Hollyland Mars 4Kを導入しましたので、使用感想をブログ記事でレビューしていきます。Mars 4Kは、カメラなどの映像をHDMIまたはSDI入力によってワイヤレスで映像を飛ばせる送受信機です。映像の解像度やフレームレートは、4K30P
や1080P・60FPS
に対応し、150m離れた距離で動画を鑑賞可能。手元のスマートフォン、タブレットの表示にも対応しiPadやAndroidから映像を確認することもできます。
見通し150m,0.06秒の超低遅延4k UHDの30fpsまでワイヤレス映像伝送を可能にしたモデル。ACアダプター、NP-Fバッテリー、USB Type-Cの電源に対応し、Mars M1やMars400S PROとの互換性があります。使用感想はレビュー記事をご覧ください。
詳しい使い方やスマホに画面表示させてみた様子は、以下のYoutubeの動画でもご紹介していますのでご覧ください。動画の中では150m以上離れた時の電波の状況や画面表示の様子についても検証しています。
接続できる端末上限台数は、スマホまたはタブレットが最大4台、Mars 4KやMars M1(解説記事へ)などの同社製品が最大2台接続可能となっています。日本国内で利用する際には技適やDFSにも対応しているので、電波法の違反なく安心して屋外で利用できるのも長所です。
今回はメーカーさんより、実機を使わせて頂きました!それでは、Hollyland Mars 4Kについて、更に詳しく見ていきたいと思います!
目次:離れた場所から映像を確認できるMars 4Kレビュー
Hollyland Mars 4Kのメリット(長所)
私は以前からHollyland Mars400Sという機材を使っていますがHDMIケーブルの配線をすることなくモニターに映し出せるので、かなり重宝していて、3〜4年ほど愛用してました。今回のMars 4Kは、伝送できる解像度が4Kにアップグレードされただけでなく、Wi-Fi経由でアプリへ画面表示する際にもスムーズに繋がるので、全体の使い勝手が更に良くなっている印象を受けました。全体的に満足しています!
本体側面には、カラーディスプレイも備えているので、従来のOLEDに比べて直感的で分かりやすいのも良いところです。特に良いのはバッテリー残量がアイコン表示されている点です。
Hollyland Mars 4Kの側面ディスプレイ。カラー表示でバッテリー残量も分かりやすい ©
また、この後で詳しく見ていきますが、同社製の製品とも互換性があるので、既に持っている機器とも連携することができるのも大きなメリットです。
Mars 4Kの受信機(RX)以外にも同社製のモニター「Mars M1」でも画面表示できる ©
4K映像のワイヤレス送受信に対応したトランスミッター
続いて、Hollyland Mars 4Kのスペックについても見ていきます。
Mars 4Kは、HDMIまたはSDI入力した映像を最大150m離れた場所でも受信できる製品です。特に凄いのが、HDMI入力された映像については、4K30Pの映像をワイヤレスで飛ばすことができます。
送信機(TX)と受信機(RX)のセットとなっている製品が基本ですが、それぞれの機器を個別に購入することも可能です。詳しくは冒頭のAmazonのリンクをご覧ください。受信機側は最大で2台まで同時に映像をワイヤレス受信できます。
Mars 4Kでは、送信機1台に対して次のような組み合わせで映像を受信して画面表示できます。
送信機1台に対する受信機の組み合わせ
RX(受信機)2台
Mars 4Kが2台の受信機があれば同時に映像を受信することができます。
RX(受信機)1台とアプリ2台
Mars 4Kが1台の受信機で映像を受信しつつ、スマートフォンやタブレットで最大2台まで映像を受信。画面表示することができます。
受信機1台とスマートフォン2台で画面表示させてみた ©
RX(受信機)0台とアプリ4台
Mars 4Kの受信機側は使わず、スマートフォンやタブレットで最大4台まで映像を受信。画面表示することができます。
受信機の映像出力はTVモニターや別売りの外部モニターに入力して画面表示するといった事が可能です。例えば、外部モニターには背面にMars 4Kなどの映像トランスミッターを装着できる製品があります。
別売りの外部モニターの背面にMars 4Kの受信機を装着してみた ©
Mars 4K受信機の映像出力を外部モニターの映像入力に接続すると、画面表示できます。
別売りの外部モニターにMars 4Kを接続してワイヤレス化することも出来る ©
この他に、上記画像の右側にあるように、Hollyland Mars M1(解説記事へ)という製品を使うと、モニター製品単体で映像の送受信もできます。M1は内部にトランスミッターを備えているのでコンパクトで配線不要なのが便利です!
