蛍(ホタル)を一眼レフのカメラや、スマートフォンで綺麗に撮影する方法についてまとめてみたいと思います。
基本を抑えて蛍を綺麗に撮ってみよう ©
ホタルを撮った事がないカメラ初心者の方にも参考になるように、一から分かりやすく解説しますので、よろしければ参考にしてください。具体的には
- 撮影に必要なもの
- ホタルの撮影方法
- 誰でもできる簡単な仕上げ方法(合成方法)
を順番にご紹介します。
目次
蛍の撮影に必要な物ってなに?
まずは蛍の写真撮影をするために必要なアイテムの準備をしておきましょう。詳しくはこちらをご覧ください。
上記でまとめている内容を簡単に説明すると、最低限必要なのはこの3つです。
三脚をお持ちでない方は、スマホとカメラの両方で使えるMactrem PT55がおすすめです。
重たいカメラでも安定させる事ができる三脚としては比較的安い。スマホ用のホルダーがついているので、携帯電話も固定できるのが嬉しいポイントです。重量1.23kg・耐荷重3kg、47cmから140cmまで伸縮できます。
その他に以下の内容を準備しておくと便利です。
- 足元を照らすライト
- レインコート(カメラ用と人用)
- 長靴
- カメラのリモコン
- 予備電池またはモバイルバッテリー
- 腕時計(秒針が蓄光塗料で確認できるもの)
特にカメラ用の雨対策を忘れることが多いのでOPTECHレインスリーブがあると安心です。蛍の時期だけでなく、梅雨のシーズンも使えます。
コストパフォーマンスに優れたカメラ用レインコートの2枚セットです。大きいカメラや望遠レンズを付けていても問題なく使用できます。また、ファインダー用の穴も付いており、必要な機能は十分に備わっているアイテムです。
スマートフォンで蛍を撮影するには
スマホで蛍を撮影する場合は、夜景撮影が得意なアプリや三脚を用意しておくと良さそうです。詳しくは以下の記事をご覧ください。
撮影上のマナーとして必要な光の対策
蛍のいる場所は足元が非常に暗いです。暗い場所を歩くときはライトがあると便利でが、ライトは100円均一で売られているLEDライトやスマホのライト等でも十分です。
ただし、注意しておきたいのは人口の光がホタルにとって害になる事です。ライトは足元だけを照らし出せる最小限の光量に抑えておくと良いです。
例えば上記のように、ライトの先端をアルミホイルで覆ったり、カラーセロファンで発光部分を覆って光の強さを弱めておくのがオススメだと思います。
光の対策方法についてはこちらをご覧ください。
ホタルの撮影方法
それではホタルを実際に撮影するポイントについて見ていきたいと思います。
撮影場所を決める
まずはホタルの現れそうな場所を情報収集します。蛍は種類や生息地域によって飛ぶ時期が全く異なります。また、蛍が飛ぶ時間帯なども事前に確認しておきましょう。
蛍の種類と光り方について
蛍は種類によって光り方が異なります。撮りたい蛍の種類も確認しておきましょう。
ゲンジボタル
撮影すると光の線を描きます。1分間に20回程度の間隔で点滅します。河川に生息しています。
ゲンジボタルは線を描く ©
ヘイケボタル
ゲンジボタルと同様に、撮影すると光の線を描きます。1分間に30回程度の間隔で点滅します。水田や池、湿地に生息しています。
ヒメボタル
撮影すると光の点を描きます。1分間に100回程度の間隔で点滅します。
ヒメボタルは点を描く ©
続いて、生き物や植物を荒らさない箇所にカメラと三脚を取り付けます。ホタルが現れるのは、真っ暗になる時間帯ですので、足元がまだ明るいうちに現地を見渡しておくのがオススメです。
明るいうちに現地を確認しておこう ©
また、川辺のホタルは時期が経つにつれ群がる場所が移動する事もあるそうです。当日はどの辺りが一番多く現れそうなのか、予め現地の人へ聞いたり、ネットで調べてみましょう。
明るいうちにピント合わせ
