電動スライダーのZEAPON Micro2を購入してみましたので、ブログで感想や使い方をまとめます。ZEAPON Micro2は、一定速度でカメラをスライドさせ、上下左右に移動しながら撮影するのに役立つ動画撮影用の機材になります。
手動または、電動モーターによってスライダー動画が撮影できる機材です。本体の長さよりも長い稼働域を持ち、本体がコンパクトに作られています。レールがカメラと一緒に移動するため、写真に写り込みません。Youtube、Twitterなど動画の作成に最適です。用途に合わせて手動・電動タイプが別々に用意されています。手動タイプ:ZEAPON Micro2 Plus・M600・M800/電動タイプ:E600・E800
電動スライダーを使うと、本格的な商品動画の撮影や、オシャレな映像を撮影したい時に役立ちます。
ZEAPON Micro2 ©
実際にZEAPON Micro2 E600を使った撮影例をYoutube動画でもご紹介していますので、以下もご覧ください!
私が購入したのは、ZEAPON Micro2 E600という電動タイプになります。他にもZEAPON Micro2 PlusやE800、M600、M800といった製品ラインナップが用意されているのですが、E600を選んだ理由については後半で詳しくレビューしていきます。
ZEAPON Micro2 E600の寸法サイズは、横幅が最小で52cm
。スライダーの可動域は60cm
。搭載できるカメラ等の重量は8kg
以内まで。本体重量は2.9kg
。ケースやアクセサリーを含めると3.5kg
になります。最低高は10cmなので、かなり低い位置からカメラ雲台を装着することができます。
ZEAPON Micro2スライダー中央部分 ©
私はこれまで、非常にコンパクトな手動スライダーと持ち運びに便利なトラベル型のスライダーを使ってきましたが、重たいカメラ機材を載せても、振動に強くて安定性の高い撮影ができる電動スライダーを探していました!
そこで今回、ZEAPON Micro2に狙いを定めたのは、次の内容でメリットを感じたからなんです 🤔
同程度のスライダーでは、80cmから100cmほどの大きさでサイズが固定である製品が殆どなのですが、購入したZEAPON Micro2 E600は52cmとコンパクトに収まっていながらも、約60cmまで伸縮できるので、コンパクトさと可動域の広さを両立しています。更に、その製品の良いところは、底に付属のポールを接続して、三脚へ固定できるアクセサリーが用意されています。振動や左右の端に重たい機材を載せても安定感を高められる点が素晴らしいです。
ZEAPON Micro2 E600と付属されるサポートアーム(ポール)を連結した様子。三脚に固定して更に安定感を高められる。 ©
今回は、製品内容や使い方をまとめていきます。また、スライダーについては様々な製品がありますが、その他の製品については電動スライダーやドリーでおすすめの製品が参考になります。それではZEAPON Micro2について見ていきたいと思います。
目次:ZEAPON Micro2 E600・E800の使い方とレビュー
ZEAPON Micro2の各シリーズと機能の違いについて
ZEAPON Micro2には、主に手動スライダーと電動スライダーの2種類に別れます。ちなみにZEAPONは中国メーカーのようで、至品创造と読むそうです。
手動スライダー・タイプ
ZEAPON Micro2 (可動域52cm)
ZEAPON Micro2 Plus (可動域52cm)
ZEAPON M600 (可動域60cm)
ZEAPON M800 (可動域80cm)
電動スライダー・タイプ
ZEAPON Motorized Micro2 kit (可動域52cm)
ZEAPON Micro2 Plus Motorized (可動域52cm)
ZEAPON E600 (可動域60cm)
ZEAPON E800 (可動域80cm)
ZEAPON Micro2の搭載できるカメラ最大重量(耐荷重)は、Mirco2が4.5kg
、それ以外のモデルが8kg
まで対応しています。
各モデルについての注意点としては、電動タイプであるE600とE800では、手動スライダー操作ができません。電動モーターによる操作しかできませんので、手動操作したい方は他のタイプが必要です。
中でも、ZEAPON Micro2 Plusが最新モデルとなっており、電動モーターの脱着と交換が短時間で可能になるように改良されています。手動と電動の切り替えを頻繁に行いたい方は、ZEAPON Micro2 Plus Motorizedがオススメだと思います。
