一眼レフやミラーレスカメラ、ビデオカメラの映像をiPhoneやiPad、Androidなどのスマートフォンにワイヤレスで映像を表示できるHollyland Mars400Sをレビューします。

Hollyland Mars400Sは、送信機(TX)と受信機(RX)からなる製品で、送信機に入力されたHDMIやSDI端子の映像を400フィート(約120m)先の受信機へ映像を伝送できます。

Hollyland Mars400Sの使用例。HDMIモニターやスマートフォンに同時表示できる
Hollyland Mars400Sの使用例。HDMIモニターやスマートフォンに同時表示できる ©

Hollyland Mars400Sの使い方や特徴については、以下の動画でも解説を行っていますので是非参考にしてください。

伝送できる映像の最高画質は1080p 60fps。4Kの1/4の解像度になります。また最大で4台のスマートフォンやタブレットとWi-Fi接続を行い、ワイヤレス外部モニターとして利用可能です。例えば、以下のような使い方ができます。

Hollyland Mars400Sとカメラ・モニターの接続使用例
Hollyland Mars400Sとカメラ・モニターの接続使用例 ©

複数のモニターで映像を確認したい時や、HDMIケーブルが配線できない場所では特に便利です。カメラの映像撮影だけでなく、HDMI Type-A端子からの映像入力であれば、他の機器にも活用ができます。例えば、ゲーム実況や無線の監視カメラ、屋外の外部収録にも役立つかと思います。

実際に使用してみると、安定感のある映像がワイヤレスで確認できました!また、スマートフォンで使用できるモニターリング機能が非常に高機能なので、今後愛用したいと思っています。詳細は後半で解説していきます。

Hollyland Mars400Sで使えるスマホアプリ「Hollyview」のモニタリング機能。輝度を各色で判別できる
Hollyland Mars400Sで使えるスマホアプリ「Hollyview」のモニタリング機能。輝度を各色で判別できる ©

国内のAmazonの取扱い開始時期は2020年3月。寸法サイズは送信機が192g、受信機が189gと軽量です。今回は、Shenzhen Hollyland Technology Co., Ltdさんより、同製品をご提供頂きました。その他に、HDMIケーブルを介さず無線で映像データを伝送できる機材は、以下が参考になります。

それでは、Hollyland Mars400Sについて、詳しく見ていきたいと思います!

目次:ワイヤレスでHDMI映像を伝送できるHollyland Mars400S

映像の無線送信とリアルタイム表示ができる

冒頭でも触れたとおり、最も特徴的な機能は映像データの無線伝送です。カメラを始めとした映像出力端子を持つ機器を、Hollyland Mars400Sの送信機(TX)に繋げると、最大で120m離れている受信機(TX)から映像の受信ができます。

Mars400Sの送信機(TX)と受信機(RX)。入出力のHDMIケーブルを挿している。
Mars400Sの送信機(TX)と受信機(RX)。入出力のHDMIケーブルを挿している。 ©

Mars400Sの送信機(TX)と受信機(RX)。側面に入出力のHDMI・SDI端子を備えている。
Mars400Sの送信機(TX)と受信機(RX)。側面に入出力のHDMI・SDI端子を備えている。 ©

Hollyland Mars400Sで接続できる機器のパターンは次の2通りです。

2つの受信機とモニターディスプレイや録画機の接続

Hollyland Mars400Sでは最大で2台の受信機(RX)と接続できます。これによって複数の外部モニターと接続できます。受信機(RX)とモニターはHDMI Type-Aケーブルで接続します。

Hollyland Mars400Sとカメラ・各機材の接続例1
Hollyland Mars400Sとカメラ・各機材の接続例1 ©

1つの受信機と4台のスマホ・タブレットの表示

前述した使用方法の他に、1台の受信機(RX)と最大4台のスマートフォンやタブレットが接続できます。スマートフォンは送信機(TX)からWi-Fi接続によって専用アプリで表示ができます。

Hollyland Mars400Sとカメラ・各機材の接続例2
Hollyland Mars400Sとカメラ・各機材の接続例2 ©

仕事での活用シーンでは例えばクライアントさんの立会いの中で、撮影内容を離れた位置から見て貰えるのに使えそうですね。また、複数人で撮影を楽しみたい時にも撮影結果をワイヤレス送信できるので便利だと思います。

