ATOMOS NINJA ASSASSINについてブログで詳しくレビューします。NINJA ASSASSIN(アトモス・ニンジャ・アサシン)は、カメラ等のHDMI出力を本体の7インチモニターに表示したり、4K 30Pの非圧縮データとしてSSDに記録できるモニター・一体型レコーダーです。

ATOMOS NINJA ASSASSINとSONY αIIIの装着イメージ
ATOMOS NINJA ASSASSINとSONY αIIIの装着イメージ ©
ATOMOS NINJA ASSASSINとジンバルの使用イメージ
ATOMOS NINJA ASSASSINとジンバルの使用イメージ ©

カメラのHDMI端子などから出力される映像データは、カメラ内部で記録される映像データよりも高画質である事が多いそうです。ATOMOS製品では、その外部出力を高画質で記録可能にするのが大きな特徴です。

また、液晶表示機能も充実しているのですが、主な特徴を簡単にまとめると次の通りです。

NINJA ASSASSINの特徴
  1. 高画質で映像記録が可能に

    → 一眼レフやミラーレスカメラの映像出力データを、最大で4K 30p・ProRes/Avid DNxで記録可能。8bitまたは10bitの非圧縮映像データを4:2:2を別売りのSSDに記録します。

  2. 高機能なモニター

    → 忠実な色味を表現する液晶。波形・フォルスカラー・ゼブラによる輝度確認、ピーキングによる合焦位置確認・ベクトルスコープによる色合いの確認が可能。更にカスタム3D LUT適用後の色合いをモニターで確認できる。

    別の製品になりますが、似た機能を持つNINJA Vのモニタリング機能を解説していますので詳しくは、Youtube動画モニタリング機能の使い方についての解説記事をご覧ください。

  3. SSDを直接挿し、動画編集しやすいProResやAvidで記録が可能

モニターはタッチパネル操作やキャリブレーションが可能です。モニター・レコーダーともに豊富な機能が盛り込まれています。

タッチパネル操作が可能
タッチパネル操作が可能 ©

NINJA ASSASSINは2015年に発売。現在は生産完了品となっており、中古品の入手が可能となります。後継機種・上位機種としてはATOMOS NINJA V(ニンジャ・ファイブ)やSHOGUN 7(ショーグン・セブン)などがラインナップされています。

NINJA Vについては別の記事で解説を行っていますのでご覧ください。

NINJA VはATOMOS ASSASSINと同じような機能を備えていますので、参考としてご覧ください。

その他のラインナップや製品情報はATOMOS JAPANさんのサイトをご覧ください。

ATOMOS −アトモス− モニター&レコーダー

今回は、ATOMOS社製品を扱っているMEDIAEDGE株式会社さんより、実機をお借りする事ができました。まずは、NINJA ASSASSINの外観や付属品の機能をご紹介していきます。そして簡単な使い方も見ていきたいと思います。当記事が初めてATOMOS製品を扱う方への参考となりましたら光栄です。

それでは順番に見ていきましょう。

目次:NINJA ASSASSIN外観レビュー

ATOMOS NINJA ASSASSINの簡単な使い方について

まず初めに、ATOMOS NINJA ASSASSINの簡単な使い方を見ていきます。NINJA ASSASSINではタッチパネル操作となります。

電源を入れる方法

ATOMOS NINJA ASSASSINの電源を入れるには、液晶正面から見て、右側面にある電源ボタンを押します。

ATOMOS NINJA ASSASSINの右側面
ATOMOS NINJA ASSASSINの右側面 ©

電源ボタンは短い間隔で押します。ワンテンポ遅れて液晶側のLEDが赤く光りますので、起動まで待ちましょう。

ファームウェアのアップデート

電源ボタンを長押しすると本体のファームウェアの強制アップデートが開始されます。電源ボタンの長押しはアップデートしたい時に限定して行いましょう。

ファームウェアの更新では、SSDの中のに配置したアップデートファイルを探しにいきます。ファイルが見つからない時はそのままフリーズしますが、バッテリーを抜いて強制的に電源を落とした後、電源を入れると正常に起動します。

電源オフの方法

ATOMOS NINJA ASSASSINで電源をOFFにするには、本体液晶から以下の操作が必要となります。

  1. 画面下部の青いボタン(Menu)を押す
  2. メニュー項目中の「POWER OFF」を長押しする
  3. 画面が消灯して電源オフとなる
画面下部の青いボタンからメニューを呼び出す
画面下部の青いボタンからメニューを呼び出す ©
「POWER OFF」を長押しで電源オフになる
「POWER OFF」を長押しで電源オフになる ©

