今回はHollyland Mars M1 Enhancedというワイヤレスモニターの使用感想をブログでレビューしていきます。こちらはカメラなどの映像をHDMI入力によって画面を表示させるだけでなく映像を電波で飛ばすことができる機器です。

閲覧にはスマートフォン、タブレットの表示にも対応していますので、離れた場所からiPadやAndroidから映像を確認することもできます!

Hollyland Mars M1 Enhancedは、映像を離れた場所からスマホなどで確認できる
Hollyland Mars M1 Enhancedは、映像を離れた場所からスマホなどで確認できる ©

Hollyland Mars M1 Enhancedは現在、公式ページで販売されており、従来モデルのM1よりも安い価格の¥79,200(税込)で購入することができます!詳しくは下記より是非チェックしてみてください!

Hollylandの公式ショップページ

Hollyland Mars M1 Enhancedワイヤレス映像伝送システム・カメラモニターは下記で購入可能です!

その他、Amazonでも購入が可能です!

詳しい使い方やスマホに画面表示させてみた様子は、以下のYoutubeの動画でもご紹介していますのでご覧ください。

ワイヤレス伝送やディスプレイの表示解像度は最高で1920x1080P(FHD)まで対応しています。

Hollyland Mars M1 Enhanced本体の外観(カメラ上部の機材)。タッチ操作もできます
Hollyland Mars M1 Enhanced本体の外観(カメラ上部の機材)。タッチ操作もできます ©

Mars M1 Enhanced本体はモニター機能に加えて映像の送信機にもなり受信機にもなるのが強みです。つまり、Mars M1 Enhancedがもう1台あれば、そちらで画面を共有する事もできます。

Hollyland Mars M1 Enhancedがもう1台あれば、片方を映像送信機、もう一方を映像の受信機として使えます。
Hollyland Mars M1 Enhancedがもう1台あれば、片方を映像送信機、もう一方を映像の受信機として使えます。 ©

Hollyland Mars M1 Enhanced重量は400gを切るので、送受信機搭載であることを踏まえると、かなり軽量に作られているのも大きなメリットです。ワイヤレスで映像を確認する際には150mまで距離を離して使うことが出来るようです!

接続できる端末上限台数は、スマホまたはタブレットが最大4台、Mars M1 Enhancedが最大2台接続可能となっています。日本国内で利用する際には技適やDFSにも対応しているので、電波法の違反なく安心して屋外で利用できるのも長所です。

それでは、Hollyland Mars M1 Enhancedについて、更に詳しく見ていきたいと思います!

目次:外部モニターでワイヤレス伝送もできるMars M1 Enhancedレビュー

Hollyland Mars M1 Enhancedと従来モデルの違い

まず、Hollyland Mars M1 Enhancedと従来モデルのM1との違いについて見ていきたいと思います。

左側が旧モデルのHollyland Mars M1。右側が新型のMars Enhanced
左側が旧モデルのHollyland Mars M1。右側が新型のMars Enhanced ©

両者を比較していくと、まず大きな違いとしては、画面のユーザーインターフェースとモニタリング機能の改良がされています。従来モデルと比較すると、操作方法がかなり変っています。

私の場合、M1通常版とM1 Enhancedの両方を持っているので、操作方法の違いにちょっと混乱しているんですが、M1 Enhancedの方が画面がちょっとリッチになっています。

ワイヤレス伝送機能のOFFが可能になった

更に機能面でも、Hollyland M1 Enhancedは旧モデルの細かい不満点を見事に改善してきたモデルだということが随所から分かります。まず、良かったと思う改善点が、ワイヤレス機能をOFFにできる所です。

つまり、純粋な外部カメラモニターとして使うこともできます。バッテリー節約したり、電波を飛ばしたくない時には便利だと思います。

Mars M1 Enhancedはワイヤレス機能を無効にできるようになった。
Mars M1 Enhancedはワイヤレス機能を無効にできるようになった。 ©

設定を見ていくと、従来の機種のMars M1では、送信機にするか受信機にするかの2択しか有りませんでした。

対して、Mars M1 Enhancedは送信機モードに切り替えると、ワイヤレスを無効化できる設定が用意されています。

ワイヤレスを無効にすると、当然ながら、左の受信側となるディスプレイには何も映らなくなる。
ワイヤレスを無効にすると、当然ながら、左の受信側となるディスプレイには何も映らなくなる。 ©

