新しい一眼レフカメラSony α7RIII(α7R3)が発表されました。ソニーα7R3はα7RII(α7R2)の後継機種です。当記事ではα7R3の新機能や、旧モデルであるSony α7R2と比較して進化したポイントをまとめてみたいと思います。
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目次
α7IIIとα7RIIについて
Sony プレスリリース
システムを一新した35mmフルサイズミラーレス一眼カメラ『α7R III』を発売
手ブレ補正5.5段を実現し、高解像度の写真を撮影することがでるフルサイズカメラです。従来機のα7R2よりも動体補足直や動作速度やバッテリーライフが向上。偽色やモアレを回避できるピクセルシフトマルチ撮影が新たに搭載された。
発売は11月25日。値段は36万円前後から販売開始されるそうです。旧機種のα7RIIが42万円スタートであった事を考えると、従来よりも比較的安い価格から販売開始がされることになります。…とは言っても随分高いカメラとなりますが(^^;)
また、旧モデルのα7R2の使用感についてはこちらをご覧ください。
Sony α7RIIIはどこが進化したの?
Sony α7RIIIの進化した内容をまとめてみたいと思います。ざっくり見ていくと、
- オートフォーカスの性能
- 連続撮影枚数
- 処理性能
- バッテリー
が強化されており、従来機のα7R2よりも機敏に撮影を楽しむ事ができるモデルとなっているようです。カメラとして要求される基本性能が底上げされており、α7R2 markII、真打ちなどと呼ばれている今回のα7R3の機能を見てみましょう。
(引用元:Sony Japan)
…この記事を書いておいてアレなんですが、Sonyさんがα7RIIIの新機能をまとめた分かりやすい動画を配信していますので、そちらもご覧になると大変分かりやすいかと思います(^^;)
画素数はα7R2と同じ程度
α7R3はフルサイズ有効約4240万画素センサーを搭載。これはα7R2と同程度の画素数のようです。
よりキメの細かい写真が撮れる
新たに「ピクセルシフトマルチ撮影」機能が搭載されました。ピクセルシフトマルチ撮影機能を活用すると、従来よりも忠実でキメの細かい写真を撮ることが可能になります。詳しくはSonyさんが動画を用意されていますのでご覧ください。
(引用元:Sony Japan)
キメの細かさを追求したい場面や、モアレを起こしやすい写真には最適ですね。
どうやら、この機能はペンタックス製品のカメラに搭載されているリアル・レゾリューション・システム(略してリアレゾ)と似たような機能のようです。リアレゾに関してもペンタックスさんのサイトやYoutubeの動画が分かりやすいです。
(引用元:pentaxplus)
PENTAX K-3 II 製品情報 特徴
リアル・レゾリューション・システム | 独自の画像処理により、超高精細な画像を実現。
なお、α7R3のピクセルシフトマルチ撮影データは、専用ソフトウェアのImaging Edgeにより生成が可能になるそうです。
ベイヤーセンサーを補う機能
α7R3を含めて、一般的なカメラはベイヤーセンサーと呼ばれるカメラセンサーを搭載しています。詳しくはwikipediaのベイヤーフィルターをご覧頂くと分かりやすかと思います。
通常のカメラセンサーでは、赤(R)・緑(G)・青(B)のセンサーがバラバラに配置されており、RGBのいずれか1色を情報として取得しています。残りの2色分の色情報は周辺画素の情報から補うように撮影後のデータをソフトウェアで処理しています。
α7R3では、センサーを僅かにズラす事が可能となっており、すべての画素においてRGB全色情報を持つ画像が生成されるため補間処理可能。色モアレ(偽色)の発生を最小限に抑え、より高精細かつ忠実な質感描写を実現することができるそうです。
サクサク写真が撮れる
新世代のBIONZ XとフロントエンドLSIが搭載。つまり撮影した画像を処理する電子回路の性能が向上したようで、これによって処理速度が速くなるようです。α7R2では撮影後の処理時間が掛かり、もたつく場面が見られたので、これは嬉しい進化ですね。
輝度差の激しいシーンでも綺麗に撮れる
α7R3は、ダイナミックレンジが広くなりました。ダイナミックレンジとは、写真撮影時に撮ることができる暗い箇所と明るい箇所の範囲の事です。ダイナミックレンジが広いほど、日の出や夜景などの明るさの激しいシーンでも撮影がしやすくなり、綺麗な写真を撮ることができます。
α7R3では、低感度時に約15ストップ(15段)の広いダイナミックレンジを確保しているようです。
動きの速い物を捉える能力が向上した
動体追従性能がα7R2比で2倍に向上。動く被写体を補足しやすくなりました。コントラストAFを従来の25点から425点に増えました。また、撮像エリアの縦横約68%をカバーする範囲に399点の像面位相差検出AFセンサーが配置されています。
暗いシーンでもオートフォーカスが迷わない