私の場合は電動のみで良かったので、E600にしました。また後述するように、土台のアクセサリーが非常に高機能なので、振動に強いスライダー動画撮影を重視したい方は、E600・E800・M600・M800を選択すると良いと思います。
ZEAPON Micro2 E600・E800の内容物をチェック
ZEAPON Micro2を購入すると次のような製品が含まれています。
ZEAPON Micro2の内容 ©
使用後の収納まで手間なくコンパクトに収納できる
冒頭でも軽く触れましたが、スライダー製品としては一見変わったデザインなのですが、実機に触ってみると、色んな点で工夫が凝らされている事に気づきます。
ZEAPON Micro2を購入して気に入った点の1つが、収納ケースがコンパクトかつ機能的だったことです。スライダー本体と付属サポートアーム(ポール)を無駄なくぴったり収納できるので、持ち運びもスペースを取らず荷物になりません。
ZEAPON Micro2をそのまま収納できる ©
他のスライダー製品と比べると、もともと分解から組み立てまでの手間が少なく、大事なパーツであるベルト部分(=レールバンドベルト)も、本体の構造上、レールの間に位置するため、安心して収納できそうです。
また、三脚を支える付属サポートアーム(ポール)についても、キャリングバッグの側面に専用収納ポケットが用意されているので、一緒に持ち運びができます。
付属ポールも一緒に持ち運べる ©
全体として、本体を衝撃から守ってくれる、しっかりとした造りになっています。
コンパクトに持ち運べる ©
ZEAPON Micro2電動スライダーの良いところ
収納面で、このZEAPON Micro2の良いところを軽くご紹介しました。ここでは更に細かい部分を見ていきましょう。次のように、一般的な電動スライダーに求められる「こうであったら最高!」という理想像をかなり網羅している印象です 😲
安定性を強化できる付属サポートアーム(三脚の安定性を強化)
ZEAPON Micro2の製品ラインナップの中でも、横幅と可動域が大きめの製品にあたるE600・E800・M600・M800の4種類を購入すると、本体の裏側に、土台と足(サポートレッグ)が付属されます。土台の裏側には、次のようなポールを差し込む穴が用意されています。
この穴は、ポールコネクタ(ボールソケット)と呼ばれています。
ZEAPON Micro2の裏側。中央にあるのがポールコネクタ ©
ポールコネクタ(ボールソケット)は、付属されるポールの先端と接続することができます。押し込んでいくとハマり、ねじ込んで不意に外れてしまうのを防ぐこともできます。
ZEAPON Micro2の裏側にポールを装着する穴がある ©
穴へポール先端部をはめ込んで、脱落防止のネジ締めができる ©
そして、三脚にはポールと接続している蟹ばさみクランプによって、固定させることができます。
気になるのが、この蟹バサミクランプの内側です。接触する面が金属質であるため、三脚に傷が入ってしまうかもしれません。クランプは金属製でしっかりした作りなのですが、少々安っぽい感じもします。気になる方は、ネットで売っている別の蟹バサミクランプと互換性があるので、別製品に置き換えることもできます。
蟹バサミクランプは2点の1/4インチネジ穴を備えているので、よくある一般的な形状です。
はさめる範囲:15-44mm。スーパークランプ本体の重量は130gと非常にコンパクト。カメラリグの脱落や破損を防ぎます。スーパークランプにはネジ穴があいており、1/4インチネジと3/8インチネジがネジ込めます。
同じように、三脚の足と足を支えるポールの一部も、一脚などで置き換えることができます。長さが合わない場合は別の物に置き換えることもできます。
三脚に装着できる ©
冒頭でもご紹介したように、付属ポールをコの字に固定します。ZEAPON Micro2のポールコネクタ連結部や、三脚固定箇所の内角が90°
になるように固定すると、強度&安定性が増すそうです。
実際に使ってみて驚いたのが、ZEAPON Micro2はポールによる固定をしなくても、けっこう頑丈で剛性が高いです。
かなり頑丈に造られており、歪む感じすらしない印象 ©
ひときわ目立つレール部分。埃を除去するスポンジなど、細かい部分まで作り込みが工夫されている ©
しっかりした三脚であれば、ポールによる補強をしなくてもある程度の機材を載せられそうです。特に、細い三脚やトラベラー三脚などの軽量な製品しか持っていない方には、このポールが有効な働きをしてくれると感じました。出張先や移動先の撮影でも、軽量な機材で電動スライダーによる動画撮影がしやすくなっているのは素晴らしいですね!
