小型ジンバルのFeiyu SCORP-Miniを使って動画撮影をしてみましたので、どういった製品なのかや、使ってみた感想をリアルに紹介していきたいと思います。
Feiyu SCORP-Mini ©
Feiyu SCORP-Miniは、ミラーレスカメラやスマートフォン、GoProなどのアクションカメラを載せて、滑らかな動画撮影が楽しめる機材です。色々な機材を載せられるのですが、今回はSONY α7SIIIとFE PZ 16-35mm F4Gを搭載してみることにしました。
動画撮影例については、下記のYoutubeをご覧ください♪
Feiyu SCORP-Miniは現在、Makuakeで先行予約販売してますので、下記より是非チェックしてみてください!
現在は更に大きな機種としてFeiyu SCORP-C、SCORP Proなどがあります。
これに対して、Feiyu SCORP-Miniの最大の魅力は小型軽量であることです。重量はなんと787g
なんです!800g以下の重量に作られているのは凄いですよね ☺️
もちろん、プレートを含んでこの重量になります。SCORPという商品名の通り、サソリをイメージさせるような形状が特徴的で、デュアルハンドルスタイルと呼ばれる両手持ちができるジンバルになっています。
折りたたんだ状態は非常に薄く軽量。重量は787g ©
もう1つ素晴らしいのが、カメラを外して、ジンバル本体のみにすると、A4くらいの袋に余裕で入っちゃうんです 😲 驚くほどに薄くコンパクトなので、簡単にカバンへ仕舞えるのが良いなと思いました。持ち運びが楽というのは、旅行や気楽なお出掛けでは、めちゃくちゃ重宝しますよね!
実際にお出かけで使ってみましたが、水平を自動で割り出してくれるのは便利です ©
今回は、FeiyuTechさんより、SCORP-Miniの実機を使わせて頂きましたので、当記事では引き続き、その特徴と使い方をご紹介していきたいと思います。
目次:Feiyu SCORP-Miniのレビュー
Feiyu SCORP-Miniの外観と各ボタン
まずは外観を見ていきましょう。Feiyu SCORP-Miniは本体がコンパクトなジンバルですが、箱も極めて小ぶりです。
Feiyu SCORP-Miniの中身 ©
黒い箱に付属品が入っていますが、レンズを支えるサポートリグや、GoPro用のアクセサリー、フォローフォーカス(別売り)用のロッドも用意されています。写真を取り忘れましたが、スマホ用の金属製クリップも同梱されていました。
Feiyu SCORP-Miniの付属品1 ©
細かい話ですが、本体のアームにロッド用のネジ穴があり、そこへフォーカスロッドをねじ込める仕組みになっています。これ、とてもシンプルで軽量化を両立した設計になっているので素晴らしい造りだと思います!
続いて各種ケーブル。こちらは本体充電用のケーブルと、各メーカーのカメラで撮影を開始できるレリーズケーブルが用意されています。本体のUSB端子とカメラに、こちらのケーブルを接続すると、Feiyu SCORP-Mini本体の録画ボタンから撮影を遠隔操作できます。
Feiyu SCORP-Miniの付属品2 ©
この他に、カメラ搭載用のクリックリリースプレートも用意されていますので、ミラーレスカメラなどのカメラを搭載する際には、以下のような2個のプレートを組み合わせて、Feiyu SCORP-Miniに取り付けていきます。
Feiyu SCORP-Miniの本体と付属品3 ©
Feiyu SCORP-Miniの各回転軸にはロック機構が備わっており、銀色の部分を動かすと、稼働させたり、回転を防いでくれます。カメラを取り付ける際にはこちらを解錠したり、外したりすることになります。
カメラを実際に装着して、動画を楽しむ前にはバランス調整という作業が必要になってきますが、詳しくはFeiyuTechのYoutube動画が非常に分かりやすいので、そちらをご覧になってみてください。
また、写真から見て右端には電源ボタンを備えています。そして、電源ボタンの下部には充電用のUSB端子が配置されています。
Feiyu SCORP-Miniの本体(一部拡大) ©
各回転軸の合計3点に銀色のロック機構を備えています。
Feiyu SCORP-Miniの本体(一部拡大) ©
また、反対側には左中央部から見て、ホイールと、ホイールの動作を変更できるボタン、FPVボタン、F1ボタンなどが搭載されています。ホイールでは、回していくとチルト方向やパン方向へカメラをゆっくりと動かすことができます。また、タッチディスプレイによる設定変更で、フォローフォーカス操作へ割り当てる事も可能です。
Feiyu SCORP-Miniの本体(一部拡大) ©
外観をご覧頂いても分かる通り、Feiyu SCORP-Miniの本体の至るところにボタンが備わっているので、素早く機能を呼び出せるのが便利です。全体の感触や質感は安っぽさがなく、非常に重厚感があります。
小型で軽量なジンバルにタッチパネルも搭載
こちらもFeiyu SCORP-Miniの長所です。1.3インチのタッチパネルが搭載されているので、すべての設定が手元で行なえます。
握り手となる先端にはタッチディスプレイを搭載 ©
どのような操作ができるかについては、下記のYoutubeをご覧いただくのが分かりやすいです!
