PCやiPhoneなどで、自分の声をナレーションやテロップとして録音したい場面が増えてきました!今回は、音声を綺麗に録音するための方法やおすすめのマイクをご紹介していきます。
当記事では、安くて手軽に始められる録音方法から、別売りのマイクを使って本格的に録音する方法まで順番に解説を行っていきます。予算やどこまでのクオリティを求めるのかに応じて、読み進めてください。記事内では、次のようなピンマイクを最初の1本としてオススメしています。
iPhoneのイヤホンマイク挿入口やMacBookProのイヤホンマイク端子(TRRS端子)に装着して使用できるピンマイクです。野外の録音や、コードが引っ張られた時に発生するノイズ音を低減する工夫がなされており、口元の音声をクリアに録音できます。※プラグインパワーで駆動するマイクです。別売りの変換端子によって一般的なマイク端子へ変換して使うこともできるため、利用範囲が広く優れものです。
PCやカメラを使った音声録音、オンライン会議などのチャットでは、上記のピンマイクが価格と音質のバランスが良くてオススメです。この記事をご覧になった方からも良いご感想を頂きました!ありがとうございます。
MacBookProにRode Smart Lav+を装着した様子 ©
私自身も声を録音する事が多いので、マイクの収録例を1つご紹介したいと思います!最近は次の動画のように、Youtubeで商品レビューを行うためにピンマイクを活用していることが多いです。
紛らわしいのですが、上記の動画ではマイク製品をレビューするため、別のピンマイクを使ってナレーションをしています。普段使っているマイクと、レビューしているマイクとの比較も行っているのですが、マイクによって随分と特徴が違うことが分かります。どんな感じなのか、是非とも参考程度にご覧ください 😄
その他にも、私の場合はカメラのセミナーイベント(企業のYoutubeへ)で、マイクを活用することが増えてきました。
マイク製品は驚くほど様々なタイプがあるので、調べていくうちに色々なマイクを使って深みにハマってしまいました 😅マイク沼には是非ともご注意ください(笑)
ただ、用途や目的が決まっていれば、ここまで揃える必要はありませんので、どうかご安心ください(笑) そして、最近のノートPCやMacbook AirやMacbook Proには内蔵マイクやマイク端子が備わっているモデルが多いです。
つまり、マイクが内蔵されているPCでは特に何も購入しなくてもそのままで音声を録音することができます。
MacBook Pro 2019年モデルのマイク位置 ©
MacBookを例に挙げて解説しますが、Windowsでも似たような感じになります。
ノートPCの内蔵マイクは、手軽で良いのですが、1つ問題があります。それは「サー」というノイズ音(ホワイトノイズ)や、PC自体から発する機械音の混入です。ノートPCのマイクは、ノイズ音の発生源から近いため、どうしてもノイズを多く拾ってしまいます。
更に、音の厚みまでしっかり録音しようとすると案外難しいものです。私も実際に音声を録音していくうちに、ノイズが気になり、色々なマイクを触れてみたいと思うキッカケとなりました。
当記事では、初心者から本格的な録音をする方法まで順番にご紹介していきます。
LINEやSkype、Zoomを使ったリモートワーク、オンラインサロンやチャット、Youtube配信、ニコニコ生放送などを始めたい方の参考になれば幸いです。
目次
マイク付きイヤホンをPCに接続して録音する
マイクの購入費用を最大限に安くする方法はあるのでしょうか?まずは、低コストで始める方法についても、簡単に見ていきましょう!