電源ボタンを押してNINJA ASSASSINを電源OFFしようとすると強制終了モードとなるので注意してください。

記録・再生は赤ボタンと緑ボタン

ATOMOS NINJA ASSASSINではカラフルなユーザーインターフェースが特徴的です。外部から入力された映像を本体に記録するには赤い丸ボタン(Rec)を押します。記録した映像を確認するには緑の三角ボタン(play)を押します。

ATOMOS NINJA ASSASSINの画面
ATOMOS NINJA ASSASSINの画面 ©

更に、過去の映像データを再生するには、画面上部の記録データ名をタップすると表示されるリストを2回タップします。

RecトリガーをONに設定しよう(同期記録開始)

ATOMOS NINJA ASSASSINでは、カメラ側の映像記録開始タイミングを検出し、本体で記録開始する同期機能が搭載されています。これをRecトリガー(連動Rec)と呼んでいます。Recトリガーを活用すると、カメラの録画ボタン操作だけで、カメラ本体とASSASSIN本体の記録が行えるようになります。

Recトリガーを使うには、カメラとASSASSINの両機とも設定を行う必要があります。例えば、SONY α7IIIではセットアップ3HDMI設定レックコントロール(入)でRecトリガーの信号が有効になります。

(例)SONY α7IIIのRecトリガー設定
(例)SONY α7IIIのRecトリガー設定 ©
(例)SONY α7IIIのRecトリガー設定
(例)SONY α7IIIのRecトリガー設定 ©

更に、ATOMOS NINJA ASSASSINでもレックトリガーの設定を行います。画面上部の左から2つ目の記録設定情報(下記画像では4KUHDp29.97)をタップします。

ATOMOS NINJA ASSASSINの設定画面
ATOMOS NINJA ASSASSINの設定画面 ©

開いた設定画面の中で、左から2つ目のTRIGGERという項目でEnable TriggerがONになっていればRecトリガーを使用できるようになります。カメラ側で録画開始を行い、ATOMOS NINJA ASSASSINも記録が開始されるのか確認してみましょう。

ATOMOS NINJA ASSASSINの外観と機能について

続いて、NINJA ASSASSIN本体の外観を見ていきたいと思います。

視認性の高い液晶モニター

NINJA ASSASSINは赤いシリコンケースに覆われており、外部からの衝撃や汚れから守ってくれます。液晶は7インチのS-IPS液晶となっており、大きい画面でカメラの映像を確認する事ができます。

ATOMOS NINJA ASSASSIN
ATOMOS NINJA ASSASSIN ©

液晶の上下に1/4ネジ穴を備えており、三脚やカメラのホットシューネジに取り付ける事ができます。

ATOMOS NINJA ASSASSINとSONY αIIIの装着イメージ
ATOMOS NINJA ASSASSINとSONY αIIIの装着イメージ ©

接続にはボール雲台やマジックアームが便利です。

マジックアームは非常に便利で、三脚固定時にも頻繁に使っています。

液晶は大型なので、写真撮影においてはピントの山を掴みやすそうです。また後述するオプションの遮光フード(Sun Hood)を活用すると、日中の撮影でも視認性を確保できるようになります。

遮光フードは、見るからに光を遮ってくれそうで頼もしい
遮光フードは、見るからに光を遮ってくれそうで頼もしい ©

屋外の撮影が多い方には心強い味方となりそうですね!

HDMI入出力と映像表示の仕方について

続いてNINJA ASSASSINの左側面を見ていきましょう。主に映像入力端子があります。

ATOMOS NINJA ASSASSINの左側面
ATOMOS NINJA ASSASSINの左側面 ©

各端子を上から順に見ていくと次の通りです。

  1. REMOTE端子

    → 主にカメラと同期記録(連動Rec)を行うために使用する端子です。SONYやCanonのトリガーケーブルを使用可能です。HDMIによるRecトリガーを使うケースが殆どであるため、使用頻度は低いようです。

    またi1 Display Proによるモニターキャリブレーションで専用ケーブルを使う時にREMOTE端子を利用します。

  2. ヘッドフォン端子(3.5mmミニステレオジャック)