チャンネルスキャン機能の搭載

電波強度を確認できる機能です。こちらもワイヤレスで映像を送信したい時には必ず使う便利な機能ですが、電波強度をグラフで視覚的に確認できるので非常に便利です。

電波強度を確認できるチャンネルスキャン機能も備えている。
電波強度を確認できるチャンネルスキャン機能も備えている。 ©

モニタリング機能の強化

あとはモニタリング機能を見ていくと、波形モニターでRGBセパレート機能が備わっていたり、画面のウインドウサイズを調整できるようになりました。

モニタリング機能の強化がされ、RGB別の波形モニタリングが可能になった。
モニタリング機能の強化がされ、RGB別の波形モニタリングが可能になった。 ©
波形モニターの大きさや透過度も自由にカスタマイズが可能。
波形モニターの大きさや透過度も自由にカスタマイズが可能。 ©

色々な3D LUTファイル規格に対応

それと、個人的に重要なアップデートだと思った点が3D LUTファイルの対応規格が増えた事です。

3DLUTファイルには格子点と呼ばれるデータの細かさを定義している規格があり、従来のM1では、最も小さいサイズしか受け付けてくれませんでした。これは従来のM1のレビュー記事でも不満点として挙げていました。

M1 Enhancedではその辺りもユーザーの話を聞いて改善してるようで、より安心して使えるようになりました。

Hollyland Mars M1 Enhancedの外観の違い

続いて、旧モデルのHollylandのMars M1(左)と、Mars M1 Enhanced(右)の外観比較を行ってみました。正面から見ると、瓜二つに見えてしまいますが、一体どこが変わったんでしょうか?

まず左側面から見比べてみます。どちらもHDMI Type-A端子の入出力を備えています。これは全く同じです。

HollylandのMars M1(左)とMars M1 Enhanced(右)の比較
HollylandのMars M1(左)とMars M1 Enhanced(右)の比較 ©

続いて右側面を見ていきます。こちらも全く同じで、3.5mmイヤホンジャック端子と、USB Type-C端子を備えています。USB Type-C端子はファームウェアのアップデートや3D LUTファイルの読み込みに利用できます。

HollylandのMars M1(左)とMars M1 Enhanced(右)の比較
HollylandのMars M1(左)とMars M1 Enhanced(右)の比較 ©

底部も全く同じ形状で、1/4インチのカメラネジ穴が備わっています。脱落防止ピン用の溝も用意されています。

HollylandのMars M1(左)とMars M1 Enhanced(右)の比較
HollylandのMars M1(左)とMars M1 Enhanced(右)の比較 ©

大きく変わったのが背面部です。従来のHollyland Mars M1では、一般的なDC端子の形状でしたが、Mars M1 Enhancedは脱落防止用のねじ込み式のDC端子に変わりました!

HollylandのMars M1(上)とMars M1 Enhanced(下)の比較
HollylandのMars M1(上)とMars M1 Enhanced(下)の比較 ©

その他のボタン等の機能や操作方法は従来モデルのMars M1と全く同じです。詳しい使い方はMars M1のレビュー記事をご覧ください。

従来モデルM1と同じ遮光フードや保護ケースが使える

従来モデルと見た目がそっくりなHollyland M1 Enhancedですが、M1で登場していた専用モニターフードと専用ケースがそのまま使えるのも大きなメリットです。

私はHollyland Mars M1の導入時に一緒に購入したのですが、サンフード(遮光フード)は、屋外でモニターを確認したい時とか、万が一落下させてしまった時の衝撃から画面を守ってくれるので大変便利です。

