タムロンの大口径レンズ「TAMRON 28-200mm F/2.8 Di III RXD (Model A071)」の使用感想について、写真や動画を交えながらレビューしていきます。こちらのレンズは広角端28mmから望遠端の200mmまでズームできるレンズです。
Sony α7RIIIとTAMRON 28-200mm F2.8-5.6の装着例 ©
ソニーEマウント対応の高倍率ズームレンズです。軽量で価格が安く、このレンズ1本で近い範囲から遠い範囲まで撮影することができます。詳しくは解説レビューをご覧ください。
SONY α7IIIやα7RIVなどのSONY Eマウントフルサイズカメラに対応しており軽量でコンパクトでレンズ重量は575g
となっています。旅行やお出かけ時の写真撮影では、レンズ1本であらゆるシーンをカバーすることができますので、沢山のレンズを持ち歩きたくない方にとっては、心強いレンズとなります。
下記のYoutube動画内でも特徴や撮影例をご紹介していますので、併せてご覧ください。
レンズの外観 ©
ワイド端28mmでは非常にコンパクト ©
テレ端では200mmまでズームが可能 ©
当記事では、レンズの外観や撮影例を順番にご紹介していきますが、まず28-200mm F2.8-5.6で撮影した撮影例の一部をご覧ください。
カメラ:SONY α7III|画角:200mm F5.6|シャッタースピード:1/1250秒|ISO 250 ©
カメラ:SONY α7III|画角:99mm F11|シャッタースピード:15秒|ISO 100 ©
カメラ:SONY α7III|画角:200mm F5.6|シャッタースピード:1/200秒|ISO 200 ©
カメラ:SONY α7III|画角:161mm F5.6|シャッタースピード:1/200秒|ISO 200 ©
近接撮影にも優れており、最大撮影倍率は28mmワイド端側で1:3.1(0.32倍)
を実現しています。近づいて料理や小さい物を撮りたい場面にも活用できるレンズです。
カメラ:SONY α7III|画角:28mm F4.0|シャッタースピード:1/6秒|ISO 100 ©
28-200mm F2.8-5.6のレンズ前面は、フィルター口径φ67mm
に対応しています。
フィルターは67mmに対応。他のタムロン製レンズとも共用できるのが嬉しいポイント ©
今回は、タムロンさんからプロモーション目的としてレンズをお借りしました。公式HPでは、製品仕様(MTF曲線等)や、作例も紹介されていますので、下記も併せてご覧ください。
TAMRON(タムロン) 製品情報
タムロン 28-200mm F/2.8 Di III RXD (Model A071) 製品情報
それでは詳しい使用感を見ていきましょう!
目次:TAMRON 28-200mm F2.8-5.6のレビュー
TAMRON 28-200mm F2.8-5.6の写真作例
TAMRON 28-200mm F2.8-5.6をSONY α7IIIに装着して風景やスナップ写真を楽しんで来ましたので、幾つか写真撮影例をご覧ください。
SONY α7IIIとTAMRON 28-200mm F2.8-5.6で風景やスナップを楽しんできました! ©
SONYフルサイズカメラに対応した軽量&便利ズームレンズ
TAMRON 28-200mm F/2.8 Di III RXDの最も魅力的なメリットは、何と言ってもレンズ重量が軽く、高倍率ズームであることです!重量575g
、そして全長が117mm
とコンパクトなのですが、望遠側は200mmまで使えるので、風景やスナップ撮影や旅行などシーンを選ばず撮影を楽しむことが出来ます。
まずは、同じ立ち位置で各画角の写りを確認してみました。広角側の28mmから望遠側の200mmまで、徐々にズームしてみたいと思います。
カメラ:SONY α7III|画角:28mm F11.0|シャッタースピード:10秒|ISO 100 ©
カメラ:SONY α7III|画角:35mm F11.0|シャッタースピード:10秒|ISO 100 ©
カメラ:SONY α7III|画角:50mm F11.0|シャッタースピード:10秒|ISO 100 ©
カメラ:SONY α7III|画角:70mm F11.0|シャッタースピード:10秒|ISO 100 ©
カメラ:SONY α7III|画角:100mm F11.0|シャッタースピード:10秒|ISO 100 ©
カメラ:SONY α7III|画角:135mm F11.0|シャッタースピード:10秒|ISO 100 ©
カメラ:SONY α7III|画角:200mm F11.0|シャッタースピード:10秒|ISO 100 ©
各画角を見ていくと、28mmでは風景写真で活用できそうな広い範囲を撮影可能です。そして望遠側の200mmまでズームしていくと、海上の船を大きく撮影できました!目で見ても、かなり遠くにある対象物を200mm側で十分引き寄せることができます。
小物や料理撮影に便利な接写性能
また、TAMRON 28-200mm F2.8-5.6では、近接性能も優れています。中でも画角28mmにした時に最も接写でき、最短撮影距離はレンズの広角側で0.19m
(0.32倍)まで近寄ることができます。そして望遠側の200mmでは、最短0.8m
(0.26倍)まで近寄って撮影することができます。
カメラ:SONY α7III|画角:28mm F4.0|シャッタースピード:1/6秒|ISO 100 ©
どの画角でも、被写体と程よい距離を保ちながら接写することができますので、使い勝手が良い印象でした。
実際に近寄って撮影してみると、マクロレンズとまでは行きませんが、小さい物を撮影するのに十分な能力を持っています。屋内では、後ろへ引き下がれない場所などもよくありますので、ふと思った瞬間に接写して撮影が楽しめるのは、28-200mmのメリットです。
お出かけの際に料理や小物を撮影する機会がありましたら、ぐっと近寄って撮影を楽しんでみては如何でしょうか ☺️
動物の撮影に便利なレンズ。見つけたらすぐ撮影!
