透明なマウントアダプター「TF-Flare Adapter」を使ってみましたので動画や写真でレビューしてみたいと思います。
制作されているのは(株)テクニカルファームさんです。アダプターが透明な素材でできており、意図的に光漏れを起こしたような映像や写真を撮ることができます。このレンズの面白いところはレンズを選ばずにフレアを楽しめる点です。
目次
レンズ装着例
今回はα7RIIにTF-Flare Adapterを装着しました。分かってはいたけど、改めて現物を見てみると本当にシースルーです。今までにない感覚でワクワクしますね(笑)
flare adapter + A7R2 + Af-s 85mm F/1.8G ©
本来ならば光漏れはご法度ですが、このアダプターは全く逆の発想で作られています。レンズはAF-s Nikkor 85mmm f/1.8Gにしてみました。ニコンの85mmf1.8は350gと非常にコンパクトなのでα7とマッチしますね。見た目は小型ですが、中判カメラのような雰囲気で写真を楽しみたいと思います。
早速フレアを入れてみた
実際にどのような撮影ができるのか?様々なフレアを入れて動画を撮影してみましたのでこちらをご覧ください(^^)後半はやや激しい光漏れとなっています(笑)
愛知県では河津桜がちょうど見頃になりました。使用時のレビューを簡単にしますと、思ってた以上に全体のコントラストが低下して驚きました。今までにない感覚で淡い表現が楽しめます。フレアがお好きな方や、優しい雰囲気の写真を楽しみたい方にはこっそりとお勧めしたいアイテムです。
その他に写真撮影で活用しましたので、詳しくはこちらをご覧ください。
活用例:光を創作する
TF-Flare Adapterは名前の通りフレアを操るためのアイテム。カメラ操作の基本項目である「絞り」「シャッタースピード」「感度(ISO)」に加えて、今後は光漏れも自在に操るのがカメラだー!…という時代になると面白いですよね(笑)
活用例1:ローコントラストな表現
実際にフレアアダプターを使ってみると、驚くほどコントラストが落ちました。普段もローコントラストな写真を好んで撮影していますが、そちらはどちらかというと撮影50%・RAW現像50%といった感じで仕上げていますので、今までとは違う感触です。
ideal weather for a walk | flare adapter + A7R2 + Af-s 85mm F/1.8G ©
活用例2:フレアを入れる
野外の撮影では、逆光や斜光で部分的に鋭い強い光を入れると、昔のフィルムカメラで光漏れを起こしたようなエフェクトを楽しむことができます(詳しくは前述の動画後半を参照)。
また、古いカメラで起こる内面反射したような光も再現できるのではないかと思います。個人的には内部反射のような光をアクセントとして取り入れるために、フレアアダプターを頻用していきたいと考えています。
このようにフレアアダプターの光の遮り方によって抑揚を作り出せるのはこの製品ならではだと感じました。
ideal weather for a walk | flare adapter + A7R2 + Af-s 85mm F/1.8G ©
縦笛を奏でるように指を動かすと、いろんな形の光が入り込みました(詳しくは前述の動画後半を参照)。外から見たらかなり怪しい光景だったと思います(笑)
flare adapter + A7R2 + Af-s 85mm F/1.8G ©
普通のコントラストが欲しい場合にはカメラストラップなどで光を遮ると、通常に近いコントラストで撮影することができました(動画では最初の数十秒を参照)。
flare adapter + A7R2 + Af-s 85mm F/1.8G ©
活用例3:LEDでカラフルな光を入れちゃう!
こちらはCP+2016やInterBEE2015で海外メディアが紹介されていた活用方法で、LEDの光をフレアアダプターに直接当ててフレアさせるという使い方です。
これも今までにない表現ができそうですよね^^ 今後ユニークな使い方は沢山編み出されると思いますが、自分もこれから想像力を膨らませてみたいと思います!
使ってみて分かったこと
実際に使ってみて気づいた事をいくつかまとめてみたいと思います。
装着するレンズはnikonレンズやオールドレンズがお勧め
TF-Flare Adapterは、ニコンのGレンズや絞りが操作できるオールドレンズで使用するのがオススメです。
TF-Flareフレアアダプターは現在のところ、変換元のマウントとしてCanonフルサイズEFマウントとシネレンズのPLマウントが用意されています。ただしアダプターには電子接点や絞りリングは備わっていません。つまり、EFレンズを装着した場合にはマニュアルフォーカス操作で、絞りは開放のみとなり、レンズによっては絞り操作が行えません。
これは透明なアダプターであるが故に仕方のない仕様ですが、絞り操作ができないのは少々不便だと感じます(^^;)私の場合は、nikonGレンズとTF-Flareの間に、絞りリング付きの変換リングを装着してみました。ニコンレンズはキャノンレンズよりもフランジバックが長いのでこのような構成が可能になるのですが、変換リングを使うと問題なく絞りの操作ができるるようになりました。
その他、canonのフランジバッグよりも長いレンズは変換リングを通して使えるかもしれませんね。
装着するレンズは明るい方がいい
フレアアダプターに装着するレンズはできるだけ明るいレンズが良さそうだと感じました。
これは何故かというと、アダプターから入り込む光の量が多くて、レンズからの光を大きく上回る事があるからです。こういった場合にはコントラストがかなり低下して被写体が全く分からない状態になります。
対策としてはアダプターの一部を黒いテープで塞いでおき、コントロールできる範囲の光漏れになるように調整すると良さそうです。しかし、室内等の光の穏やかな場所では逆にもっとフレアが欲しい!と感じる事があります。こういった事からも、明るいレンズの方がフレアさせる光とのバランスを調整しやすいと言えるでしょう。
アダプター特有の縞フレアが発生する事がある
アダプターはアクリル製という事ですが、切削した跡として縞模様が見られます。そのため、アダプターに強い光を入れた場合にはこの縞模様が反射して写り込んでしまうケースがありました。
これを味を捉えるか、気になるか?は好みが分かれそうです。対策としてはカメラボディとアダプターの接合部分を黒いテープで覆ってしまうと軽減するようです。
最後に
ということで、今回はTechnical farmさんのフレアアダプター(TF-Flare Adapter)を使用した感想をまとめてみました。かなり独特なアイテムだと思いますが、個人的に今後活用していきたいと思っています。興味をお持ちになった方はこの機会に一緒に創作フレアを楽しみませんか?それでは^^
flare adapter + A7R2 + Af-s 85mm F/1.8G ©