NDフィルターを使うと、カメラの写真撮影や動画撮影でシャッタースピードを遅くしたり、レンズの絞り値をF1.4
やF2.8
などのボケ味を生かした撮影も行いやすくなります。NDフィルター製品には様々なタイプがありますが、その中でも、可変NDフィルターを使うと光の透過量を自由に調節できるのが大きなメリットです。
可変フィルターは次のような可変式NDフィルター製品が有名です。
減光範囲ND2~ND400を1枚で実現した可変式NDフィルターです。レンズフレアとゴーストを著しく低滅し、反射を抑え、明るく多彩な写真を自由に撮れます。
NDフィルターを活用すれば、スローシャッターで撮影して、海を印象的に撮影したり、夜景などの風景も通常とは違った演出が可能になります。
NDフィルターを装着すると夜景も雰囲気がガラッと変わる。 ©
NDフィルターの効果が一定である固定NDフィルターを使う際には、撮影シーンに応じて何枚もNDフィルターを必要としますが、可変NDフィルターを使えば、1枚のレンズフィルターだけで済んでしまうケースもあります。
可変NDと固定NDフィルターの違い
可変NDフィルター
レンズを通る光の量をその場で調節できる。ある程度の範囲内なら可変NDフィルター1枚で撮影できてしまうケースもある。
固定NDフィルター
レンズを通る光の量を抑えられるが、一定で固定。適切なND値を得るためには、NDフィルターを何枚も用意する必要がある。NDとは何か?については後半にある解説欄をご覧ください。
現在は、様々なND値がセットになり、レンズフィルターの交換が素早く行えるマグネットタイプのND固定フィルターも登場しています。
可変NDフィルターのメリットを聞くと、良いこと尽くしのように聞こえますが、逆に可変NDフィルターのデメリットや、注意した方が良い点はあるのでしょうか!?今回は、可変NDフィルターのデメリットを中心に詳しく見ていきたいと思います。
可変NDフィルターのデメリットと注意点とは?
可変NDフィルターのデメリットは縞が発生する問題
ずばり、可変NDフィルターを使う上で避けては通れないデメリットは「濃度ムラ(干渉縞)」です。可変NDフィルターは、光を一部だけ通す特殊なガラスを2枚合わせて作られているのですが、2枚のガラスが交差する角度によって、NDの濃さが調整できます。
ただし、NDの濃度が上がるにつれて画面上で暗い箇所と明るい箇所が目立ってしまい、均一性がなくなってしまう事があります。
可変NDフィルターで発生する濃度ムラ ©
NDフィルターによって落とすことのできる減光量が多くなるにつれて、上記のような濃度ムラが発生しやすくなります。その様子が分かるYoutubeレビューがありますので、そちらもご覧になってみてください。
上記動画の後半10:56
以降では、Freewellというメーカーから出ている可変NDフィルターを使って、濃度ムラが発生していく様子を解説しています。カメラのファインダー像でどのように見えるのか分かりやすいかと思います。
NDの値が増えていくにつれ、NDフィルターによる濃度ムラが徐々に濃くなっていく様子が説明されています。
超広角レンズで可変NDフィルターを使う時は注意
前述の動画の中でも触れられていますが、可変式NDフィルターの濃度ムラはレンズによっても目立ちやすい画角とそうでない画角があります。中でも超広角レンズを使う際には、濃度ムラによる縞が目立ちやすいので、注意しましょう。
標準レンズや中望遠レンズ、さらに望遠レンズや超望遠レンズを使う場合には、可変NDフィルターの縞模様が気になりにくいケースもあります。つまり、実際にカメラとレンズで試してみないと分からない部分もあるのが実情です😅
可変式NDのデメリットを避けたい時にはどうする?
可変NDフィルターのデメリットを何とかしたい!という場合には、やはりND固定フィルターを使うのがおすすめです。ND値が固定のレンズフィルターでは、前述のような濃度ムラに悩むことはありません。
ただ、ND値をその場で変更する為には、別のNDフィルターと交換する手間が必要になります。そこでおすすめしたいのが、マグネットタイプのND固定フィルターです。
マグネットにより、フィルターの脱着が簡単になります。色々なフィルターサイズにも対応。
一般的なネジ込み式のフィルターに比べると、NDフィルターの交換の手間が少なくて済むのが特徴です。
フィルターを近づけると、吸着されます ©
可変式NDフィルターと固定NDはどっちがおすすめ?
それでは、可変式NDフィルターと固定NDフィルターはどちらがおすすめなのでしょうか?私の考えはこちらです。
結論は、シーンによりますが、どちらも便利なんです(笑)私の場合は、動画の撮影で可変NDフィルターを使うことが多く、風景写真などの写真撮影では固定NDフィルターを使っていることが多いです。詳しくは、以下の動画作例をご覧ください。