【TX、RX+モニターオールインワン】5.5インチ 1000-nit スクリーンを備えたMars M1モニターは送信機、受信機として使用できます。モニタリング画面で送信機または受信機の状態を自由に切り替えることができます。Mars 4KやMars400S PROとも互換性があります。使用感想はレビュー記事をご覧ください。現在は後継機種としてMars M1 Enhancedが登場しています。
この他に、4Kモニターなどの大型テレビや、モバイルモニター、ATOMOS NINJA VやBlack Magic Design Video Assist 12Gなどの外部レコーダーと繋いで映像をキャプチャーするといった使い方も出来ます。
例えば、レコーダーに繋いで画面キャプチャーすることもできる ©
これに加えて、Hollylandの他機種とも互換性があり、過去の記事や動画でもご紹介しているMars M1等でも映像を受信できます。こちらは送受信機の機能を備えた製品なので便利です。
その他に、スマートフォンアプリから映像を受信することもでき、最大で4台まで同時に使えます。
タブレットやスマートフォンからも画面表示できる ©
Hollyland Mars 4Kの付属品の中身
それでは続きまして、Hollyland Mars M1を購入した際の中身や付属アクセサリーを見ていきたいと思います。詳しい内容はYoutubeで解説しています。
Hollyland Mars 4Kの箱の中身 ©
まず、箱を開けていくとHollyland Mars 4Kの送受信機が1台ずつ収納されています。取り扱い説明書は英語表記のみとなっています。この他に電源コードも用意されており、日本の電源コンセントに対応しています。
Hollyland Mars 4Kの電源コード ©
付属品には1/4インチネジ穴を備えたアクセサリーやコールドシューマウントも用意されています。カメラのホットシューに差し込んで使うのに便利です。また、USB Type-CからUSB Type-Aに変換できるOTC変換アダプターも用意されており、こちらはファームウェアのアップデートで使用できます。
Hollyland Mars 4Kのコールドシューアクセサリー ©
Hollyland Mars 4Kのコールドシューアクセサリー ©
詳しい使い方は動画をご覧ください。私の場合は追加でマウントプレートや、Mars 4K専用の収納ケースを購入しました。
Hollyland Mars 4K用に設計されているため、完璧に適合するケースです。
持ち運びやカメラへの装着が簡単になります。
Mars 4Kの端子や本体の各部
Hollyland Mars 4Kの各端子についても見ていきます。
Hollyland Mars 4KにはHDMIやSDIの入出力端子を備えています。HDMI端子は4Kに対応しており、SDIは1080Pまで対応しています。またSDIに関してはドロップフレームも利用できます。更にSDI端子の下方には、6-16Vの電源DCアダプター端子を備えており、電源コンセントからも連続使用できます。
Hollyland Mars 4Kの各端子 ©
反対側にはNP-Fバッテリー装着口が用意されています。ホリーランドのMarsシリーズ製品ではお馴染みの仕様です。
Hollyland Mars 4Kのバッテリー装着口 ©
バッテリーを持っていない場合は以下が参考になるので、そちらをご覧ください。
また、反対側面にはUSB Type-C端子を備えており、ファームウェアの更新や、5V 2.5Aの電源入力に対応しています。USBアダプターから連続稼働させたい時には便利です。
Hollyland Mars 4KのDC端子だけでなく、USB-C端子からも電源供給できる ©
Mars 4Kのペアリング接続と使用方法
Hollyland Mars 4Kの送信機(TX)と受信機(RX)の接続方法を見ていきましょう。Mars 4Kにはカラーディスプレイとジョイスティックボタンが備わっており、本体から直接設定を行うことができます。
接続の流れは以下の通りとなります。
- ペアリング
- CH-Scan(チャンネルスキャン)
- 使えるチャンネルに合わせる
ペアリング
まずは使用する機器同士でペアリングをしておく必要があります。(Mars4Kの購入時直後の送受信機はペアリングされていますので、この設定操作は不要です。)
ペアリングには、まずMars4Kのジョイスティックボタンを長押しして、メニュー画面を開きます。メニュー画面の「Setting」項目から「Pairing」を送信機と受信機で同時に選択します。しばらく待つとペアリングが完了します。
Mars 4Kには送受信機の両方で、Pairingのメニューが用意されています。
Hollyland Mars 4Kのペアリング設定メニュー ©
暫く待つとHollyland Mars 4Kのペアリングが完了する ©
同様にして、同社製のモニターHollyland Mars M1(解説記事へ)を使用すると、こちらでもペアリングが可能です。