レンズ交換を必要とせずシャッターチャンスを逃さないで済むというのは、28-200mm F2.8-5.6レンズの長所です。
普段は風景写真やポートレート撮影が好きなのですが、通りかかった先で猫を見つけて連写撮影をすることができました。気づいた時にパッと望遠側を使って撮影できる機動性が高さは便利です!オートフォーカスが速いので、小さい昆虫だけでなく動物の速い動きを捉えるのにも最適です。
カメラ:SONY α7III|画角:200mm F5.6|シャッタースピード:1/800秒|ISO 100 ©
カメラ:SONY α7III|画角:200mm F5.6|シャッタースピード:1/800秒|ISO 100 ©
カメラ:SONY α7III|画角:200mm F5.6|シャッタースピード:1/800秒|ISO 100 ©
野鳥を始めとした動物は動きが速く、遠方にいる事が多いので、望遠に特化したレンズへ交換しなくてはいけない場面がありますが、ふとした瞬間でも記録に残せるのは便利でした✨
カメラ:SONY α7III|画角:200mm F5.6|シャッタースピード:1/500秒|ISO 100 ©
カメラ:SONY α7III|画角:200mm F5.6|シャッタースピード:1/640秒|ISO 100 ©
カメラ:SONY α7III|画角:200mm F5.6|シャッタースピード:1/250秒|ISO 1600 ©
広角側でもボケや立体感を楽しめるズームレンズ
私自身は風景写真でF値を絞って撮影する事が多いのですが、背景をふわっとぼかす事も簡単です!
レンズ名の通り、広角端の28mmはF値が2.8から始まって、望遠端の200mmはF5.6です。コンパクトなレンズですが、広角側のF値は比較的明るくなっていて、望遠側はボケ量が大きくなっています。
特に広角側は、被写界深度が深くなり、立体感が出しにくい画角になると思いますが、F2.8で撮影した時の立体感はなかなかのものです。対象物から多少の距離があっても浮き上がる雰囲気を楽しめました。
カメラ:SONY α7III|画角:28mm F2.8|シャッタースピード:1/1600秒|ISO 100 ©
カメラ:SONY α7III|画角:28mm F2.8|シャッタースピード:1/1600秒|ISO 100 ©
参考程度に、ズームした際のF値については、50mmでF3.5、100mmでF4.5、200mmでF5.6となってるようです。ピントを合わせた箇所のキメ細かさと、広角側のF2.8のボケ味、望遠側のボケ量の大きさを楽しめるのは、このレンズならではだと思いました☺️
家族写真も手軽に記録できるオートフォーカス性能
TAMRON 28-200mm F/2.8 Di III RXDでは、AF機構「RXD(Rapid eXtra-silent stepping Drive)」を搭載しており、速いピント合わせが出来るようになっています。
特にお子さんや家族の写真に最適で、飛び跳ねたり、動き回る瞬間もバッチリ残すことができます。運動会では保育園や幼稚園など、お子さんとの距離が離れているシーンでも十分に撮影が楽しめます。
カメラ:SONY α7III|画角:28mm F2.8|シャッタースピード:1/2000秒|ISO 250 ©
カメラ:SONY α7III|画角:89mm F4.5|シャッタースピード:1/320秒|ISO 250 ©
カメラ:SONY α7III|画角:28mm F4.5|シャッタースピード:1/1000秒|ISO 100 ©
カメラ:SONY α7III|画角:28mm F4.5|シャッタースピード:1/800秒|ISO 100 ©
カメラ:SONY α7III|画角:200mm F5.6|シャッタースピード:1/1250秒|ISO 250 ©
カメラ:SONY α7III|画角:200mm F5.6|シャッタースピード:1/1250秒|ISO 250 ©
カメラ:SONY α7III|画角:200mm F5.6|シャッタースピード:1/1250秒|ISO 250 ©
ただし、小学生や中学生以上になると、更に超望遠域が必要となるかもしれませんが、超望遠レンズは重たく大きくなる製品が多い傾向です。日常のシーンや少し広い場所でのイベントを記録するという用途でしたら、持ち運びの負担が少ない28-200mmが最適です。
屋内の暗所や夜景でも軽い装備で撮影が楽しめる