MacBookやWindowsのPCには3.5mm 4極ピンプラグ(別名:TRRSと呼ばれる)
というヘッドフォン端子が備わっているモデルが多くあり、そういったモデルではイヤホンマイクの内蔵マイクを使う事ができます。
非常に安価なマイク付きイヤホンです。従来のイヤホン端子があれば挿すだけで音楽を聞いたり、マイクとして使用できます。
イヤホンはiPhoneやAndroidなどでも使えるもので十分です。また、ヘッドフォン端子が備わっていないパソコンでは、このあとで紹介するUSBサウンドカードを利用するのがおすすめです。
マイク端子が無いPCでマイクを接続する方法
最新のMacBookやWindowsのノートPCでは、マイク端子が備わっていないモデルもあり、マイクが挿入できないPCが増えています。そんな時は、以下で解説されている方法がおすすめです。
本格的なピンマイクで録音しよう(iPhoneに直接挿せるマイク)
続いてご覧いただくのは、冒頭でも紹介したマイクです。前述のイヤホンマイクでもそれなりに音声を録音する事ができるのですが、ホワイトノイズが乗ってしまったり、録音性能が少し物足りない印象に感じるかもしれません。私は少し上のランクのマイクが欲しくなって、以下の製品を後から購入しました。
iPhoneのイヤホンマイク挿入口やMacBookProのイヤホンマイク端子(TRRS端子)に装着して使用できるピンマイクです。野外の録音や、コードが引っ張られた時に発生するノイズ音を低減する工夫がなされており、口元の音声をクリアに録音できます。※プラグインパワーで駆動するマイクです。別売りの変換端子によって一般的なマイク端子へ変換して使うこともできるため、利用範囲が広く優れものです。
実際に使ってみると、Rode SmartLab+は口元の音声をしっかり録音してくれる優れものでした。付属されているウインドスクリーン(風防)のお陰で、クリアに音声を録音できて非常に満足度が高かったです。
また、録音する環境に応じて、次の3つの優先順位で各製品を揃えると、音声を集音する環境が快適になりますよ ☺️
スマートフォンもピンマイクが使える!
この章で紹介したRode SmartLab+は、価格と性能のバランスが良く、イヤホン端子を備えている旧型のiPhoneやPC、Androidに直接挿して録音する事もできます。スマホやMacbook、最近のノートPCで音声を録音したい方はこちらのマイクを揃えるだけでOKです。
Rode SmartLab+は、3.5mmの4極ピンプラグ(TRRS端子)と呼ばれる端子になっています。こちらはイヤホンマイクを挿せるスマートフォン、例えば旧モデルのiPhone(iPhone6以前のモデル)や、Android、ノートPCで使うことができる端子の規格です。
新しいiPhone7やX/XS/XR/11/12以降の機種、iPadなどのイヤホン端子が無いモデルでは、次の変換ケーブルを使うとピンマイクを使用できます。
イヤホン端子が無いiPhoneでICレコーダを使う
先ほども触れましたが、最近のiPhone(iPhone 12/11/X/XS/XR/7 Plusなど)では、イヤホン端子が廃止されています。そういった機種では、スマートフォンで音声を綺麗に収録する手段が他にもあります。
それは以下のような、小型ICレコーダーから音声入力する方法です。
付属のステレオマイクで音声を収録したり、3.5mmのマイク入力端子や、PC・iPhone・iPadにUSB接続して音声収録も可能になる小型軽量なICレコーダーです。
ICレコーダー本体のマイクが優秀なので、ピンマイクと同様にクリアな音声を録音できます。
ピンマイクとイヤホンを同時に使うには分配ケーブル
通常はマイクをPCやスマートフォンのイヤホンマイク端子に挿入すると、その端子は塞がってしまいます。端子が塞がってしまうとイヤホンを挿すことが出来なくなり、音声の確認が難しくなります。
そこで、次のケーブルを購入すると、イヤホン端子とヘッドフォン端子を別々に用意できるようになります。マイクに加えて、イヤホンから音声を確認できますので、非常に便利となります。
スマホやタブレットの4極音声端子(CTIA規格)に汎用的なイヤホンとマイクを別々の端子として接続できるケーブルです。
MacBookProでピンマイクとイヤホンを同時に使える ©
そして、冒頭でも紹介したRode SmartLav+をこの変換ケーブルへ挿入するには、更に以下の変換アダプターが必要になります。