Hollyland Mars M1ともペアリングできる ©
チャンネルスキャン(CH-Scan)
Hollyland Mars 4Kや他の機器で使えるチャンネル1〜8のうち、電波干渉の少ないチャンネルを知ることができます。映像をワイヤレス送信する前に、この手順で使えそうなチャンネルをチェックされる事をおすすめします。
Hollyland Mars M1のチャンネルスキャン結果 ©
チャンネルスキャンはMars 4KのRX側(Receiver受信機)で呼び出せる機能です。
RXでジョイスティックボタンを長押しして、メニュー画面を開きます。メニュー画面の「CH-Scan」を選択するとスキャンが開始されます。チャンネルスキャン後、緑色表示となっているチャンネル番号が電波干渉の少ないチャンネルでおすすめだと分かります。逆に赤色のチャンネル番号が電波干渉し、映像が乱れる可能性のあるチャンネルとなります。
使えるチャンネル番号に合わせる
チャンネルスキャン後、使えるチャンネル番号を選択します。送信機(TX)と受信機(RX)それぞれで、ジョイスティックボタンを上下に倒して、チャンネル番号を変更します。
同じチャンネル番号にしておき、30秒から1分待つと、映像の送受信ができるようになります。ディスプレイでは、送受信している映像の解像度やフレームレートを把握することができます。Mars 4Kでは例えば、4K30fpsや1080P60fps、30fpsなどの映像ソースが送受信できます。
Hollyland Mars M1のディスプレイと現在の映像ソース ©
Mars 4KとスマホのWi-Fi接続方法
Hollyland Mars 4Kではスマートフォンまたはタブレット用アプリ「Hollyview」で映像を確認することもできます。受信機と同様に、スマートフォンやタブレットからもワイヤレスで映像を画面表示できます。
Androidタブレットで画面表示させることも可能 ©
アプリはiOSやAndroidに対応しています。Wi-Fiに接続するには「HLD-***」で始まるネットワークIDに接続してパスワード「12345678」を入力します。
Hollyland Mars 4KのWi-Fiネットワークに接続する ©
こちらのパスワードは後から自由に設定変更することもできます。詳しい設定方法はYoutube動画をご覧ください。
Mars 4K送受信機を屋外で使用した結果
実際にHollyland Mars 4Kを屋外で使用してみて、映像がワイヤレスで送受信できるか検証してみました。
Youtubeの動画では4Kの映像を2つの受信機で画面表示したり、スマートフォンアプリで画面表示させてみました。起動時の遅延がどれくらい発生するかについても、動画の中でご紹介しています。
Hollyland Mars 4Kの映像送受信の様子1 ©
Hollyland Mars 4Kの映像送受信の様子2 ©
手元のカメラSONY α7IVの映像をMars 4KのTX(送信機)に4Kで入力して、RX(受信機)で受けた4K映像をBlack Magic Design Video Assist 12G HDRへ画面表示させてみました。
実際に使ってみたところ、Mars 4Kの送受信機の距離が離れると不安定になる事はあるものの、ちょっとした距離なら十分使えそうな印象でした。
手元には携帯電話や2.4GHzのワイヤレスマイクを携帯していましたが、電波干渉を受けながらも、それなりに使えるようです。意外にも、Mars M1とMars 4Kとの相性が非常に良く、遠く離れても安定して映像を拾っていることには驚きました!
Mars 4Kでは、5GHz帯の電波を使用し、4K映像で8-20Mbpsのデータを伝送できるようです。実際に外部キャプチャーモニターで記録してみたところ、電波の受信状況が良いときにはブロックノイズが目立たず、キレイな映像を受信できました。
電波干渉や遅延を避けるための注意点
この結果をメーカーさんに確認して頂いたところ、もっと安定した映像の伝送ができますよ、ということで次のようなアドバイスを頂きました。
使用直前のチャンネルスキャンを推奨
記事後半でも触れていきますがが、電波干渉の少ないチャンネルを選択することができます。今回は手元に携帯電話とワイヤレスマイクを使用していましたが、こちらについては直接の影響はないようです。ただ、近くに電波塔などがあると、DFS使用時に影響があるようです。
2つの受信機は0.5m以上離すのが良い
- Mars 4Kの送受信機は縦向きで配置するのが良い
という事だそうです。複数の機器を離して使用したり、Mars 4Kは縦向きで使うというのがポイントのようです。使用にあたり幾つか知らないポイントもあったので個人的には参考になりました!
撮影シーンに応じたワイヤレストランスミッターを選ぼう
Mars M1をはじめ、ワイヤレストランスミッターは様々な種類がありますので、以下もご覧ください。
(ご提供:Hollylandさん)