    → 別売りのヘッドフォンやイヤホンから音声を確認できます。

  3. HDMI入力端子

    → カメラ等から出力されるHDMI映像信号をこの端子に接続すると、本体で映像が記録可能となります。

  4. HDMI出力端子

    → HDMI入力端子に入力された映像をこの端子から出力可能です。

最もよく使うのは3番目のHDMI入力端子です。使用するには、カメラをはじめとする映像出力端子からケーブル接続します。

カメラ側のHDMI出力とケーブルを接続
カメラ側のHDMI出力とケーブルを接続 ©

接続には別売りのHDMIケーブルが必要です。私は使い勝手の良い細めのHDMIケーブルを使っています。詳しくは以下が参考になります。

続いてケーブルをNINJA ASSASSINのHDMI入力端子に繋ぎます。

ケーブルとNINJA ASSASSINのHDMI入力端子を接続
ケーブルとNINJA ASSASSINのHDMI入力端子を接続 ©

この手順でモニターに映像を表示できるようになります。

映像出力端子で複数のモニター表示が可能

また、NINJA ASSASSINのHDMI出力端子と別のモニターを接続すると、そのモニターでも映像の表示ができます。

出力機能によって別のモニターにも同時表示が可能
出力機能によって別のモニターにも同時表示が可能 ©

映画撮影など複数人で映像のモニタリングを行い時に便利な機能です。

電源ボタン・音声入力・DC端子について

次にNINJA ASSASSINの右側面を見ていきましょう。主に電源ボタンや音声入力、電源コード端子があります。

ATOMOS NINJA ASSASSINの右側面
ATOMOS NINJA ASSASSINの右側面 ©

各端子を上から順に見ていくと次の通りです。

  1. 電源ボタン

    → 電源を入れたい時に押します。

  2. AUDIO IN端子

    → 音声入力端子です。外部からの音声を収録したい時に使います。

  3. DC入力端子

    → バッテリーではなく電源コードから電源供給して本体を使いたい時に使います。(規格は16.8V-6.8A)

ATOMOS NINJA ASSASSINのオプション品と使い方について

続いて付属品・オプション品の使い方や各部の解説を行います。

バッテリーについて

次にNINJA ASSASSINの背面を見ていきましょう。背面にはバッテリーとSSDの挿入口があります。

背面はバッテリーとSSDの差し口を備える
背面はバッテリーとSSDの差し口を備える ©

また、中央には液晶立てが備わっており、三脚無しでもNINJA ASSASSINを自立させる事ができます。

バッテリーはソニーNP-Fシリーズ互換(Lバッテリー)

NINJA ASSASSINのバッテリーはSONY NP-Fシリーズに互換性があります。NP-FシリーズはNP-F330・NP-F530・NP-F550・NP-F570・NP-F970等が有ります。

またATOMOSには、専用バッテリー(5200mA)が用意されています。安心して使用する為には、こちらのバッテリーの使用がおすすめです。

NINJA ASSASSINの専用バッテリー(5200mA)
NINJA ASSASSINの専用バッテリー(5200mA) ©

SSD・HDDについて

続いて記録媒体と取扱方法について解説していきます。NINJA ASSASSINをはじめとするATOMOS製品では、SDカードやCFカードなどのメデイアは対応しておらずSSDやHDDが必要となります。

HDDも挿入可能だが…

NINJA Vでは、記録メディアとしてSSDやSSD miniの他にHDDの挿入も可能です。しかし、衝撃に弱く、4K映像の収録時にはHDDでは転送速度が足りずに対応できないため、SSDやSSD miniが推奨されています。

マスターキャディー2(SSDの装着に必要)

NINJA ASSASSINで外部映像の記録を行うためには、別売りのSSDが必要です。記録媒体は衝撃に強いSSDが推奨されており、中でも以下のSONY製品がおすすめとの事です。

私の場合は値段が抑えられている以下のSSDを使うことにしました。使用前にMEDIAEDGE(株)さんより動作確認を頂くことができました。

SSDはそのまま挿入する事ができず、マスターキャディー2という専用の筐体に収める必要があります。

マスターキャディー2はプラスチック素材の箱となっており、SSDを収納した後は側面をネジで固定していきます。

SSDとマスターキャディーの様子
SSDとマスターキャディーの様子 ©

筐体の強度がそれほど強くないため、ネジは軽く留める程度で大丈夫とのことです。

SSDをマスターキャディーに収納し、側面をネジで固定する
SSDをマスターキャディーに収納し、側面をネジで固定する ©

マスターキャディに収納した後はNINJA ASSASSINの背面へ「カチッ」という感触が確認できる位置まで挿入します。

NINJA ASSASSINのSSDを挿入
NINJA ASSASSINのSSDを挿入 ©

ドッキングステーション(USBによるSSDの読み出し)