底部はアルカスイス互換と三脚用ネジ穴が3つ
こちらもZEAPON Micro2 E600やE800、M600、M800を選ぶと備わっている機能です。スライダー本体の底部には、マンフロットのクイックリリースプレートと互換性を持つ形状となっています。
三脚ネジとアルカスイス互換プレート形状 ©
既に互換性のある雲台やクランプがあれば、三脚へ固定できます。持っていない場合は、3つのカメラネジによって、三脚プレートでしっかり固定できます。
2点以上のネジ穴固定によって、回転させてもズレたり滑ったりする心配がありません。これも非常によく考えられてる長所です。
別売りの三脚プレートでも2点以上のネジ締めが可能 ©
ドリーショットができる車輪付きの足
ZEAPON Micro2やPlusには、「EasyLock2」と呼ばれるスライダーの固定土台が用意されています。これは、スライダー本体を机や地面に置いても、しっかりと固定できるアクセサリーです。
ペイロードは15kgまで。ボールヘッド:耐荷重8kg。
ZEAPON Micro2 E600やE800、M600、M800では、更にこの部分が強化されており、全く別の機能性に仕上がっています。
先端が車輪になっています ©
上の画像のように、先端が車輪になっています。
回転して固定用の足にチェンジすることも可能 ©
また、回転させると、スライダーの固定に役立つ脚に変更することも出来ます。いかがでしょうか、ここまで出来るスライダーって、他には無いと思います 😅
床に置いて、直線方向にドリーさせたり… ©
足の部分が開きますので、直線だけでなく弧を描く軌道を走らせることもできます。
弧を描くことも容易です! ©
足のパーツだけでなく、全体的に同じことが言えますが、ZEAPON Micro2の各部は頑丈な作りになっているので、ガタツキは見られません。
細部まで頑丈な金属製で作られている ©
各連結部分は、付属の六角レンチでバラしたり締め付ける事もできます。
スライダー両端を支える車輪が、たわみを軽減
スライダーの底を支える土台部分は、両端に車輪が備わっています。こちらは、荷重支持ホイール(車輪)とマニュアルレンチ(固定箇所)と呼ばれている部分です。
スライダー両端の土台上部には車輪が搭載 ©
こちらもよく考えられており、驚いてしまうんですが、車輪の部分が垂直方向に高さを調整できるようになっており、スライダーのメインレールに接する高さまで調整できます。位置決めした後はネジでしっかり固定できるようになっています。
車輪は高さ調整ができる ©
動滑車のような原理を用いて、両端の長さが変動する形状のスライダー製品では、長さが一定のスライダーに比べると、両端の固定方法がなく、安定性に欠けるなどのデメリットがありましたが、ZEAPON Micro2では、この欠点を見事に対処しています。
車輪は高さ調整ができる ©
内部のスプリングによって、上へ突っ張るような機構になっています。スライダーの先端を支えられる高さに決めてから固定できるので、重たい機材を搭載しても頑丈なスライダー撮影ができます!
最後にネジ締めで固定 ©
もちろん、この土台からスライダー両端を支える車輪は、反対側(バッテリー・コントロール側)にも搭載されています!
同じように、反対側にもこの車輪が備わっている ©
ZEAPON Micro2を使用する前に必要なもの
続いて、ZEAPON Micro2を使う前に揃えておきたいものをチェックしていきましょう。
カメラ雲台(自由雲台・ビデオ雲台など)
スライダーで撮影する前に、カメラアングルを決めることになりますが、ZEAPON Micro2には、カメラネジしか備わっていません。そこで搭載するカメラに応じて、お好みのカメラ雲台を用意する必要があります。
使用にはカメラ雲台が必要 ©
マンフロットの自由雲台を使用 ©
私の場合はこちらの比較的軽くて頑丈な自由ボール雲台を使っています。
最新のトリプルロッキングシステムでブレを最小限に抑えるロックを実現。自重わずか0.5kgで最大耐荷重10kgを実現。マグネシウム合金のボディと空洞の球体により自重の軽量化と堅牢性を確保。200PLプレート装備多くのマンフロットフォト雲台を採用。雲台高11.5cm、自重0.5kg、最大耐荷重10kg、付属プレート200PL
カメラ三脚(写真用またはビデオ三脚)
スライダーを好きな高さへ配置したい時や、斜めのスライダー移動をさせたい場合はカメラ用の三脚が必要になります。
前半でも触れましたが、付属されるポールのお陰で、比較的軽量な三脚でもZEAPON Micro2を活用することができます。
私の場合は写真撮影用のカメラ三脚にビデオ雲台を装着(解説記事へ)して、このZEAPON Micro2を装着しています。
ビデオ雲台の導入例 ©
ZEAPON Micro2に対応してるバッテリー
ZEAPON Micro2の製品ラインナップの中でも、E600とE800、ZEAPON Micro2 Plus Micro2 kitは電動スライダーです。
