ND2からND400まで減光できる可変NDフィルターがK&F Conceptから登場しました。レンズ前面にねじ込むと、シャッタースピードを落とすことができます。動画撮影で一定のSSを確保したい時や、写真撮影で海や川などをスローシャッターで印象的に撮影したり、夜景シーンで車のヘッドライトを線のように撮影したい時に便利なレンズフィルターとなっています。
減光範囲ND2~ND400を1枚で実現した可変式NDフィルターです。レンズフレアとゴーストを著しく低滅し、反射を抑え、明るく多彩な写真を自由に撮れます。
カメラ:SONY α6600|画角:18mm F8.0|シャッタースピード:30秒|ISO 100(ND2-400フィルターを使用) ©
動画撮影での使用例 ©
可変フィルターの使用感は次のYoutube動画の8:53
以降でもご紹介していますのでご覧ください。
私の場合は、夜景の撮影や滝の撮影で使っています。
NDフィルターを使用した撮影例。光の光跡を残したいときに便利 ©
NDフィルターを使用して滝を撮影した様子 ©
特に、一般的なNDフィルターと比べると、今回のフイルター製品では調整できる減光幅が広いので、様々な明るさの中で欲しいシャッター速度を得ることができるのは魅力的だと思いました。ND2やND8、N1000など…何枚もNDフィルターを持ちたくないと言う方には、かなりオススメです!
NDフィルターの外観。合皮のケースも付属される ©
購入時にはNDフィルターの汚れや衝撃から守ってくれる上記のような収納ケースも用意されています。
カメラ装着後の様子。側面の赤いレバーが操作しやすい ©
一般的なNDフィルターは減光できる値が固定なのですが、こちらはND2-400
までレンズの側面を回すと、微調整が行えるようになっています。カメラに到達する光の量が減っていく様子は、レンズ前面をみても良く分かります。
次の写真は、ND2とND400近辺に回した状態の比較です。
フィルターの色がサングラスのように色濃くなっているのが見えますね 😲 当記事では、更にもう少し細かく特徴を見ていきたいと思います。
K&F Concept可変式NDフィルターのレビュー
可変式NDフィルターの内容物
それではまず、K&F Conceptの可変式ND2-400レンズフィルターの内容物を見ていきましょう。購入すると、次のような中身になっています。
NDフィルターの中身 ©
元箱
化粧ケースにもマグネットが内蔵されており、開閉も機能的に行えます。
フィルターケース&フィルター本体
合皮で作られたレンズを保護するケースと、NDフィルター本体となっています。
NDフィルターのケース内容物 ©
内容物は全体としてシンプルなのですが、元箱と収納ケースに磁石が入っており、細かい部分まで作り込みされているのは好感が持てました!
NDフィルター装着後のシャッタースピードの計算方法
NDフィルターを使ったシャッタースピードの計算方法は次の通りです。基本的には、シャッタースピードにNDフィルターの値を掛け合わせるだけです。
- 現在のシャッタースピード x NDの値 = NDフィルター装着後のシャッタースピード
例えば、シャッタースピードが1/400
秒で適正露出だとします。そこにND400フィルターを装着すると
更に、ND2の場合はどうでしょうか?
という計算結果になります。従って、ND400フィルターを装着するとシャッタースピードが1
秒で装着前と同じ適正露出で撮影ができます。更に、ND2フィルターを装着すると、1/200
秒となります。
今回ご紹介しているNDフィルターは可変式なので、現在のシャッタースピードに対して、2倍から400倍の範囲内で微調整が可能です。シャッタースピードを遅らせる効果を柔軟に楽しめるのは便利ですよね ☺️
NDフィルターの減光調整レベルが分かりやすい!レバーが搭載
可変式フィルターでは、レンズフィルターのガラスが2枚合わさった構造になっています。そこで、前面レンズ枠を指で回転させて、減光の掛かり具合を調整することができます。
K&F Conceptの可変式ND2-400レンズフィルターでは、レンズの枠を回す以外にも、赤いレバー状のパーツが用意されています。
NDフィルターの目盛りとレバー(赤色)が操作しやすい ©
減光の掛かり具合を示す最低値ND2
とND400
は、フィルター側面にも印字されていますので、最低値と最大値は目視で確認できるようになっています。現在の位置は、三角マークの印字で知ることができます。
レバーと離れた位置に、三角マークが印字されていますので、レバーの影に隠れることなく、見やすい設計になっているのも良いところです。
動画撮影で一定のシャッタースピードを保つのに役立つ
NDフィルターは写真撮影だけでなく、動画撮影にも役立ちます。映画やCMなどを見ると、どこかしっとりした風合いの映像をよく目にすることができるのですが、それはシャッタースピードを低速かつ一定速度に維持しているからなんです。
例えば、30fps
で映像撮影を行いたい場合、シャッタースピードが1/60
〜1/125
が良いと言われています。そういったシャッタースピードを維持するには、固定値のNDフィルターよりも可変式である方が便利です。
また、NDフィルターだけでなくブラックミストフィルターを併用して柔らかい雰囲気を出すこともできます。
ブラックミストフィルターを併用すると光を印象的に表現できる ©
ブラックミストフィルターとNDフィルターで併用できる ©
NDフィルターの前面にはブラックミストフィルターを装着できないので、NDフィルターとレンズの間にブラックミストフィルターを装着してみました!
NDフィルター装着後のカメラとミストフィルター ©
ブラックミストを併用してみた ©
今回ご紹介している可変NDフィルター以外にもミストフィルターやCPLもセットになった磁石式の可変NDフィルターも便利です。撮影シーンに応じて便利なものを参考にしてみてください。
フィルターは大きめの口径サイズを揃えると節約効果が高くてオススメ!
レンズフィルターは装着するレンズによって、前玉の口径サイズが異なりますよね。基本的には、使いたいレンズのフィルター口径サイズと同じサイズのNDフィルターを購入すれば大丈夫です。
ただ、難点としては、レンズ毎にNDフィルターを用意する必要があり、出費が増えてしまうのが問題になります😨
そんな時には、次のようなステップアップリングを用意すれば、1枚のフィルターを複数のレンズで使い回すことができます。
大きめのフィルターを1枚買っておき、このリングで様々なサイズのレンズに使い回す事ができるのが特徴。
フィルター購入費用を抑えたい、節約したい方にはステップアップリングの活用が便利です。一度お試しください♪
デメリット:X状の濃度ムラが発生してしまう点に注意
これまでも触れた通り、ND2からND400まで自由にフィルターの濃さを変更できるのは大きなメリットですが、1つ注意点があります。こちらの製品では、ND400に近づけていくほど、画面上でX状の濃度ムラが発生してしまいます。
その発生した様子は、記事冒頭で掲載している写真撮影例をご覧ください。
実際に使用した感想としては、撮影風景によって濃度ムラが分かりにくいシーンもあるのですが、ND400よりも手前(ND200など)まで抑えて使うと、気にならないレベルとなりました。
濃度ムラが気になる方は、NDフィルターの脱着が便利な磁気フィルターを選ぶと良さそうです。