植物や昆虫、花や水滴などの撮影に便利な「LAOWA(ラオワ) 100mm F2.8 2x Ultra Macro」について、使用感や写真作例を交えながらブログでレビューしていきます。こちらのレンズは、フルサイズセンサーに対応した、2倍の倍率まで撮影できる超マクロレンズです。
従来ならば、トリミングの画像編集や接写リング(エクステンションチューブ)等を使って拡大する方法がありましたが、LAOWA 100mmマクロでは、レンズ単体で小さな被写体も繊細に撮影することができます。
花を撮影してみました ©
ここから更に近寄ることができます ©
マクロレンズは、接写撮影が得意なレンズです。LAOWA 100mmを使うと、一般的なマクロレンズよりも更に近寄ることができますので、カメラのファインダーを覗くと、肉眼で見ることが難しい世界観が広がっています😆
レンズの外観とカメラ装着例 ©
詳しい使用感や使い方、ファインダーで覗いた時の映像については、以下の動画解説をご覧ください。CP+2021で解説を行わせて頂いた映像がアーカイブされております。
レンズは、Amaoznやサイトロンジャパンさんのオンラインショップで購入することができます。
小さな物を大きく映し出すのが得意なマクロレンズです。35mmフルサイズのカメラに対応しており、エクステンションチューブやテレコンバーターを使用しないで最大2倍まで撮影可能です。レンズ重量は638g。カメラはSONY FEマウントやCanon EF、ニコンFマウントに対応しています。レンズフィルター口径は67mmに対応しています。
SIGHTRON JAPAN オンラインショップ
LAOWA 100mm F2.8 2X Ultra Macro APO
重量は638g、寸法はφ72mm、長さは約155mm。見た目は一般的なマクロレンズと同等にまとめられたマニュアルフォーカスのレンズです。カメラマウントは、フルサイズのSONY FEマウントや、一眼レフカメラのキャノンEFマウント、ニコンFマウントに対応しています。
また、キャノンEFマウント用レンズでは、電子接点が搭載されておりEXIFデータの記録(レンズの設定情報の記録)や自動絞り制御に対応している点も話題となっています。
当記事では、実際の撮影例をもとに、LAOWA 100mm F2.8 2x Ultra Macroの魅力について詳しくご紹介していきます。その他のSonyレンズについては以下をご覧ください。
それではLAOWA 100mm F2.8 2x Ultra Macroについて詳しく見ていきましょう。
目次
LAOWA 100mm F2.8 2x Ultra Macroの写真撮影例
それでは、LAOWA 100mm F2.8 2x Ultra Macroで実際に撮影した写真をいくつかご紹介していきたいと思います。まずは花の撮影を楽しんで来ました!
マクロレンズを使った撮影では、ピントの合う範囲の前後で美しいボケ表現を楽しむことができます。
手前と奥の花がボケ、優しい表現にも最適 ©
また、花に対して正面に向かって撮影すると、非常にヌケの良い描写で撮影を楽しむことができました!
レンズを向けるアングルによって色々な表情を楽しめます ©
自身の目では見るのが難しい部分まで、綺麗に映り込みます。細部がどうなってるのか、好奇心をくすぐられるのがマクロレンズの魅力ではないでしょうか。
花の細部まで写し出せる ©
また、LAOWAレンズにはAPS-C対応の65mmマクロが用意されていますが、そちらの撮影例でもご紹介しているように、水滴のような小さな物に対してもクローズアップすることができます。
今後は路地でポートレートを撮影してみました。LAOWA 100mm F2.8 2x Ultra Macroでは、人物撮影に最適なレンズ画角となっていますので、全身像を撮影しやすく、背景が程よくボケます。
100mmという画角は、背景の雰囲気を含めて撮影しやすい ©
マクロレンズというと、解像力が高くクッキリとした写りである一方で、背景ボケは硬い事が多いという先入観があったのですが、LAOWA 100mm F2.8 2x Ultra Macroはそういった印象とは異なっていました。
レンズの製品名に「Dreamer」と表記があるように、とても滑らかに背景がボケます。
被写体との距離感を変えても、背景が滑らかにボケています ©
街中で撮影できるスペースが狭い場所でも、上半身などの撮影を楽しむことができました。
狭いスペースでも撮影を楽しめる ©
こちらは、お店のスタッフさんに許可を得て、看板のネオンの前で撮らせて頂きました。短時間であっても、1本のレンズで色んな切り取りが楽しめるのが、100mmの良さだと感じました。
制約のある撮影スペースでも、上半身を撮影しやすい ©