α7RIIIは、低輝度時のAF速度がα7R2比で最大2倍に向上。ミラーレス一眼のカメラでは、暗いシーンでオートフォーカスが迷いがちです。ところが、近年登場したα9などのカメラでは、性能が進化しており、一眼レフに迫る(…というか追い越してる!?)勢いです。α7R3でも暗所のオートフォーカス性能が改善されています。-3.0EV(ISO100相当/F2.0レンズ使用)に対応したようです。
瞳に追従する能力が向上した
瞳AF機能の性能がα7R2比で約2倍に向上。瞳AFとは、瞳の位置をカメラが自動認識してピントを併せてくれる機能です。
(引用元:youtube | dpreview com)
上記の動画はα7R2の瞳AF-Cの様子がわかる動画です。旧モデルのα7R2では、瞳の位置を追従し続ける「瞳AF-C」と呼ばれる機能が搭載されました。
新機種のα7R3では、瞳AFの精度が2倍に向上したようです。冒頭でご紹介したSonyさんの動画でも紹介されていますが、振り向いた女性の瞳にオートフォーカスが追尾するほど、快適になっているようです。
また、瞳AFに関する操作性も改善されました。α7R2ではカスタムボタンという、ユーザーがボタンに割り当てられる機能から呼び出していました。α7R3では、シャッター半押しやAF-ONボタンを押すだけで自動で瞳AFが作動するようになりました。但し、AF-Sモードでカメラ設定でAF時の顔優先が入
と設定した時に限るようです。
手ぶれ補正の性能が向上した
手ぶれ補正の性能も向上しました。α7RIIの手ブレ補正は4段分。α7R3では5.5段分
の光学式5軸ボディ内手ブレ補正が搭載されました。α7R2のレビューでは実感として2.5段分の効果と言われています。α7R3はどれくらいの効果を発揮するのか気になるところです。
フルサイズのカメラとして、カメラ本体内に手ブレ補正を搭載しているのはα7シリーズのみです。また、Sony純正以外のレンズでも手ぶれ補正が使えるのは従来通りです。オールドレンズユーザーや他メーカーのレンズを所有している方にとっても恩恵を受けられそうですね。
連写速度が2倍に向上した
α7R3は約10コマ/秒でAF・AE追従が可能になりました。α7R2では5コマ/秒、また最近発売されたNikon D850では9コマ/秒ですので、かなり凄い進化だと思いました(^^;)
α7RIIIのボディはα9の形状と同じものだと思うのですが、よくこの小さいボディに詰め込んだなぁと関心するばかりです。
連続撮影枚数が増えた(バッファメモリの強化)
α7R3では、JPEG/圧縮RAWが約76枚、非圧縮RAWで約28枚が連続撮影可能になりました。バッファメモリーと呼ばれる連続撮影データを一時的に溜めておける容量が増えたので、一瞬を逃さず、長い時間撮影し続けたい方には朗報ですね。
従来機のα7R2では、圧縮RAWが約23枚、JPEGが24枚、非圧縮RAWが9枚でした。また上位機種のα9では圧縮RAWが241枚、JPEGが362枚、非圧縮RAWが128枚です。
バッテリーが長持ちするようになった
α7R2比で約2.2倍の高容量バッテリーであるNP-FZ100が使用できるようになりました。
従来の容量を大きく改善したソニー純正の新型バッテリーです。Sony α9・α7RIIIやα7IIIなどの新しいカメラで使用できます。
また縦グリップVG-C3EMを使用すると、バッテリーNP-FZ100を2つ連続使用することができるようになります。
縦構図での撮影で重宝するアイテムです。横位置に構えた時と同等の操作感とホールド性を実現したSony純正の縦グリップです。
バッテリーに関してはモバイルバッテリーからのUSB電源供給も可能なので、寒い環境や夜景のインターバル撮影でも楽しめそうです。
2つのSDカード挿入口が用意された
SDカードのメディアスロット差し口が2つに増えました。またSDカードのリレー記録に対応しました。リレー記録とは、撮影データを2枚のSDに同時記録したり、1枚目のSDカードが満タンになった際に2枚目に記録を行う機能のことです。
また1つのSDカードスロットは、UHS-IIに対応しています。
ファインダーや背面液晶が向上した
背面液晶は、タッチフォーカス・タッチパッドにも対応するチルト可動式の約144万ドットの大画面3.0型液晶モニターを搭載しています。
また最大輝度が約2倍に進化し、EVF(液晶ファインダー)や液晶モニターの表示画質を高め、より高精細に表示する高画質
モードを搭載。より快適にファインダー像を確認する事が可能になります。
その他の機能
その他、以下のような機能が進化しているのですが、続きは後日まとめたいと思います。
- 画素加算のない全画素読み出しによる高解像度4K HDR動画、S-Log2、S-Log3対応
- 高速データ転送が可能なSuperSpeed USB
- システム内での16bit画像処理に加え、新たにサイレント撮影時や連続撮影時の14ビットRAW出力に対応
- フリッカーレス撮影
α7R3では従来通り、キャノンやニコンなどの他社メーカーのレンズを扱ったり、オールドレンズを扱う事もできます。かなり様々なシーンに対応できるのが嬉しいですね。