RODE SmartLavのようなiPhoneに直接接続可能なTRRS端子マイクを、一般的なPCに備わっているマイク端子(TRS端子)に変換できるコードです。
マイク・イヤホン分配ケーブルは以下の3番目で紹介するUSBサウンドカードでも代用できます。
PCでマイク端子が備わっていない時に便利
3.5mmプラグのヘッドホン、スピーカー等の音声出力やマイク入力をUSB経由に変換できるUSBオーディオ変換アダプタです。Mac OS/Windows/Linux等のシステム搭載したデバイスに対応。現在Macで主流のUSB type-Cに対応したサウンドカードもあります。
マイク端子の無いPCでもマイクを使えるようになるUSB機器です。マイク端子が備わっている端末では購入しなくてもOKです。
ICレコーダとラベリアマイクで複数人の声を同時に録音
現在、私が愛用している音声の録音環境は、こちらの2つを使った組み合わせです。屋内でYoutubeの音声を録るときはこのICレコーダーを使っています。
ZOOM H6とピンマイクの組み合わせ使用例 ©
多目的プロフェッショナル・ハンディレコーダーです。プラグインパワーのマイク入力(1系統)や4つのXLR入力端子とレベル調整つまみ、液晶モニター、交換可能な専用マイクを備えており、USBや単3電池4本で駆動させる事ができます。またPCと本体をUSB接続するとオーディオインターフェースとして音声入力(LINEレベル)できます。
ZOOM H6,H5やTASCAMなどのレコーダーで使いやすいマイクです。48Vファンタム電源を使用し、360度全方位で音をしっかりと拾うことができる無指向性・高性能マイクです。コードは1.8mや4.5mの長さを選択できます。
詳しくは次の動画でご紹介しています。
大きな特徴は、USBオーディオインターフェースを備えている所です。PCに接続するとマイクの音声を認識させることができます。3.5mmジャックのケーブルで音声を収録するよりもノイズが少なく、クリアな音声を集音できます。
また、屋外の撮影で音声だけでなく、演奏やインタビュー、映画で演者さんの声を録音したり、利用範囲が広いのが特徴です。室内で自身の音声を録音するだけでしたら、冒頭で紹介したピンマイクでも十分ですし、音質の違いもありません。
ですが、複数人の声を同時に録音したい方や、屋外でも音声を集音したいときには、ZOOM H6のようなICレコーダーがオススメです。録音例はこちらの動画をご覧ください。
この動画ではZOOM H6の付属マイクと、別売りのガンマイクの組み合わせてライブ演奏を撮影してみました。
Zoom H6は4つのマイクを接続できます。更に付属されている交換式のマイクを含めると1〜2つの音声も追加で録音できます。電源供給ができない屋外やカメラに装着して音声収録をしたいときに最適です。
また、入力端子はXLRタイプコネクター(キャノン)を採用しており、3.5mmミニジャックに比べてノイズの少ない音声を収録できるのが特徴です。実際に音声を収録した結果は冒頭の動画をご覧ください。
エアコンやPCファンの音を拾っていますが、個人的には満足できる録音性能だと思いました。もちろん、ピンマイクだけでなくショットガンマイクやアンビエンスマイクなども接続できます。Youtubeのコンテンツ、映画の音声収録やインタビュー対談動画などの撮影でも非常に便利です。
また、ZOOM H6はPCにUSB接続すると、ZOOM H6に接続されたマイクの音源をミックスして、そのままPCへ音声入力させる事ができます。リアルタイム配信にも便利なので、様々な録音シーンに対応したい方には大変オススメです。
ZOOM H6で使えるマイクやアクセサリーについては別の記事で解説していますので、そちらもご覧ください。
屋外の録音や風の強い場所でオススメのマイク
屋外だけでなく、離れた位置にいる人物の声を録音したい時はガンマイクがおすすめです。
回転式のショットガンマイク2本を搭載し、角度を自由に変えられるマイクです。指向性を変えられ、1つのマイクで超指向性や単一指向性、双指向性に近い集音が可能に。重量は130gと軽量。寸法サイズは122x65x62mm。内蔵バッテリーを備え、USB-Cケーブルで充電やファーウェアのアップデートも可能。充電しながらの使用もサポートします。風切り音を低減できるウインドウジャマーや収納ケースも付属しており、かなり軽量にできています。