1.3インチというと小さそうですが、ちょうど親指や人差し指でタッチ操作しやすそうなサイズ感でした♪
タッチディスプレイで詳細設定が可能 ©
他の製品で、よく見られるのが、小型になるほど、液晶だったり、機能が省かれてしまうという傾向です。ただ、Feiyu SCORP-Miniに限っては、そういう心配は無さそうです。コンパクトなのに高機能なので驚きました。
では、どの辺りが高機能なのか見ていきましょう。
ジンバルの詳細設定はタッチパネルで変更できる!
Feiyu SCORP-Miniでは、更に大きなカメラを搭載できるSCORPと同じようなタッチディスプレイ機能を備えているようです。廉価版のSCORP-Cではタッチディスプレイが省略されていたのですが、Miniには、液晶がバッチリ搭載されています!
それでは、タッチパネルで設定できる内容を詳しく見ていきましょう。まずはフォロースピードについてです。
フォロースピードの変更画面 ©
フォロースピードとは、Feiyu SCORP-Miniの持ち手を動かした際に、カメラがどのような速さで動くかを決める項目です。
フォロースピードの詳細設定画面 ©
フォロー速度は、プリセットの3パターンに加えて、詳細設定も可能になっています。詳細設定では「Follow Speed」と「Dead zoom(デッドゾーン、またはデッドバンド)」の2つの項目を変更できます。こちらは10段階の速度変更に加えて、デッドゾーンもいじれます。
フォロースピードの変更画面 ©
デッドゾーンの変更画面 ©
デッドゾーンは持ち手を動かした際に、カメラが動かない角度を広くしたり狭くしたりできる設定項目です。同じように、ジョイスティックの速さも細かく変更できます。
続いて、フォローモードについて見ていきます。タッチパネルまたは、本体のモードボタン、側面のFPVボタンからも変更できます。
フォローモードの変更画面 ©
パッとみた感じ「あ、これが無いな」という機能不足は無くて、想像の上をゆく完成度でした。機能性については、隙がない印象です。
トップの待機画面 ©
私の場合はDJI RS2やRS3 Proをメインで使っていますが、そちらとよく似たユーザーインターフェースになっている印象でした。ZHIYUN Crane M3などの他のメーカー機種を使っていても、それほど迷うことなく使えるメニュー画面になっていると思います。
実機サンプルでは、英語表記と中国語表記しか選べませんでしたが、正式製品版では日本語表示も可能になるそうです。
Feiyu SCORP-Miniはどのカメラ重量まで対応してる?
Feiyu SCORP-Miniはミラーレス一眼からスマホまで幅広いデバイスに対応したハイブリッドジンバルです。スマートフォンやGoPro、コンデジのような軽量なカメラでしたら、問題なく搭載することができると思います。
Feiyu SCORP Mini ©
で、ここからがリアルな感想になります(笑)
製品情報を見ていくと、載せられる機材の重量目安である耐荷重(=ペイロード)は1.2kg
までと記載されています。さて、実際のところはどうなのでしょうか?
