パソコンから10m以上も離れた距離にある液晶ディスプレイや、DVDプレイヤーやテレビ、プロジェクター等に、HDMIやDisplayPortケーブルを繋いで画面表示させたいと思いました。ところが、映像が乱れて上手く映らなかったり、ケーブルが高くて太いなどの問題にぶつかり、何か良い方法がないのか調べてみました。
この記事の作成時点では、10mを超える長いHDMIケーブルを使った配線は非常に高価になり難しいのですが、Displayportであれば光ケーブルに変換し、長い配線距離であっても画面や映像を表示させる事が出来るようになってきました。
安定した信号伝送を確保するための3層シールドを備えた4コア光ファイバー。ケーブルは10mから20mまで用意されています。 32Gbps帯域幅の非圧縮信号伝送をサポートし、長距離伝送下で映像を伝送できるケーブルです。
4Kをはじめとした、高画質な映像を10m以上の長いケーブルで繋ぎたい時には、上記のような光変換ケーブルを活用すると良さそうです。私も最近、こちらのケーブルを使っており、4Kディスプレイに繋いでいます。驚くことに、商品説明によれば8Kまでサポートしているようです。
また、4Kの4分の1の解像度にあたる、フルハイビジョン画質(1080p)を扱いたいのであればHDMIケーブルをLANに変換するものを活用すれば、30mから40mなどの長距離でも、PC画面や映像を有線ケーブルで配線して画面表示させる事ができます。HDMI→LAN変換器は、価格が安いのでオススメです。
別売りのCAT6規格のLANケーブルを使うと、HDMI信号を最大60mまで長距離伝送が可能です。(ご注意)1080pフルHDの場合は40mまで延長可能。720pは60Mまで延長可能です。対応機種:TX側(送信機)はPS3、PS4、Xbox 360、XBox one、AppleTV、Blu-rayプレーヤー、DVDプレーヤー、HDD-DVDプレーヤー、PCなどHDMIポートが搭載されたデバイスに対応。RX側(受信機)がモニター、テレビ、プロジェクターに対応できます。
私の場合は、小型液晶やセカンドディスプレイ用に上記の変換器を使っています。
10m以上離れた場所にあるデスクトップPCの画面を表示させてみた。 ©
Youtube用の動画を撮影する際に、PCから録画開始操作を行うために使っています。 ©
まずは、遠く離れた画面ディスプレイにPCや映像を表示させる方法の一例をご紹介しました。
その他に今回は、離れたPCから複数のディスプレイを配置するため、実際に試して上手く行った方法をご紹介していきたいと思います。具体的には、記事の中で次の内容を詳しくご紹介していきます。
実際に試して成功した方法
- HDMIをLANケーブルに変換して長距離をケーブル配線する
- ワイヤレスで映像を無線伝送させる
最も安く実現する方法は、前述で例を挙げたLANケーブル変換器を使った接続です。
HDMIケーブルをLANケーブルに変換できる ©
10m、20m、30mなど遠くの画面へ映像を送り、4Kやフルハイビジョンで表示させる方法を解説します。同じように悩んでる方の参考になりましたら幸いです。
目次:離れた位置のディスプレイに画面表示させる方法
表示させる画面サイズによって難易度が変わる
画面表示させようとお考えの画面サイズはいくつでしょうか!?実は、画面サイズが大きければ大きいほど、遠くにあるディスプレイに表示させる難易度は上がっていきます。まずは、画面サイズの代表的な例を2つ挙げたいと思います。
4K
液晶等のドットが縦横3840x2160ピクセル、またはその前後を有する画面表示サイズです。UHD
とも呼ばれます。4Kは非常に高精細なディスプレイです。
フルハイビジョン(FHD)
液晶等のドットが縦横1920x1080ピクセル、またはその前後となる画面表示サイズです。FHD
とも呼ばれます。FHDは現在最も一般的なディスプレイの表示サイズだと思います。
ハイビジョン(HD)
更に小さな画面サイズの1280x720ピクセル、またその前後となる画面表示サイズです。HD
とも呼ばれています。
現在ではフルハイビジョンを表示させるのか、4Kを表示させるのかで難易度が大きく変わるようです。次の項目では、それぞれの表示サイズごとに解決方法を挙げていきます。
離れたディスプレイでフルハイビジョンを画面表示させるには
フルハイビジョン、もしくはそれ以下の画面サイズを持つディスプレイに表示させる方法は沢山あります。その方法を順番に見ていきましょう。
安いLANケーブルがHDMIケーブルの代わりになる
HDMIケーブルは、長い距離になるほど、ノイズや映像の乱れを防ぐため太くて高価になる傾向です。そこでオススメしたいのが、冒頭でもご紹介したHDMIエクステンダーと呼ばれる変換器です。
別売りのCAT6規格のLANケーブルを使うと、HDMI信号を最大60mまで長距離伝送が可能です。(ご注意)1080pフルHDの場合は40mまで延長可能。720pは60Mまで延長可能です。対応機種:TX側(送信機)はPS3、PS4、Xbox 360、XBox one、AppleTV、Blu-rayプレーヤー、DVDプレーヤー、HDD-DVDプレーヤー、PCなどHDMIポートが搭載されたデバイスに対応。RX側(受信機)がモニター、テレビ、プロジェクターに対応できます。
HDMIケーブルをLANケーブルに変換できる機器 ©
変換器の全体像。入力はHDMIと電源ケーブル端子。出力はLAN(RJ45) ©