TAMRON 28-200mm F2.8-5.6は絞り開放がF2.8-5.6となっており、ズーム倍率が高いレンズの中では、開放F値を明るく抑えているレンズではないでしょうか。特に室内や夜景を手持ち撮影する時にも、シャッタースピードをある程度稼ぐことができますので、標準から望遠まで活用できそうです。
残念ながら、レンズ内部には手ブレ補正が搭載されていませんが、ソニーのフルサイズカメラは手ブレ補正搭載モデルが殆どを占めています。カメラ側の手ブレ補正と組み合わせると、ブレの少ない写真や、スローシャッター撮影も楽しむことができます☺️日中の撮影に関しても、風景撮影においてはF値を絞っていくケースが多いと思いますが、カメラ側の手ブレ補正によって望遠側まで安定した撮影ができます。
カメラ:SONY α7III|画角:28mm F8.0|シャッタースピード:1/200秒|ISO 100 ©
カメラ:SONY α7III|画角:156mm F8.0|シャッタースピード:1/200秒|ISO 100 ©
また、三脚に固定して風景撮影を行うようなシーンでは、カメラ・レンズの総重量が1.1kg程度と軽量で済みますので、三脚についても軽量なトラベル三脚で十分に撮影が楽しめます。
実際に持ち運びが便利な三脚で夜景撮影を楽しんで見ましたので、作例を御覧ください。
カメラ:SONY α7III|画角:28mm F8.0|シャッタースピード:30秒|ISO 100(三脚・NDフィルターを使用) ©
カメラ:SONY α7III|画角:52mm F11.0|シャッタースピード:15秒|ISO 100(三脚・NDフィルターを使用) ©
カメラ:SONY α7III|画角:81mm F11.0|シャッタースピード:15秒|ISO 100(三脚・NDフィルターを使用) ©
カメラ:SONY α7III|画角:137mm F11.0|シャッタースピード:15秒|ISO 100(三脚・NDフィルターを使用) ©
レンズ1本で広角のパース感や望遠の圧縮効果の効いた写真を楽しむことができます。レンズ交換を行うことなく、観光スポットを様々な表情で切り取ることができました。
カメラ:SONY α7III|画角:200mm F11.0|シャッタースピード:15秒|ISO 100(三脚・NDフィルターを使用) ©
※街灯の光芒が盛大に出ていますが、もしかしたらNDフィルターやフィルターに付着した塩が原因かもしれません。その辺りは予めご容赦ください。
ポートレート撮影で立体的なボケと表情を残せる
続いて、TAMRON 28-200mm F2.8-5.6を使ってポートレート作例も撮ってみました!撮影には蜜林檎さんにご協力いただき、コスモス畑で雰囲気を楽しんできました ☺️
カメラ:SONY α7RIII|画角:200mm 5.6|シャッタースピード:1/100秒|ISO 100 ©
ポートレート撮影では200mm側を多く使ってみましたが、ボケがとても自然で柔らかいのが気に入っています。背景ボケに木々や葉っぱが映り込むシーンでは、ざわついたボケとなってしまうレンズもありますが、違和感なく撮影を楽しむことができました。
カメラ:SONY α7RIII|画角:161mm 5.6|シャッタースピード:1/200秒|ISO 200 ©
カメラ:SONY α7RIII|画角:200mm 5.6|シャッタースピード:1/1000秒|ISO 1250 ©
カメラ:SONY α7RIII|画角:105mm 5.6|シャッタースピード:1/100秒|ISO 100 ©
望遠側だけでなく、標準画角から中望遠画角まで自由にズームできますので、その場で思いついたショットを気軽に写真撮影できるのは素晴らしいですね。
TAMRON 28-200mm F2.8-5.6の動画作例
動画作例はYoutubeで紹介していますのでご覧ください。TAMRON 28-200mm F2.8-5.6を使うと、写真撮影と同じく、広角から望遠まで映像を気軽に残すことができます。
その中でもジンバルを使った動画撮影では、とても便利だと思いました。
実際に触ってみて気づいた良さなのですが、広角の28mmから望遠の200mmまでズームの感触が軽く滑らかです。動画撮影用機材では、フォーカスモーターを使うと、自動でズームリングを送り出したりできます。ハンディカメラの電動ズームを使ったような面白い映像を撮ることができました。
撮影例や機材は次のTwitterをご覧ください。
ズームリングが軽いので、レンズを下向きに持ち歩いていると、自重落下が起きてしまい、勝手にレンズが伸びてしまう事もありますが、レンズ本体にはロックスイッチが備わっています。これによって、伸びてしまう事を防止することができます。