機材が到着するまでは「1.2kg!?そこまで行けるのかな〜?」と、半信半疑だったのですが、実際に手持ちの機材で試してみた感触としては、1kgくらいのカメラ&レンズならば、ギリギリ行けるか、ちょっと厳しい重量だと感じました。
今回搭載してみたSONY α7SIIIとFE PZ 16-35mm F4 G ©
今回試してみたのが、こちらのSONY α7SIIIとFE PZ 16-35mm F4 Gという組み合わせ。重量はカメラが699g
。そしてレンズが353g
になります。つまり仕様上の合計重量は1052g
となります。
できるだけ重量を軽くしたいので、フードを外して軽量してみました。
SONY α7SIIIとFE PZ 16-35mm F4 Gの合計重量(フード無し) ©
それでは、1kg超えた重量をFeiyu SCORP Miniに載せてみることに。
α7SIIIとFE PZ 16-35mm F4 GをFeiyu SCORP miniに搭載 ©
この構成でバランスを取っていくと、一応バランスは取れるようです。
α7SIIIとFE PZ 16-35mm F4 GをFeiyu SCORP miniに搭載 ©
ただ、バランス調整後にオートチューン(=モーターパワー最適化)を適用すると、各軸に振動音がしました。
トップメニューのアイコンをタップするとオートチューンが開始できる ©
オートチューンの適用中… ©
α7SIIIとFE PZ 16-35mm F4 GをFeiyu SCORP miniに搭載した場合には、モーターパワーが各軸とも最大に近い値となります。
今まで色んな3軸スタビライザー製品を触ってみた感触からすると、重すぎて支えきれない時に、そのような振動音がしていましたが、SCORP Miniでも似たような音がしました。モーターが無理をしているなという印象です。使ってみた予想では、1kgのカメラ重量を乗せると搭載重量オーバーとなる可能性が高そうです。私の場合、軽量型ジンバルは、もう少し大きな機材が載せられるこちらのジンバルにしました。
ただ、どこまでの手ブレ補正能力が許容範囲かは、使ってる方の判断次第になるかと思います。詳しくはYoutubeで撮影例を掲載していますので、ご覧になってみてください。
別製品の解説にはなりますが、以下でジンバル動画撮影時のコツについても解説しています。こちらも併せてご覧ください。実際のところ、撮影の仕方や設定によっても結果が変わってきます。
実際に、α7SIIIとFE PZ 16-35mm F4 Gを載せて撮ってみると、オールロックモード(全軸ロック)はそれなりに安定して撮影ができました。その他のフォローモードは、少々ぎこちなく、揺れが目立つシーンもありました。
私が使ってるSONY α7SIIIやα7IVでは、カメラ内の手ブレ補正モードが2つ用意されています。今回Youtubeで公開している撮影例では、標準の手ブレ補正モードが有効になっている状態で動画撮影を行ってみました。さらに強力なアクティブモードを使うと、ブレが目立たなくなるかもしれませんね。
メーカーさんの方からは、カメラ・レンズの動作確認表を資料として頂いてるんですが、そちらを見ると900g
以下の組み合わせで、カメラが搭載できるか否かや、期待通りの動作をしているかテストを行っているようです。
資料をそのまま掲載する事はできませんので、一部の内容を挙げていきたいと思います。
動作確認表を見ていくと、上記の組み合わせが掲載されています。比較的重たい機材の組み合わせ例が上記となりますが、Feiyu SCORP-Miniを使って動画撮影する際には、900g以下のカメラ・レンズや、スマートフォン、GoProなどで撮影されるのが無難かもしれませんね。
発売までに検証結果や仕様が更新される事もあるかもしれませんが、ひとまず手元の機体で撮影してみた感触としては、このような感想になりました。
少しリアルな感想…というか厳しい評価になってしまったかもしれませんが、他メーカーの小型ジンバルと比べると、モーター制御は標準的な性能だと思います。
スマートフォンとGoProのようなアクションカム、そしてAPS-Cのミラーレスカメラやフルサイズのカメラで軽量なレンズを取り付けて動画を撮影してみたい方には、十分にオススメできる製品です。
逆に、1kgを超えるカメラを載せたいという方は、素直に大きなジンバル製品を選択されるのが良さそうです。
何より、タッチディスプレイやボタンの数が豊富であることが、この製品の良いところでしょう 😄 他社の軽量型ジンバルを眺めてみると、ここまでリッチなディスプレイを備えている製品は非常に珍しいと思います。
Feiyu SCORP-Miniの動画作例
軽く特徴を見ていきましたが、続いてどんな感じの動画が撮れるのかもご覧頂きたいと思います。
公園を散歩しながらFeiyu SCORP-Miniで滑らかな映像撮影ができるのか試してみました。今回はSONY α7SIIIとFE PZ 16-35mm F4Gを装着して撮影してきましたが、手持ちよりは明らかに手ブレ補正効果があり、空中を滑っているかのような感覚で動画撮影ができました!
3軸スタビライザーというと、かなり大柄で重たい機材というイメージが強いのですが、気軽に持ち出せて、滑らかな動画を撮影できる心強いアイテムであること間違い無しです!機会がありましたら、記事前半のリンクをチェックしてみてください ☺️