Hollyland Mars 400Sの活用例と配線パターン

その活用方法は用途に応じて多岐にわたると思いますが、個人的には複数の人員で撮影結果を鑑賞したいシーンや、自宅内でHDMIケーブルを引き込むのが難しい場所で使用したいと思います。

試しに、以下の手順でワイヤレスな構成を利用してみました。

  1. カメラと送信機をHDMI接続

    手元のカメラのmicro HDMI端子へから、Hollyland Mars400Sの送信機(TX)のHDMI入力端子をケーブル接続します。

  2. モニターと受信機をHDMI接続

    Hollyland Mars400Sの受信機(RX)のHDMI出力端子と、外部モニターのHDMI入力端子をケーブル接続します。

  3. 各端末の電源を入れます

    Hollyland Mars400Sの送信機(TX)と受信機(RX)の電源を入れます。起動後は自動的にノイズの少ないバンドを探して接続確立を進めてくれます。

映像の方は遅延が少なく、滑らかな映像でした。Youtubeで複数のカメラを使った撮影でも、違和感のない使用感でした。例えば自宅でHollyland Mars 400Sを使って撮影した映像はこちらになります。

カメラやHollyland Mars400Sの接続図はこのような感じになります。

ATEM Miniとカメラ・各機材の接続例
ATEM Miniとカメラ・各機材の接続例 ©

今回は、Hollyland Mars400Sの受信機(RX)を、映像切替器のATEM Miniという機材のHDMI入力へ接続して使いました。ATEM Miniについては下記が参考になります。

iPhoneやAndroidを無線カメラモニターに変える

Hollyland Mars 400Sの最大の魅力は、iPhoneやiPad、Androidなどのスマートフォンやタブレットを高性能なHDMIモニターとして活用できる点です。この機能が非常に素晴らしいので、個人的にはスマートフォンでモニタリングする機会が多くなりそうです。

Mars400Sには、Wi-Fiが搭載されていますので、iPhone等からアプリを起動するだけで映像を表示できます。表示にはケーブル等の配線は必要ありません。専用受信機(RX)や外部モニターを持っていくのが大変な環境や、屋内で手軽にカメラ映像を確認したい時にはとても便利です。

アプリは高性能なモニタリング機能を搭載

そして、実際に使用してみて驚いたのがモニタリング機能です。iOSやAndroid用の専用アプリ「Hollyview」では次の機能が利用できます。

Mars400Sのモニタリング機能

詳しい内容は動画の11:21以降でも解説を行っています。

  • ルミナンス波形モニター(WFM)

    映像の露出確認が横軸の輝度分布で把握できます。

    Hollyviewのルミナンス(輝度)波形モニター(WFM)
    Hollyviewのルミナンス(輝度)波形モニター(WFM) ©

  • ヒストグラム(HIST)

    一般的なカメラに搭載されているものと同様です。暗い箇所から明るい箇所までの分布が分かるグラフです。

  • フォーカスピーキング(Focus)

    ピントの合っている箇所を赤色や他の色で表示させます。色で表示したい箇所の閾値も変更できます。

  • ゼブラパターン(Zebra)

    一定の輝度を超えた箇所を縞々模様で把握できます。ゼブラを表示したい輝度の閾値も変更できます。白飛びや黒つぶれ、肌の適正露出を把握するのに役立ちます。

  • フレーム(Frame)

    4:3や16:9などの比率を赤い枠線や中心線(センターマーク)を把握できます。映画撮影やその他のアスペクトで撮影したい時の参考にできます。

    Hollyviewのフレーム(Frame)
    Hollyviewのフレーム(Frame) ©

  • ピント拡大機能(Magnify)

    ドラッグで選択した箇所の拡大機能です。

    Hollyviewのピント拡大機能(Magnify)
    Hollyviewのピント拡大機能(Magnify) ©

    Hollyviewのピント拡大機能(Magnify)。拡大箇所はドラッグ操作で選択可能。
    Hollyviewのピント拡大機能(Magnify)。拡大箇所はドラッグ操作で選択可能。 ©

  • フォルスカラー(偽色)(False)

    映像の明るさを大まかな区分けにし、各色で表示させます。黒飛び・白飛び・肌の適正露出が同時に把握できます。

    輝度帯を示す下部のスケールと照らし合わせて、各明るさが把握できる。
    輝度帯を示す下部のスケールと照らし合わせて、各明るさが把握できる。 ©

  • 単色表示(MonoColor)

    選択した単色(例えば赤色)で表示させます。ノイズなどの確認などに役立ちます。

  • 3DLUT適用後の色合い表示機能(3D LUT)

    外部ファイルの3DLUTファイルをインポートし、グレーディング結果をプレビューできます。

これらの機能は、高性能な外部モニターにしか搭載されていないと思っていたのですが、まさかスマートフォンでモニタリング機能が使えるとは…!かなり驚きました。各モニタリング機能については、下記で解説した外部モニタリング機能に迫る内容だと思います。

上記を御覧頂いても分かる通り、似た機能を搭載しているので、モニター製品を意識している印象ですね!