こちらは色々なシーンで使える汎用性の高いマイクです。このマイクを1本揃えておけば、いろんな場面で対処できるようになりますので、インタビューや風景の音を録りたい方にはオススメです。実際の音質は、以下の動画が参考になります。
マイクを向けた方向にいる人物の声を中心に音声を集音したり、全体の音を撮ることも可能になります。重量も軽いので荷物になりません。
色々な方角の音を捉えることができる、便利なマイクです ©
詳しくは以下の解説記事が参考になります。
PCと離れた場所で音声を録音するにはワイヤレスマイク
講義スタイルのYoutube配信や、ライブ配信では、PCや録音端末と離れた場所から音声を録音したいというケースがあります。そんな時は、ワイヤレスマイクがおすすめです。
内蔵マイクを備えた送信機(TX)2台と、受信機(RX)1台による、無線のマイクです。ケーブルや本体が収納できるケースが付属。TXとRXの本体重量は、わずか28g(TXは付属外部マイク装着後で46g)。連続使用時間は5時間。2.4GHzのワイヤレス通信によって、最大50mの距離まで音声を届けることができます。詳しくは解説レビューをご覧ください。
ワイヤレスマイクはケーブルを使わず、離れた位置から音声を収録できる ©
実際の使用例はこちらになります。
詳しい使い方は以下の解説記事が参考になります。
プラグインパワーとファンタム電源って何?
マイク選びをする際にプラグインパワーやファントム電源という言葉をよく目にします。これらについても併せて解説したいと思います。マイクの電源タイプは主に
- プラグインパワーで使用できるマイク
- ファンタム電源で使用できるマイク
- 内部バッテリーにより電源が不要なマイク
の3種類に分かれます。
プラグインパワー対応マイクとは?
マイクを使用する際には殆どの機材で電源が必要となります。プラグインパワーとは、3.5mmミニジャックのマイクを利用する際に、1.5V~10V程度の小さな電源供給が必要となる電源駆動タイプの事です。電力の規格については決まりが無く、マイクに必要な電力は機器によって異なるようです。iPhoneなどの3.5mmミニジャックでは、プラグインパワー供給機器でマイクを使うことができます。
逆に、プラグインパワー駆動に対応していない機器へマイクを接続するとマイクで音を拾ってくれない現象が起こる事もあります。接続する機器が電源を供給する仕様なのか確認してみましょう。
ファンタム電源対応マイクとは?
XLR端子(キャノン)と呼ばれる端子を採用しているマイクは12V、18V、24V、48Vの電圧(ファンタム電源)を必要とするタイプです。これらをファンタム電源と呼んでいます。多くのマイクは48Vの電圧が必要なマイクです。こちらは、前述したZOOM H6のようにICレコーダーやミキサーから電源供給して使用する事になります。
ファンタム電源でプラグインパワー対応マイクを使うのは危険
ファンタム電源を供給するICレコーダー等に、プラグインパワーで駆動するマイクを接続しないよう気をつけましょう。マイク故障の原因となるだけでなく、必要以上の電圧が掛かることになり大変危険です。
各マイクと電源供給タイプ
今回記事の中で挙げたマイクは、次のような電源で駆動するマイクです。
また、プラグインパワー駆動が不要なモードと、ファンタム電源供給の切り替えができるマイクも存在します。
ファンタム電源や単3電池1本で駆動できるガンマイクです。
ノイズを防ぐ防音・吸音方法(防音室とリフレクションフィルター)
高品質のマイクを使用しても、外部の音を拾ってしまうことによりノイズとなる事があります。そういったケースでは、以下のような小さな防音室を導入するのもおすすめです。
だんぼっちはダンボール製の組み立て式の簡易防音室です。軽量かつ高強度なハニカムダンボールを使用しており、今までにない手軽な防音室として人気です。
また効果は限定されてしまいますが、部分的な防音フィルターを使うのも良さそうです。
外部ノイズや環境音などを防ぎ、クリアな録音を実現したプロ仕様の録音用リフレクション・フィルターです。
マイクには、その他にも様々な種類があります。指向性やマイクの特徴がまとめられているサイトがありますので、更に詳しく調べたい方は下記もご覧ください。
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