一眼レフカメラのフルサイズ(35mm)とAPS-Cの違いについて初心者の方にも分かりやすくまとめます。

同じレンズを装着した時の比較や、レンズを選ぶ際の注意点についても触れたいと思います。

Golden apple | Sony α7 + Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA
 Golden apple | Sony α7 + Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA ©

目次

APS-Cとフルサイズ(35mm)の違いってなに?

カメラにはAPS-Cと呼ばれるカメラと、フルサイズと呼ばれるカメラがあります。この2つの違いは、分かりやすくまとめると次のような違いがあります。

  1. 写真の写り込む範囲が違う(後述)

    フルサイズとAPS-Cのカメラに同じレンズを装着した写真を比べると、写り込む範囲が異なります。またフルサイズではAPS-C専用のレンズが使えないため、注意が必要です。これについては後半で詳しくまとめます。

  2. ボケの大きさが違う

    フルサイズとAPS-Cのカメラに同じレンズを装着した写真を比べると、ボケの大きさが異なります。ボケはフルサイズの方が大きく、APS-Cは小さくなります。

  3. カメラの価格が違う

    一般的にフルサイズカメラの方が価格帯が高く、上位機種のラインナップが多い傾向です。APS-Cのカメラはフルサイズに比べると価格帯が安く、初心者向けから中級機種のラインナップが多い傾向です。

当記事では1つ目にご紹介した、写り込む範囲の違いを中心に触れてみたいと思います。

センサーサイズの規格

フルサイズとAPS-Cとは、厳密にはカメラセンサーの大きさの規格のことを表している用語です。

カメラセンサーは、カメラのレンズの光を受けて写真データにする電子部品の事です。フルサイズの方がAPS-Cに比べて1.5倍ほどセンサーサイズが大きくなっています。

カメラセンサーは中心の青い箇所の事です
カメラセンサーは中心の青い箇所の事です ©

(引用:α7R III デジタル一眼カメラα(アルファ)ソニー)

写りこむ範囲が変わる

フルサイズとAPS-Cのカメラに同じレンズを装着した時には、写り込む範囲が変わります。この違いを次の写真で見てみましょう。

APS-Cとフルサイズの写り込む範囲の違い
APS-Cとフルサイズの写り込む範囲の違い ©

カメラのファインダーを覗き込んだときに、フルサイズのカメラを使った時はAPS-Cより広い範囲が写り込みます。逆にAPS-Cだとフルサイズに比べて狭い範囲が写るので、同じレンズを使ったら、より遠くのものが大きく撮影できます。

同じレンズを使っても、カメラによって写る範囲が違うので注意が必要
同じレンズを使っても、カメラによって写る範囲が違うので注意が必要 ©

例えばフルサイズのカメラで撮影するとこのように写ります。

DSC_0148.jpg

これに対して、同じレンズを装着したAPS-Cのカメラで撮影すると以下のように写ります。

APS-Cの場合はより遠くの範囲(狭い範囲)が撮影できる
APS-Cの場合はより遠くの範囲(狭い範囲)が撮影できる ©

遠い被写体はAPS-Cの方が便利な場合もある

鳥の撮影や運動会、飛行機などの撮影ではAPS-Cが有利な場合もあります。

撮影では望遠レンズが必要となりますが、APS-Cのカメラはフルサイズのカメラよりも遠くの物を写す事ができます。結果的に、フルサイズよりもAPS-Cの方がレンズを安価にしたり、小型にする事ができる事もあるので有利です。

遠くの被写体を狙うならAPS-Cの方が有利な場合もある
遠くの被写体を狙うならAPS-Cの方が有利な場合もある ©

フルサイズでAPS-Cのレンズを使用する時にはケラレに注意しよう

カメラのレンズには2種類のレンズがあります。

  • フルサイズ対応(APS-Cにも対応している)
  • APS-C専用レンズ(フルサイズでは使えない)

APS-C専用のレンズをフルサイズ(35mm)のカメラで使うとケラレという現象が起こることがあります。ケラれてしまった写真は例えば次のような写りになります。

ケラレてしまった写真。周りが暗いのが特徴。
ケラレてしまった写真。周りが暗いのが特徴。 ©

ケラレについて詳しくは以下をご覧ください。

また、レンズを購入・検討する際には、該当のレンズがAPS-C専用のレンズであるのか、そうでないのかを確認しましょう。見分け方については以下の記事をご覧ください。