レンズの外観とカメラ装着例
続いてレンズ外観を見ていきます。LAOWA 100mmは他のLAOWAレンズと同様、シンプルな外装の元箱を開けていくと、クッション材を備えた内装に収納されています。
LAOWA 100mm F2.8 2x Ultra Macro レンズ外観 ©
LAOWA 100mm F2.8 2x Ultra Macro レンズ外観 ©
LAOWA 100mm F2.8 2x Ultra Macro レンズ外観 ©
レンズの外観とカメラ装着例 ©
レンズはマニュアル操作となっており、カメラ側から見て、絞り操作リングとフォーカス操作リングがあります。ただし、キャノンEFマウントでは自動絞りに対応しているため、絞り操作リングは省略され、カメラ側でコントロールできるような設計となっています。
レンズの外観とカメラ装着例 ©
更に、レンズの後ろ側では、内面反射を防ぐ植毛が施されています。
内面反射を防止する植毛がされている ©
LAOWA 100mm F2.8 Macroを使う際の注意点
LAOWA 100mmを使うにあたり、いくつか注意点も見ていきたいと思います。まず、レンズ本体の後ろ側を見ていくと、ソニーFEマウント用レンズとニコンFマウント用レンズでは、電子接点を備えていません。
レンズ後ろ側を見ていくと、電子接点は非搭載となっています(ただしキャノンEFレンズは電子接点に対応) ©
電子接点の非搭載により、レンズの絞りやレンズ名などの情報を記録できるExifに対応してませんので、幾つか注意しておきたいポイントがあります。また、撮影距離にも注意が必要です。
- 手ブレ補正機能を使うには手動設定
- 最短撮影距離が短いので衝突に注意
それでは順番に見ていきましょう。
カメラの手ブレ補正機能を使うには
レンズ本体が電子接点を備えていない事による、1つ目の注意点は手ブレ補正の設定です。
カメラ純正レンズであれば、レンズに最適な手ブレ補正をカメラが自動的に設定してくれます。これに対して、LAOWA 100mm F2.8 2x Ultra Macroでは、手動で手ブレ補正を設定する必要があります。
手ブレ補正は、カメラ側の設定画面内で設定する必要があります ©
手ブレ補正を設定する方法
例えば、SONYのミラーレスで手ぶれ補正を設定するには、以下のSONYのホームページが参考になります。
今回はSONY α7RIIIで撮影してみましたが、カメラの設定で手ブレ補正値を100mm
に指定してみました。
ワーキングディスタンスは短いので衝突に注意
LAOWA 100mm F2.8 2x Ultra Macroは最短撮影距離は24.7cm
となっており、撮影対象物にかなり接近できます。
簡易的な例になりますが、下記画像のようにカメラ雲台を近接して撮影しようとすると、次のような距離感になります。
LAOWA 100mm F2.8 2x Ultra Macroの最短撮影 ©
最短撮影距離はセンサーから対象物までの距離なのですが、レンズ先端から対象物までの距離(=ワーキングディスタンス)は非常に短いことが分かります。また一般的な、マクロレンズのように1倍程度の撮影倍率で良ければ、ある程度の距離を取ることができそうです。
付属されるレンズフードを装着していると、対象物にぶつかったり、レンズ前面が何かに衝突してしまう恐れもあるので、撮影の際には注意が必要です。
LAOWA 100mm F2.8 2x Ultra Macroの仕様
続いて、レンズの仕様についてまとめます。
LAOWA 100mm F2.8 2x Ultra Macro レンズ本体 ©
LAOWA 100mm F2.8 2x Ultra Macroの詳しいスペックを見ていきたいと思います。
仕様 | 説明 |
寸法 | 72 x 155mm (ソニーFEマウント)、72mmx125mm (キャノンEF、ニコンFマウント) |
重量 | 638g ※マウントにより変動 |
最短撮影距離 | 24.7cm |
最大撮影倍率 | 2倍 |
絞り | F2.8 |
画角 | 24.4° (100mm) |
オートフォーカス(AF) | 非対応 |
手ぶれ補正機能 | 非搭載 (但し手ぶれ補正に対応したカメラ・ボディに装着すると、カメラ側の設定により使用が可能) |
絞り羽根 | 13枚 (ソニーFE)、9枚 (キャノンEF)、7枚(ニコンF) |
フィルター口径 | 67mm |
対応マウント | SONY FEマウント・Canon EFマウント・ニコンFマウント (フルサイズに対応) |
キャノンEFマウント対応のレンズでは、初めて電子接点が搭載されました。そして自動絞り機能やEXIFデータの記録にも対応しています。ただし、ソニーFEマウントとニコンFマウントでは非対応となっています。