電動スライダーを使うためには、別売りのバッテリーが必要で、対応しているのはSONY Lシリーズバッテリー(解説記事へ)になります。
バッテリー装着口 ©
バッテリーを装着すると電動スライダーを動かせる ©
ZEAPON Micro2電動スライダーの操作方法
ZEAPON Micro2電動スライダーでは、電動モーターに備わっている3つのボタンを使うことになります。
- 電源ボタン
- 前進ボタン(左ボタン)
- 後退ボタン(右ボタン)
側面に配置された電源ボタン。3つの青いインジケータは速度を示す(速度は3段階) ©
上部に配置された前進・後退ボタン ©
ボタン数が少ないため、様々な機能が割り当てられていますが、機能を3つに分けると、次の動作が用意されています。
- 電源操作・速度変更
- 通常のスライダー動作
- ウェイポイントの設定と指定間の移動
それでは順番に見ていきましょう。
使用する前にロックを外そう
ZEAPON Micro2は購入直後は、勝手にスライダーが動かないようにロック機構で固定されています。
スライダーの中央にロックボタンがあるので、押してロック解除する ©
ロックを解除するとスライダーが動かせるようになります。
スライダーが動く ©
電源オンとオフ・速度の調整
まず、電源ボタンの操作についてです。ボタンでは、ZEAPON Micro2の電源操作とスライダーの移動速度を変更することができます。
ボタン | 操作内容 | 機能 |
電源ボタン | 長押し | 電源ON または 電源OFF |
電源ボタン | 1回短く押す | 速度の変更(押すたびに「低速」→「中速」→「高速」と変化) |
スライダーの速度はZEAPON Microの電動モーター側面にある、LEDランプの数で知ることができます。
電源インジケーターと速度インジケーター ©
また、電源インジケーターではバッテリー残量も知ることができます。インジケーターの色が、緑→黄→赤色の3段階でバッテリー残量を示しています。赤色になったらバッテリー交換の目安という事になります。
電源インジケーターと反対の側面にバッテリー(別売品)挿入口がある ©
電動スライダーの通常操作
続いて、スライダーの基本操作となる移動動作についてです。スライダーの移動は、モーター側の上部に備わっている左右のボタン(前進ボタン・後退ボタン)でコントロールが出来ます。
ボタン | 操作内容 | スライド動作の機能 |
前進ボタン または 後退ボタン | 長押し | 長押してる間だけスライド移動 |
前進ボタン または 後退ボタン | 素早く2回押す | 端まで自動でスライド移動。または停止 |
ウェイポイント設定と指定地点の移動
そして最後に、ウェイポイント指定後の動作についてです。ウェイポイントとは、ZEAPON Micro2でスライドできる範囲内の中でも、任意の始点と終点の2点間(=A点・B点と呼ばれる)を決めて、その間を1度スライドさせたり、繰り返し自動往復させる機能です。
正確に決めた位置を移動させることができるので、繰り返し撮影したい時に役立つ機能です。
ボタン | 操作内容 | ウェイポイントの機能 |
電源ボタン | 素早く2回押す | A点の指定(ビープ音が1回鳴る) |
電源ボタン | 素早く2回押す | B点の指定(ビープ音が2回鳴る) |
電源ボタン | 素早く2回押す | A-B点間を1回スライド移動させる |
前進・後退・電源ボタン | 前進または後退ボタンを押しながら、電源ボタンを1回押す | A-B点間を自動で往復スライド移動させる(循環機能) |
前進・後退ボタン | 前進と後退ボタンを同時に1回押す | A・B点をリセット(通常動作へ戻る) |
少し分かりにくいですが、ウェイポイントを決めて、スライドさせるまでの操作内容は、全て電源ボタンを素早く2回押す操作になります。ただ、各機能は本体から鳴るビープ音で見分けが付くようになっています。
A点の指定
本体からビープ音が1回鳴り、A点(始点)を決めたことが分かります。
B点の指定
本体からビープ音が2回鳴り、B点(終点)を決めたことが分かります。
ただし、次の説明のように、ウェイポイント動作と通常操作は別々になっているので注意が必要です。通常操作に戻るにはウェイポイントのリセットが必要です。
ウェイポイント設定後には通常操作は出来ない
ウェイポイントを一度設定すると、前述の「電動スライダーの通常操作」が出来なくなります。前進ボタン後退ボタンを押しても動かなくなるんです。通常操作に戻りたい時は、前進ボタンと後退ボタンを同時に押して、ウェイポイントをリセットしましょう!
リセットすると、通常操作に戻ります。
つまり、このウェイポイント指定後のボタン操作内容と、前述の通常操作は排他的で、同時に使うことができない機能になります。その事だけはしっかり覚えておきましょう。これを知らないと、ボタン操作内容について混乱すると思います。