こちらは、HDMIケーブルをインターネットに繋げるために使われるLANケーブルへ変換できる製品です。私の場合は、電源も備えている上記の変換器を使用しています。最初は電源不要の製品を選んでみたのですが、ノイズが入ったり、正常に表示させる事ができませんでした。
初めに購入した変換器。残念ながら手元の環境では望む動作をしなかった ©
また、変換器で使用できるLANケーブルは、以下のカテゴリーに対応しています。
- LANケーブル CAT6
- LANケーブル CAT6e (CAT6よりノイズに強いタイプ)
LANケーブルはHDMIに比べて価格が安くて細いのがメリットです。ケーブルの長さは1mから30mなど、ある程度自由に選択できます。かなり遠くのディスプレイに対して配線が可能になります。
私の場合は15mの細いケーブルで配線を行いたかったので、下記のCAT6ケーブルにしました。
一年間保証。カーペットの下や、細い隙間にスッキリ配線できるスリムなLANケーブルです。100%銅線、4対8芯シールドケーブル。最大1.0Gbps/250MHz、100BASE-TX,10BASE-Tに対応しています。
購入したLANケーブル ©
もし、ノイズに強く安定性を重視したい!という事でしたら、LANケーブルが太くなりますが、CAT6e対応のLANケーブルがオススメです。
DisplayPort端子はHDMIに変換しておく
映像出力の端子がDisplayPortとなっている機器も多いかと思います。その場合はDisplayPort端子をHDMI端子に変換できる製品がありますので、そちらを使います。
DisplayPort(DP、 DP++、 DisplayPort++)付きのラップトップやパソコンをHDMI入力(HDMIケーブル、別途販売)付きのHDTV、モニター、映写機に接続します。最大1920x1200・1080P(フルHD)までの動画解像度と非圧縮デジタル形式の7.1ch、5.1ch、2ch経由の音声転送に対応。
私の場合もDisplayPortの映像出力端子を、一旦HDMI端子に変換して、前述のようなHDMI→LAN変換器に接続しています。
購入したDisplayport HDMI変換ケーブル ©
ワイヤレス(無線)で離れたディスプレイを表示させる
LANケーブルを使うと、40mくらいまでは問題なくフルハイビジョンの映像を表示させることができます。ただし、それ以上離れた距離の液晶ディスプレイを表示させるためには、ケーブルや機器が高価になってしまう傾向です。
そこでオススメしたいのがワイヤレストランスミッターです。
0.1秒以下の最小遅延で1080P 60Hzの映像をワイヤレスで送信できます。入力端子はHDMIまたはSDIに対応。使用シーンは、1つの送信機と2つの受信機、または1つの送信機と1つの受信機に加えて4つのiOSまたはAndroidスマートフォンとタブレットに対応しています。伝送可能な範囲は最大400フィート(約120m)・日本国内の技適取得済製品となっており、屋内で使用可能となっています。詳しくは解説レビューを御覧ください。現在は新製品の400S Proが登場しています。
ワイヤレスでHDMIモニターやスマートフォンに同時表示できる ©
こちらのトランスミッターではHDMIの映像入力を最大で120m離れた場所へ表示できます。詳しい解説は以下の記事で説明していますので、ご覧になってください。
遠く離れたスマートフォンやiPadにHDMIの画面を表示させる
前述でご紹介したワイヤレスタイプのビデオトランスミッターには、iPhoneやiPadなどのタブレットへ無線を使って画面の表示ができる製品が存在します。詳しくは以下の動画解説をご覧ください。
AndroidとiOSプラットフォームの両方に対応するアプリ「CineEye」によって最大4台のiPhoneやAndroidなどのスマートフォンやタブレットに映像を表示させることができます。価格が安く、内蔵バッテリーのため軽量。そしてアプリのモニタリング機能の完成度が高いのも特筆。ピント位置や露出、撮影フレーム、3DLUT表示・スマホ内で動画記録なども可能。詳細は解説レビューからもご確認ください。現在はバッテリーが交換でき、長時間撮影に最適なAccsoon Cine Eye2も登場しています。
こちらは伝送機器としては価格が安く、100m離れた位置から画面表示できる製品です。ケーブルが不要となるので、設置上の制約が少ないのも大きなメリットです。
離れたディスプレイで4Kを表示させるには
10m以上離れた距離にある4KディスプレイをHDMIケーブルやDisplayPortで接続して表示させるのは、現状では難しいようです。私の場合は、以下の10mケーブルとコネクタを使って、なんとか10m以内で配線できるように、ディスプレイとPCのレイアウトを工夫しました。
HDMI端子を90°または270°へ角度変更できるコネクタです。
HDMI2.0規格に対応した長いケーブルです。48bitカラー(ディープカラー)まで対応し、4Kx2K UHD、4096x2160、3840x2160、2560x1600、2560x1440、1920x1200、1920x1080、1366x768、1280x720などほぼ全ての解像度に対応します。
またセカンドディスプレイではDisplayPortケーブルが必要でしたので、下記のケーブルを使ってみました。
ケーブルの両端がDisplayPortオスとなるケーブルです。DP, DP++, DisplayPort++を搭載しているパソコンをモニター又はプロジェクターに接続可能です。DisplayPort規格はver.1.2に。最大21.6Gbps(1レーン5.4Gbps×4)の伝送速度に対応し、最大3840×2160までの高解像度表示が可能です。