映像制作のための情報マガジン「ビデオSALON(サロン)」さんの2019年2月号にて、動画撮影時のカメラとレンズ選びについて掲載いただきました。

ビデオSALON(サロン) 2019年2月号
ビデオSALON(サロン) 2019年2月号 ©

同誌の「一歩上を行くためのレンズ選び」中にある「より身近な!真似できる!Views投稿者のレンズ選び」というコーナーでご紹介いただいてます。

ビデオSALONのViewsとは?

ちなみにViewsとは、ビデオSALONさんが運営されているオンラインウェブサイトで、動画作品を応募できるコーナーです。私も不定期ですが、撮影した動画を応募しています。

ビデオSALON
ビデオ投稿コーナー【Views】
応募いただいた作品は、編集部審査のうえビデオSALON.webのコーナーページでどんどん先行配信。再生回数や視聴された方の反応、そして編集部サイドの評価を加えて、その1ヶ月の「ザ・ベストムービー」をビデオサロン誌面で発表。

今回はViewsの応募投稿者が選ぶ、動画撮影時のレンズやカメラがどのような理由で選定されているのか?が写真付きで参考になる内容となっています。私自身も他の方がどのように機材を選んでいるのか参考にさせていただきました。初めて聞く機材やレンズも登場して、非常に新鮮な気持ちで楽しめる内容となっていました。

ビデオSALONさんの雑誌は、お近くの書店やネットでご購入いただけます。もし機会がございましたら是非ご覧ください。

私の動画撮影用カメラと編集環境について

同誌で掲載いただいている内容とは別に、動画撮影時に利用している機材や編集環境についてブログで簡単にご紹介したいと思います。1年間で移り変わりが沢山ありましたが、今のところ以下のような感じで落ち着いています。

動画撮影用のカメラはSony α7III

ここ1年の間に登場したSonyミラーレス一眼カメラの普及機モデルです。Sonyとしては普及機という位置付けなのですが、その基準は高く、機能は一昔の高級機モデルに迫る印象を受けます。本当に良い時代になったなと感謝するばかりです…。

写真撮影ではSony α7RIIを使うことが多いのですが、動画撮影ではα7IIIを持ち出しています。映像については

  • バッテリーの持続時間
  • 画質と階調性
  • オートフォーカス性能

の高いSony α7IIIに恩恵を感じています。中でも、動きのある被写体に対してピントをあわせ続けてくれるのは凄いと思いました。詳しくは下記動画の後半0:48以降をご覧ください。

ミラーレスカメラ用のジンバルを使用

動画撮影を始める切欠になった動画撮影用の特殊機材です。ジンバルは電動3軸スタビライザーやスタビライザーとも呼ばれている機材です。こちらは振動を抑えた動画撮影が楽しめる機材です。ジンバルについての詳しい解説や機材については、下記をご覧ください。

また、振動の抑制だけでなく、ゆっくりとアングルを上下左右に移動させることもできます。その様子は、先ほどの動画が分かりやすいかと思いますので振り返ってご覧ください。

動画編集ソフトはAdobe Premiere CC

動画編集ソフトも様々な製品があるようですが、現在はAdobe Premiere CCを使っています。また、たまに作るレビュー動画では、テロップを入れやすいFinal Cut pro Xを使っています。

Adobe Premiere CCを使っている理由は、

  • 見通しの良いプロキシ機能
  • 3DLUTが2段階で適用可能

    → 更にその中の1つは、適用度を0%〜100%で調整できるLookという項目が存在する。

  • α7IIIのHLG(PP10)を扱いやすい

    → 階調性が高いソニーのプロファイルPP10(HLG/BT.2020)をHDR→SDRへ上手く変換してくれる

という点です。こちらについては知識がまだまだ浅いので、もしかしたら他のソフトでも可能な機能かもしれません(^^;)

動画編集環境のハードルを下げるプロキシ機能

動画編集時に気になるのがPCの性能です。本来ならば、ある程度の高性能なスペックを要求されるのですが、Premiereでは代替となる小さな動画ファイルから動画編集することができます。そして最後の書き出し時に、元の高画質なファイルへ置き換えてくれます。これがプロキシと呼ばれている機能です。

2段階適用できるカラーグレーディング

動画編集の中で、真っ先に拘りたかったのが色調整(カラグレ=カラーグレーデイング)でした。こちらは、写真編集でいうところのレタッチです。

私が知る限りの印象ですが、Adobe Premiere CCは、Final Cut Pro Xに比べると色調整の自由度があまり高くないようです。もし各フッテージ(映像素材)ごとに色調整を行いたい場合はFinal Cut Pro Xを使っていたと思います。

ただし、Adobe Premiereでは、3DLUT(.cubeファイル)と呼ばれる色調整情報のファイルを2段階で適用できるので、

  1. 1段目基本補正パネルで視覚的に自然な色合いへ戻す

    → LOG等を自然な色合いにする3DLUT(.cube)を作成して適用

  2. 2段目Lookパネルでフィルムルック等に

    → Premiereのプリセットまたはオリジナルの3DLUT(.cube)を作成して適用

といった事がスムーズに行えるようになりました。3DLUTは、Lightroomなどの写真編集でいうところのプリセットファイルのような位置づけと捉えています(厳密には全く違うと思いますがw)。

この辺りのワークフローは自己流なのですが、ようやく希望通りの色合い調整ができるようになってきた感触です。

下記動画の「Koromo festival (挙母祭り)」では、前半で自然な色合いを。後半部分では自然な色合いに戻した後でフィルムルックへ仕上げてみました。

下記動画の「うみへ。DJI Osmo Pocket」では、DJI Osmo Pocket付属のDJI Mimoを使わず、Adobe Premiereで色調整を行いました。こちらは普段写真で使っているLightroomの色調整情報を試しに流用したものです。日頃から使っているオリジナルカラーでグレーディングしてみました。

今回は編集環境も交えてご紹介しました。来年になるとガラッと環境が変わっている可能性もありますが、今後も温かい目でお楽しみいただければ幸いです。