ケースは同時に2台のモニター画面を保管できるので、こちらもかなり便利です。

詳しい使い方はMars M1のレビューで解説しています。

ワイヤレストランスミッターの送受信切り替え設定

冒頭でもご紹介してる通り、Hollyland Mars M1 Enhancedは映像用のモニター画面としてだけでなく、トランスミッターとして機能し、映像の送信機や受信機として利用することができます。送受信の切り替え方法は、画面の上部にある情報ウインドウをタップし、Wirelessの設定項目から切り替える事ができます。

Hollyland Mars M1 Enhancedの設定画面
Hollyland Mars M1 Enhancedの設定画面 ©

またこの他に利用する電波チャンネルのスキャン機能や、放熱用のファンを弱く設定変更できる項目、ディスプレイの色合いを調整できる項目も用意されています。

電波強度を確認できるチャンネルスキャン機能も備えている。
電波強度を確認できるチャンネルスキャン機能も備えている。 ©

映像の記録と再生機能

簡易的な機能ですが、Hollyland Mars M1 Enhancedには入力された映像を内部に記録して、再生する機能も用意されています。画面の左下のアイコンをタップすると、映像を記録することができます。

Hollyland Mars M1 Enhancedの録画キャプチャー画面
Hollyland Mars M1 Enhancedの録画キャプチャー画面 ©

内部記録した映像はその場で再生することもできます。

Hollyland Mars M1 Enhancedの録画キャプチャー画面
Hollyland Mars M1 Enhancedの録画キャプチャー画面 ©

Hollyland Mars M1 Enhancedのキャプチャー機能は、SDカードに記録したり外部へ保存することはできず、記録された動画データはどんどん上書きされていく仕組みです。更に電源をOFFにするとデータが消去されてしまうので、あくまで一時的な記録&再生機能となっていますが、撮影アングルの確認や試し撮りの確認用途としては十分使える機能かと思います。

モニタリング機能の使い方と説明

Hollyland Mars M1 Enhancedにはモニタリング機能と呼ばれる、撮影の露出やピント、ホワイトバランスを確認するための情報表示ツールが搭載されています。タップするとアイコンが表示されますので、それぞれの項目から機能を呼び出して行きます。それでは呼び出せる機能について順番に見ていきましょう。

波形モニター(輝度とRGB別)

入力された映像の左端から右端までの横軸別に輝度が分かる情報です。波形情報はデフォルトで左下に表示されますが、好きな位置へ表示位置をドラッグできます。

Hollyland Mars M1 EnhancedのRGB波形モニター
Hollyland Mars M1 EnhancedのRGB波形モニター ©

波形モニターでは、明るすぎる箇所があれば、波形が上端へ振り切れる様子となり、暗いものが映り込むと波形が下端に向かって下がります。

ベクトルスコープ

中心点となるグレーから、どの色相へ偏っているかを知ることができるグラフです。例えば、以下のように青色へホワイトバランスが偏っていると、ブルー方向へ分布が移動していきます。ベクトルスコープは手元のグレー紙を使って、映像のホワイトバランスを調整したい時に役立つ情報です。

Hollyland Mars M1 Enhancedのベクトルスコープ
Hollyland Mars M1 Enhancedのベクトルスコープ ©

ヒストグラム

カメラではお馴染みの機能。全体のコントラストや輝度の状態を知ることができます。主に黒つぶれや白飛びを把握するのに役立ちます。

Hollyland Mars M1 Enhancedのヒストグラム
Hollyland Mars M1 Enhancedのヒストグラム ©

例えば、映像が明るすぎる場合には白飛びの状態となりますが、ヒストグラムでは右側へ輝度の分布が振り切れるような状態となり、白飛びの状態を把握することができます。

ゼブラ表示(縞々表示)

白飛びや肌の適正露出を見極めるのに役立つ機能です。詳細設定では縞々で表示させたい箇所を自由に変更できます。

Hollyland Mars M1 Enhancedのゼブラ表示
Hollyland Mars M1 Enhancedのゼブラ表示 ©

ピーキング機能(合焦位置の把握)