ホタルが現れる場所が分かっており、その場所で撮影し続ける予定でしたら、明るいうちにカメラでピント合わせをしておきましょう。
真っ暗になるとファインダーから覗いても、どこにピントが合っているのか分からなくなるほど暗くなる事があります。真っ暗になった時は、カメラのファインダーやライブビュー機能(液晶表示機能)で画面を拡大しながらピント合わせを行います。
いざ撮影!マニュアル撮影で絞りと感度を調整する
次に撮影の設定をしておきます。撮影時にはカメラの撮影モードをマニュアル(Mモード)にして撮りましょう。なぜマニュアルで撮るかというと、カメラは暗いものを実際より明るく撮ろうとしてしまう性格があるからなんです。
カメラの自動露出
カメラの撮影モードがオートになっていると、カメラが実際よりも明るく撮ろうとする事があります。これを自動露出と呼んでいます。自動露出は以下のような撮影モードで機能します。
- Autoモード
- AモードまたはAvモード (絞り優先)
- SモードまたはTvモード (シャッタースピード優先)
- Pモード
しかし、マニュアルモード(Mモード)では自動露出の影響を受けることなく撮影することができます。ホタルの撮影場所は極端に暗いのでマニュアル撮影がオススメです。詳しい内容は以下の記事をご覧ください。
…と話を戻しますが、今回やることはカメラ設定の中でもF値(絞り)
とISO(感度)
という項目を調整するだけです。
蛍撮影ではF値とISOを調整して適切な明るさの写真を撮る ©
一般的に、マニュアルモードで操作するのはF値(絞り)
とSS(シャッタースピード)
とISO(感度)
の3つです。ホタル撮影ではシャッタースピードは常に30秒程度で固定して撮影します。つまり、残るはF値(絞り)
とISO(感度)
を操作するだけでOKです。
撮影時には、まずはじめにシャッタースピードを30秒に設定しておきます。ここで一度撮影をしてみてください。撮影した結果を見て、もし暗すぎる場合はF値(絞り)
をできるだけ小さい値にするか、ISO(感度)
を高い値に設定してみてください。明るすぎる場合はこれらを逆の値に調整します。
F値・SS・ISOの関係について
F値(絞り)
とSS(シャッタースピード)
とISO(感度)
についての関係が分からない場合はこちらの記事をご覧ください。
撮影した写真を確認する
思ったように撮れましたでしょうか? ここでは実際に撮影した写真を例に話を進めてみたいと思います。ホタルを撮るには、1枚の撮影で30秒程度は必ずかかるので、普段の写真よりも気長に撮る必要があります。
私が撮った写真は以下のような感じになりました。全部で8枚です。ホタルの飛ぶ数にもよりますが、少しもの足りない気もしますね…。
1枚目の写真 ©
2枚目の写真 ©
3枚目の写真 ©
4枚目の写真 ©
5枚目の写真 ©
6枚目の写真 ©
7枚目の写真 ©
8枚目の写真 ©
蛍写真の簡単な仕上げ方(明部合成方法)
実は、巷で見ることができるホタル写真は合成写真である事が多いです。
合成写真と呼んでしまうと語弊を生みかねないので補足すると、何枚か撮った写真を写真編集ソフトで合わせたものが完成写真となります。
例えば先ほどの8枚の写真を合成すると、次のような完成写真になります。
8枚の写真を合成した後の完成写真 ©
合成にはPhotoshopや無料ソフトのGIMPやPixlr Editorで簡単に行うことができます。合成のイメージとしては次のようになります。
(例)1枚目のホタルの光跡写真 ©
(例)2枚目のホタルの光跡写真 ©
(例)3枚目のホタルの光跡写真 ©
これらの写真から明るい箇所をソフトで合体させます。
合成後の完成写真 ©
これを明部合成と呼んでいます。別の記事で合成方法を詳しく解説していますのでご覧ください。無料のサンプル写真も用意しています。