-800を使用して、光源から直交する30cmの距離で計測してみます。過去のLEDライト製品も30cm間で計測しているため、この距離としました。
計測した部屋の環境により、反射光や色被りの誤差もありますので、あくまで参考程度の結果としてご覧ください。
PIXEL G1sの発光モードは色温度調整モード(CCTモード)です。また、掲載する写真については、カメラの設定でWB(ホワイトバランス)を5600K
に固定して撮影しています。
まず初めに、測定した結果をまとめたいと思いますが、次のような結果になりました。
設定色温度(K) | 計測結果の色温度(K) | 照度(LUX)@0.3m | 平均演色評価数(Ra) |
8500K | 8685K (+185K) | 3220lx | 98.6 |
6000K | 6250K (+250K) | 3300lx | 93.5 |
5500K | 5884K (+384K) | 3220lx | 92.7 |
5000K | 5400K (+400K) | 3040lx | 92.0 |
4000K | 4463K (+463K) | 2770lx | 91.6 |
2500K | 2510K (+10K) | 2470lx | 97.2 |
カラーLEDビデオライトPIXEL G1sでは、設定した色温度よりも高い値(寒色)へ傾いてしまう傾向のようです。色温度のズレ幅が最も大きいところで、本体に表示されている値と+463K異なる結果になりました。
肉眼で見た感じでは殆ど差が分からないレベルだと思いますが、
- ホワイトバランスをマニュアル設定したカメラ撮影
- 複数の異るメーカーの照明機材を併用した撮影
では、青白い照明の色に感じる事があるもしれませんね。演色性については、恐らく常用しそうな5000K
から6000K
の間でRa92
という結果になりました。残念ながら商品の説明どおりCRI97+
には到達しませんでした。演色性は8500K
や2500K
などの極端な色あいで最高値に達する結果となっています。
ただし、そこそこ高い値となっていますので、手軽に商品撮影する用途としては十分な性能だと思います。色偏差(グリーン・マゼンタの偏り)はわずかにマゼンダ寄りとなっていますが、ズレは非常に少ないです。
それでは前述した具体的な結果を写真で見ていきましょう。
8500K(ケルビン)100%の明るさの色温度と演色性
カラーLEDビデオライトPIXEL G1sの8500K使用時 ©
8500K@100%時の色温度(CCT)と照度(LUX)の計測結果 ©
8500K@100%時の平均演色評価数(Ra)の計測結果 ©
6000K(ケルビン)100%の明るさの色温度と演色性
カラーLEDビデオライトPIXEL G1sの6000K使用時 ©
6000K@100%時の色温度(CCT)と照度(LUX)の計測結果 ©
6000K@100%時の平均演色評価数(Ra)の計測結果 ©
6000K@100%時のTM-30の計測結果 ©
5500K(ケルビン)100%の明るさの色温度と演色性
カラーLEDビデオライトPIXEL G1sの5500K使用時 ©
5500K@100%時の色温度(CCT)と照度(LUX)の計測結果 ©
5500K@100%時の平均演色評価数(Ra)の計測結果 ©
5500K@100%時のTM-30の計測結果 ©
5000K(ケルビン)100%の明るさの色温度と演色性
カラーLEDビデオライトPIXEL G1sの5000K使用時 ©
5000K@100%時の色温度(CCT)と照度(LUX)の計測結果 ©
5000K@100%時の平均演色評価数(Ra)の計測結果 ©
5000K@100%時のTM-30の計測結果 ©
4000K(ケルビン)100%の明るさの色温度と演色性
カラーLEDビデオライトPIXEL G1sの4000K使用時 ©
4000K@100%時の色温度(CCT)と照度(LUX)の計測結果 ©
4000K@100%時の平均演色評価数(Ra)の計測結果 ©
4000K@100%時のTM-30の計測結果 ©
2500K(ケルビン)100%の明るさの色温度と演色性
カラーLEDビデオライトPIXEL G1sの2500K使用時 ©
2500K@100%時の色温度(CCT)と照度(LUX)の計測結果 ©
2500K@100%時の平均演色評価数(Ra)の計測結果 ©
2500K@100%時のTM-30の計測結果 ©
明るさに対する色温度の正確性について
先ほどと同様にして、今度はPIXEL G1sの明るさを変えながら色温度や演色性が変化するか調べてみました。今回もPIXEL G1sの発光モードは色温度調整モード(CCTモード)の5000K
を設定して計測しています。
設定した明るさ(%) | 計測結果の色温度(K) | 平均演色評価数(Ra) |
100% | 5400K (+400K) | 92.0 |
80% | 5375K (+375K) | 92.1 |
60% | 5298K (+298K) | 92.0 |
40% | 5260K (+260K) | 92.1 |
20% | 5342K (+342K) | 92.2 |
10% | 5494K (+494K) | 92.5 |
5% | 5717K (+717K) | 92.9 |
他のLEDライトでも同様なのですが明るさを変えると設定した色温度とのズレが増減します。5000K
使用時の計測では、中程度の明るさ40%
から60%
の間でズレが少なく、極端に明るさを落とすとズレが大きくなりました。
こちらもやはり、設定した色温度に比べて高い値(寒色)へ偏ってしまう傾向です。
5000K(ケルビン)80%の明るさの色温度と演色性
カラーLEDビデオライトPIXEL G1sの5000K@80%の使用時 ©
5000K@80%時の色温度(CCT)と照度(LUX)の計測結果 ©
5000K(ケルビン)60%の明るさの色温度と演色性
5000K@60%時の色温度(CCT)と照度(LUX)の計測結果 ©
5000K(ケルビン)40%の明るさの色温度と演色性
5000K@40%時の色温度(CCT)と照度(LUX)の計測結果 ©
5000K(ケルビン)20%の明るさの色温度と演色性
5000K@20%時の色温度(CCT)と照度(LUX)の計測結果 ©
5000K(ケルビン)10%の明るさの色温度と演色性
カラーLEDビデオライトPIXEL G1sの5000K@10%の使用時 ©
5000K@10%時の色温度(CCT)と照度(LUX)の計測結果 ©
5000K(ケルビン)5%の明るさの色温度と演色性
カラーLEDビデオライトPIXEL G1sの5000K@5%の使用時 ©
5000K@5%時の色温度(CCT)と照度(LUX)の計測結果 ©
RGBのLEDライトPIXEL G1sの仕様について
続いて、PIXEL G1sの仕様は次の通りです。
仕様 | 内容 |
寸法(大きさ) | 133x83x16mm |
重量 | 450g |
色温度 | 2500Kから8500K |
カラー(RGB)表現数 | 0°から360°(360色) HSIによる指定 |
照度 | 1500 LUX @0.5m |
出力 | 12w |
バッテリー容量 | 内蔵リチウムイオン 7.4V 3200mAh |
充電の規格 | DC 5V,9V,12V (QC3.0急速充電サポート) |
連続使用時間 | 150分 |
演色性(CRI) | 97+ (TLCI96) |
インターフェース | USB Type-C端子、1/4ネジ3点、ホットシューマウント |
付属品 | キャリングポーチ、ホットシュー1/4ネジ、自由雲台、USB Type-Cケーブル(0.5m) |
同様にして、Amazonで取扱のある
- BoLing BL-P1
- AMBITFUL K10
とほぼ同型・同じスペックのようです。