カメラで撮影した写真がなぜかブレてしまう…。そんな悩みを初心者に分かりやすく解説する連載記事「一眼レフで写真がぶれるのはなぜ?その対策を解説してみる」の第4回目です。

今回はカメラ設定の中のシャッタースピードと、画質低下の関係ついて解説していきます。

実は、カメラのシャッタースピードと画質低下は、常に隣り合わせとなっています。双方のバランスを取った、的確なカメラ設定ができるように練習してみましょう。

宿場町は眠る | A7R2 +  Carl Zeiss Loxia 2.8/21
 宿場町は眠る | A7R2 + Carl Zeiss Loxia 2.8/21 ©

目次

レンズと手ブレの関係についておさらい

第3回の解説では、レンズやカメラと、手ブレの関係についてまとめました。

カメラやレンズによっては、ブレやすいものがあったり、また手ブレ補正機能や明るいレンズを活用することで、ある程度手ブレを軽減できることをご紹介しました。

シャッタースピードは常に速ければいいのか?

今回のテーマですが、シャッタースピードと撮影した写真の画質の関係について、見ていきましょう。

第2回で解説しましたが、被写体ブレを起こしにくいシャッタースピード値を大まかに覚えておくと、動く対象についてもブレることなく撮影することができます。

被写体 必要となるシャッタースピード(秒)
動きの少ない風景 どれだけ遅くても良い
歩いている人 1/100 〜 1/200
走り回る子供 1/250 〜 1/500
羽ばたく鳥 1/1000 〜 1/1500
水しぶき、水の流れ 1/1500 ~ 1/2000

カメラのシャッタースピード設定は、最も速いもので1/4000から1/8000秒に設定する事ができます。

そこで疑問に思う方もいるでしょう。常にカメラの設定を1/8000秒にしておけば、どの被写体でもブレずに撮影できるんじゃないの?と…。

答えは半分正解です。それでも間違いではありませんが、引き換えに画質が落ちてしまう事があります。これは一体どういう事でしょうか?次項で詳しく見ていきましょう。

シャッタースピードは画質低下と隣り合わせ

シャッタースピードを上げる際に、常に付きまとうのが画質低下との戦いです。みなさんは、カメラを持って写真を撮影する時に、次のような経験はありませんか?

  • 夜に撮影した写真はブレている
  • 曇りの日の写真はブレている
  • 結婚式で撮影した写真はぶれている
  • キャンドル写真てぶれてしまう

上記で共通しているのは暗いシーンです。一眼レフの撮影は、暗い場所であればあるほど、写真がブレるリスクが増えます。つまり、暗くなるほどシャッタースピードが遅くなりがちで、ブレてしまう事が多いんです。

それでは、ぶれない写真を撮るためにはどうするか?…前項でも説明しましたが、撮影者が速いシャッタースピードに設定して撮影する必要があります。

シャッタースピードを上げるとき、カメラ設定の中で感度(ISOと呼びます)が高い値に変化します。

高い値となったISOの値
高い値となったISOの値 ©

ここで今回の重要ポイントですが、感度(ISO)は高い値であるほど、撮影した写真の画質が低下します。この時、撮影した写真を見ると、細かい粒(ノイズ)が多く見られるかと思います。

撮影例をみてみましょう。次の写真は低いISOで撮影した写真と、高いISOの値で撮影した写真です。

ノイズが多いのがよく分かるかと思います。続いて、上記の写真を一部拡大した画像を見てみましょう。

多くの撮影シーンで、ノイズの少ない写真を撮りたいと思う事が殆どだと思います。上記で撮影例を挙げた通り、画質低下(ノイズ量が増加する事)を抑えた写真を撮るためにはISO(感度)をできる限り低い値に設定して撮影する事が鉄則となります。

理想の画質を得るには低いISOに設定する事が必須
理想の画質を得るには低いISOに設定する事が必須 ©

必要なシャッタースピードを確保し、感度(ISO)は低い値に

前項では、ISO(感度)と呼ばれる設定と、画質低下の関係を説明しました。

先ほども説明しましたが、一眼レフカメラで撮影するからには、できるだけ綺麗な写真を撮りたいと思う事がほとんどだと思います。

ですが、できるだけ撮影対象がぶれない程度のシャッタースピードをカメラに設定する必要がありますし、シャッタースピードが遅い場合にはISO(感度)を上げなくてはなりません。

カメラの設定で意識しなくてはならない大切なことは、撮影する被写体の動きに応じた必要なシャッタースピードを確保するために、最低限必要となる感度(ISO)を上げることです。

シャッタースピードとISO(感度)は常に意識して撮影しましょう。

まとめ

いかがだったでしょうか?今回はカメラ設定のシャッタースピードと画質低下について分かりやすく解説しました。

繰り返しになってしまいますが、シャッタースピードとISO(感度)は常に隣り合わせの関係にあります。バランスを取った程よい設定ができるように、色々と撮影して練習してみましょう。

練習としてオススメなのが、夜に道路を走る車を撮影することです。

車が止まるシャッタースピードはどれくらいの速さが必要でしょうか?シャッタースピードとISO(感度)を上げたり、下げたりして、どのようなカメラ設定がベストなのか練習撮影してみましょう。

じっくり撮影していくと、車がブレないシャッタースピードと、最低限必要なISO(感度)が見えてくるはずです。

次回は実践編という事で、実際にカメラを操作して的確な撮影設定を行う流れを解説してきたいと思います。