入力された映像の中でピントが合っている箇所を、赤色などのラインで把握できる機能です。マニュアルフォーカスレンズやシネレンズの操作では特に重宝する機能です。

Hollyland Mars M1 Enhancedのピーキング機能
Hollyland Mars M1 Enhancedのピーキング機能 ©

オプション設定では線の太さや色あいを変更できます。

フォールスカラー(偽色表示)

カメラ映像や写真撮影時の露出を見極めるのに役立つ機能です。画面内で各部の明るさを詳細に知ることができる大変便利な機能です。フォールスカラーを利用すると、黒つぶれしやすい箇所と白飛びしやすい箇所を一度に確認することができます。

Hollyland Mars M1 Enhancedのフォールスカラー(偽色表示)
Hollyland Mars M1 Enhancedのフォールスカラー(偽色表示) ©

例えば、全体の露出が明るすぎて白飛びに近い状態だと、赤色に変化します。屋外撮影では空が白飛びしやすい時に確認しやすく便利です。

アスペクト比率マーカー&ガイドライン

映画の2.35:1画面比率やインスタグラムの1:1、写真でお馴染みの縦横比率である4:3、縦動画となるインスタグラムリールの16:9など、用途に応じたアスペクトを枠線表示と暗転するエリアによって把握することができます。

Hollyland Mars M1 Enhancedのアスペクト比率マーカー
Hollyland Mars M1 Enhancedのアスペクト比率マーカー ©

特にインスタグラム用に正方形の動画を撮影したい時や、映画やPVなどで横長の動画を撮りたい時には重宝する機能です。

外部3DLUTファイルの読み込みとプレビュー表示

カラーグレーディング後の映像を把握できる機能です。USB Type-C端子に付属される変換アダプターを装着して、USBフラッシュメモリ等へ入れておいた外部の3DLUTファイルを読み込み、カメラモニターに適用することができます。

読み込める3DLUTの数は最大で5つとなっています。

外部3DLUTファイルを読み込んで、最大5つ登録することができる。
外部3DLUTファイルを読み込んで、最大5つ登録することができる。 ©

私の場合はSONY α7IVやα7SIIIに作成した3DLUTファイルで、PP10やPP7をカラーコレクションした結果を外部モニターでプレビューできるようにしています。特にソニー製カメラのPP10をカメラの背面液晶でモニタリングする機能(ガンマ表示アシスト)で見ると、鮮やかすぎるので、そういった部分や色相を微調整した物をモニターで把握できるようにしています。

全部で5種類のLUTファイルを読み込めるので、撮影シーンに応じて対応できそうです。

拡大表示

画面の中で拡大したい箇所を詳細に把握することができます。Mars M1 Enhancedでは画面右下に表示されるドラッグエリアをドラッグすることにより、好きな箇所を移動できます。

Hollyland Mars M1 Enhancedの拡大表示
Hollyland Mars M1 Enhancedの拡大表示 ©

アナモルフィック・デスクイーズ表示

アナモフィックレンズなどの特殊なレンズを使った際に起こる画面倍率の圧縮に対して、デスクイーズされた映像を表示してくれる機能です。通常のモニター縦横比率では歪んで見えてしまう時に重宝します。

画面の180度回転(カメラモニターの逆さ吊りに便利)

Hollyland Mars M1 Enhancedでは画面を180度回転できる機能も搭載されています。

Hollyland Mars M1 Enhancedの画面180度回転機能
Hollyland Mars M1 Enhancedの画面180度回転機能 ©

ジンバルや業務用カメラに逆さ吊りでMars M1を固定したい時に便利です。

グリッドラインのガイド表示(三分割構図線)

撮影の構図を決めるときに役立つ補助線表示の機能です。Hollyland Mars M1 Enhancedでは複数の分割ラインに対応しており、線の太さやカラー、分割数を自由にカスタマイズ出来ます。

Hollyland Mars M1 Enhancedのグリッドラインのガイド表示
Hollyland Mars M1 Enhancedのグリッドラインのガイド表示 ©

撮影シーンに応じたワイヤレストランスミッターを選ぼう

Mars M1 Enhancedをはじめ、ワイヤレストランスミッターは様々な種類がありますので、以下もご覧ください。

(ご提供:Hollylandさん)