Hollyland Mars400Sの付属品と各部について

続いてMars400Sの付属品を詳しく見ていきたいと思います。Mars400Sを購入すると次の内容が同梱されています。詳しい使い方は動画の05:44以降でも解説を行っています。

  1. Mars400S本体 2台

    側面にTXと記載された送信機、RXと記載された受信機が1台ずつ入っています。

  2. アンテナ 5本

    送信機(TX)と受信機(RX)で通信させるためのアンテナです。TXとRXで2本使用しますが、1本は予備になります。

  3. L字ブラケット・ネジ・コールドシュー

    カメラにMars400Sを装着するための付属品です。縦に装着したり、L字ブラケットによって横に寝かせた状態で装着できます。

  4. ACアダプター(DC in 8V) 1台

    電源コンセトから送信機または受信機を給電できる電源アダプターです。不意に外れないようにロック機能が備わっています。

  5. USB Type-CからType-Aの変換端子

  6. 取扱説明書の英文マニュアル

Mars400Sのバッテリーと電源供給方法

Hollyland Mars400Sでは、本体裏側にバッテリーの挿入口が用意されています。また側面にはACアダプターを装着できるDC inの端子が備わっています。DC in端子では、購入時に付属されるACアダプターによって、1台の端末に給電は可能です。

Hollyland Mars400Sの背面部。バッテリー装着口がある
Hollyland Mars400Sの背面部。バッテリー装着口がある ©

対応バッテリーはSONYのLシリーズ・リチャージャブル・バッテリーパックです。例えば、NP-F970やNP-F570、互換バッテリー等が利用できます。私の場合は、以下の互換バッテリーやDCカプラーを使用しています。

Hollyland Mars400Sの各接続端子やスイッチ

Hollyland Mars400Sでは、本体の右側面に

  • 電源スイッチ
  • 電源端子(DC 8Vから16Vに対応)

が備わっています。

また、左側面では本体の左側面に

  • USB Type-C端子

    USBケーブルによるファームウェアアップデートができる。

  • HDMI・SDI端子

    送信機(TX)では映像の入力端子、受信機(RX)では映像の出力端子となっています。HDMIからSDIの変換器としても活用できます。

が備わっています。

また、本体正面ではOLEDディスプレイに表示されるメニューを選択できるボタンが備わっています。

  • ●ボタン (Menu・OKボタン)

    ボタン長押しでメニューが開きます。メニューの決定はボタンを1回押します。メニュー内では、電波の混信状況や通信モードの選択ができます。詳しい内容は動画の12:02の解説をご覧ください。

  • ▼ボタン (Up・Downボタン)

    左右に三角形状のボタンが配置されていますが、メニュー表示時に、表示される選択項目の上下移動ができます。

Hollyland Mars400Sの通信距離は実際どれくらいなの?

Hollyland Mars 400Sを実際に使用し、通信距離を簡単に調べてみました。

Mars 400Sでは、送信機(TX)と受信機(RX)間の通信だけでなく、送信機と最大4台のiPhone・iPadなどの端末と通信ができます。Hollydland Mars400Sを実際に使用してみたところ、受信端末が専用受信機(RX)か、iPhoneかどうかで利用可能な距離が異なるようです。調べてみた結果は、次のようになりました。

iPhoneとHollyland Mars400Sの通信可能距離

私が試用した屋内環境では15mから20mほどの距離で利用できました。Mars 400Sとスマートフォンが無線通信できる距離は、一般的なWi-Fiルーターと同程度のようです。

専用受信機(RX)との通信可能距離

受信機(RX)を使用すると、更に通信可能な距離が伸びて50mの距離で利用できました。送信機と受信機の間に壁などの障害物がある環境でしたが、障害物が全く無い環境では120mまで届くのかもしれません。

ただし、50mも届けば色んな撮影シーンで活用できる十分な可能性を持ってると感じました。

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