レンズには自重落下を防ぐロックスイッチが備わっている ©
TAMRON 28-200mm F2.8-5.6のレンズ外観と大きさについて
続いて、TAMRON 28-200mm F2.8-5.6の外観を写真で見ていきましょう。元箱からレンズを取り出していくと、保証書や取り扱い説明書が付属していますが、内容物はとてもシンプルな構成になっています。
28-200mm F2.8-5.6レンズ本体 ©
そしてレンズフードについては、花型となっています。
TAMRON 28-200mm F2.8-5.6のズーム時の長さ
TAMRON 28-200mm F2.8-5.6では、ワイド端の28mmでは非常にコンパクトに作られています。特に旅行時やレンズを多く持ち運ぶ際には役立ちそうですよね!更にテレ端の200mmまでズームしていくと、長い全長となります。
それではレンズを徐々にズームしていき、全長がどのように変化するのか見ていきましょう。
レンズのワイド端28mm ©
ワイド端となる200mmまでズームしていくと、レンズ全長が伸びます。
レンズのテレ端200mm ©
28mmから200mmまで徐々にズームを行っていくと、50mmまでは殆ど長さが変化しませんが、望遠側に向かうにつれて徐々に長くなっていきます。
28mm(ワイド端) ©
35mm ©
50mm ©
70mm ©
100mm ©
135mm ©
200mm ©
TAMRON 28-200mmの解像度について
TAMRON 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXDの解像度はどれくらいなのか、自分なりに撮影してみました。カメラはSONY α7RIIIで撮影を行っています。厳密な撮影環境でテストした内容ではありませんので、あくまで参考程度にご覧ください。
カメラ側でカメラ内補正(周辺光量・歪曲・倍率色収差等)をONにして撮影を行ってます。撮影したRAWデータをLightroomへ取り込み、シャープやノイズはデフォルトの値を適用しています。
TAMRON 28-200mm F2.8-5.6のファームウェア・アップデート方法
TAMRON 28-200mm F2.8-5.6では、カメラにレンズを装着した状態で、PCからファームウェアの更新を行うことができます。詳しいファームウェア・バージョンや更新方法については、次のページが参考になります。
TAMRON|Model A071 ソニー用ファームウェア
TAMRON 28-200mm F2.8-5.6の仕様と特徴
TAMRON 28-200mm F2.8-5.6は、Sonyのミラーレス一眼レフにそのまま装着できる、フルサイズ対応の高倍率ズームレンズです。28mmの広角域から200mmの望遠域までズームさせる事が可能です。
日常的なスナップ撮影、風景写真だけでなくポートレート撮影、花の撮影などにも柔軟に対応できる非常に便利なレンズです。
仕様 | 説明 |
製品名 | TAMRON 28-200mm F/2.8 Di III RXD (Model A071) |
寸法 | φ74 x 117mm |
重量 | 575g |
フィルター口径 | 67mm(対応するレンズフィルター) |
最短撮影距離(28mm画角時) | 0.19m ※最短 |
最短撮影距離(200mm画角時) | 0.8m |
最大撮影倍率(28mm画角時) | 1:3.1 (0.32倍) ※最大 |
最大撮影倍率(200mm画角時) | 1:3.8 (0.26倍) |
絞り羽根 | 7枚 (2段までほぼ円形絞りを維持) |
最小絞り | F32 |
レンズ構成 | 14群18枚 |
フード形状 | 花型フード(HA036) |
レンズキャップ形状 | 67mm |
発売日 | 2020年6月25日 |
希望小売価格 | 99,000円(税込) |
対応マウント | ソニーEマウント用 |
SONY純正レンズにはFE 24-240mm F3.5-6.3 OSS(SEL24240)というレンズがありますが、重量が780gとそれなりの重さがあり、レンズ鏡筒も太めとなっています。更に価格も高めとなっていますので、広角側と望遠側に折り合いが付くならば、28-200mmも選択肢として良いものになるかと思います。
機会があればぜひお手元のレンズシステムへ組み込んでみてください ☺️また、その他にもSONY フルサイズ対応のEマウントレンズが多数ありますので解説記事もご覧ください。