ATOMOS NINJA ASSASSINで撮影したデータは、SSDとPCをUSB接続できるドッキングステーション(Docking Station)を使用します。

ドッキングステーションはマスターキャディーをUSBディスクとして使用するためのアクセサリー
ドッキングステーションはマスターキャディーをUSBディスクとして使用するためのアクセサリー ©

ドッキングステーションによって、SSDのデータをPCに取り込んだり、メディア内の映像データを直接編集するのに役立ちます。

ドッキングステーションによってSSDのデータをUSB経由で読み出せる
ドッキングステーションによってSSDのデータをUSB経由で読み出せる ©

ACアダプター(バッテリー充電器と駆動用電源)

ATOMOS NINJA ASSASSINでは2種類のACアダプターが用意されています。

  1. 駆動用電源ACアダプター

    コンセントから電源供給してNINJA ASSASSINを使用することができます。

  2. 充電器専用ACアダプター

    バッテリーを充電するためのACアダプターです。車のシガーライターに対応したACアダプターも含まれます。

1.駆動用電源ACアダプター
1.駆動用電源ACアダプター ©
2.充電器専用ACアダプター。右は車用電源ケーブル
2.充電器専用ACアダプター。右は車用電源ケーブル ©

バッテリーは、ファーストチャージャーと呼ばれる充電器によって充電が可能です。

2.充電器専用ACアダプターによりバッテリーの充電ができる
2.充電器専用ACアダプターによりバッテリーの充電ができる ©

駆動用電源ACアダプターと充電器専用ACアダプターは、どちらもアダプター(差し口)が同じ形状をしているため注意が必要です。

以下の写真では、左側が駆動用、右側がバッテリー充電用のACアダプターとなっています。

左側が駆動用。右側がバッテリー充電用のACアダプター
左側が駆動用。右側がバッテリー充電用のACアダプター ©

ソフト収納ケース(本体と付属品の持ち運びが可能)

ATOMOS NINJA ASSASSINでは本体と付属品を収納可能なキャリングケースがあります。

ソフト収納ケース
ソフト収納ケース ©

ケースを開くと、左側にNINJA ASSASSIN本体を収納でき、右側に付属品を収納できるようになっています。

ソフト収納ケースを開いた様子
ソフト収納ケースを開いた様子 ©
ソフト収納ケース右側には付属品を入れるスペースが用意されている
ソフト収納ケース右側には付属品を入れるスペースが用意されている ©

サンフード(遮光フード)は屋外でも視認性を高める

ATOMOS NINJA ASSASSINではSHOGUNと兼用となるサン・フードが用意されています。野外で太陽の照り返しが強いシーンでも、モニターの液晶画面を見ることができる優れものです。

NINJA ASSASSINにサンフードを装着した様子
NINJA ASSASSINにサンフードを装着した様子 ©

また、サンフードの上部または底部から手を入れることができますので、液晶の近くからタッチ操作が可能となっています。

サンフード底面から手を入れることが出来る
サンフード底面から手を入れることが出来る ©

遮光フードが非常に深く造られており、これでも十分に遮光性が高くて画面が見やすい印象です。ATOMOSでは、更に正面の光を防いでくれるパーツが用意されています。

正面の遮光パーツ
正面の遮光パーツ ©

正面の遮光パーツはマグネットで装着可能となっています。

正面の遮光パーツ
正面の遮光パーツ ©

サンフードは折りたたみが可能となっており、ATOMOS NINJA ASSASSINに装着する際にはシリコンケースを外します。

サンフードは折りたたみして収納できる
サンフードは折りたたみして収納できる ©

サンフードを装着する際には、上下をネジ止めします。

サンフードをASSASSINに組み付ける様子
サンフードをASSASSINに組み付ける様子 ©

上下を固定するネジは、ネジ穴が用意されており、ここへ三脚やカメラを装着できるようになっています。

サンフードを固定するためのネジ
サンフードを固定するためのネジ ©

いかがだったでしょうか。ビデオカメラや一眼レフ用の外部モニターについては、下記でもまとめていきますので、用途に応じて参考にしてください。